乳ガンとともにのほほんな日々

山が高ければ、谷間も深い…いろいろ翻弄されながら、頑張りすぎず病と付き合う日々のあれこれ…

鳥越俊太郎氏講演会

2013-06-12 14:34:53 | 病のこと

去る6月8日 北海道大学医学部の主催で、鳥越さんの講演会に行ってきました。

演題は『がん体験者が一番言いたいこと』

大腸がんに始まり、7年半で4回(大腸、両肺、肝臓)の手術。大腸がんの肺転移でステージ4との診断を受けている。どのようなモチベーションで過ごされているのか、とても興味があった。というのも、まだ、深刻とは言えないながらも、日々不安や絶望に苛まれることの多い自分が、どのように病気と対峙するのか・・・・・を、実際の体験者の言葉を聞いて考えていきたいと思ったから。でも、患者会などに行きにくいのは、どうも、同じラインで話を聞いて、必要以上に気を使ってしまって、余計に悲しくなりそうだから。その点、著名人の講演という場合は、一枚フィルターを通して話を聞くことができるのでは・・・・と思いました。(それでも、感情的になりそうなので、友人にご一緒して頂いたのですが・・・・)

癌という相手には、どんなに言葉を尽くしても、体験者にしか解らない側面が多いと感じます。それは、家族や友達、そしてお医者様であっても同様。皆様が心配して下さっているのは痛いほど解って、心の拠り所でもあるものの、現実の孤独、不安、焦燥感は自分しか対峙できないのだなと思ってこの3年間を過ごしています。

俊様(あまりのダンディさに、友人と勝手に「しゅんさま」呼ばわり!!)は、約1時間半を立位のまま、手にマイクを持ってお話してくださいました。とても、癌と闘っているとか、ステージ4とはお見受けできません。メディアで活躍しているだけあって、観客の掴みも上質です。リラックスしてお話を伺えました。

以下、とても力を頂いたお話。

ステージ4という状態のとらえ方について。

『ステージ4と末期とは非なるもの!!!!』 一般的にステージ4≒末期と思っていたのですが、俊様は「そうではない」と。氏の場合、大腸がんが肺に転移したのでステージ4!でも、定期的な検査や、治療の努力で早期に発見して早期に治療できており、末期的な症状ではない!!だから、癌の末期症状とは言わない!!!!と。

医師(治療)の選択について。

進行が緩やかなのは・・・・・西洋医学(抗がん剤等)を行っていたから。と医師は言う。しかし、免疫力UPの為の東洋医学(漢方)も併用しており、こちらの先生も抗がん剤ではなく漢方を行っていたから。と言う。どちらも、自分の立場から物を言っているのだろうけれど、結局は両方を選択してきた自身の方針が功を奏していると思うと。また、胸腔鏡、腹腔鏡OPを受ける際に、「先生は術式症例はいくつくらいありますか?」と尋ねたと。(修練・熟練度を確認した。)あくまでも、治療の主体は自分であると。

患者(その家族)、体験者はよく言われる話で分かり切っていることだろうけれど、それなのにうまく主体になれない現実があります。でも、改めて良好な治療結果を出している人に言われると、とても勇気を貰うことができました。

癌は痛みを感じないサイレントキラーです。痛みを感じた時には手遅れになっていることが多い。だから、検診が重要です!!!これまた、言われ続けている言葉ですが、ステージ4でも末期ではない、俊様の言葉は力強いものでした。

私の乳がんは、小さなしこりを見つけて直ぐに自分から診察に行って発覚したのですが、当初近所のクリニックで見過ごされてしまい、そのクリニックでの一回目OPの取り残し疑惑のある再発も経験し、病院を移って、ステージ2から3という現状です。その事に、怒りを感じることもあります。

でも、自分で見つけられたこと、すぐに病院に行ったことで、まだ最悪の状況には至っていないのだな・・・・と思うことができました。

ホノルルマラソンを完走するほど体を鍛えたり、食事に細心の注意を払ったりと、俊様はストイックに治療生活を送っておられるそうです。そこまで、ストイックにはなれない私・・・・でも、私らしく、ゆるゆると、たんたんと(時々うつうつとすることも受け入れながら)癌と向き合い、笑いながら細く長い人生を送っていけたらいいなぁと、思っています。

今回は、ホントに良い講演会に参加できました。(著書にサインを頂き、記念写メもご一緒して頂きました)


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2 コメント

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Unknown (遠藤です。)
2013-06-13 17:59:13
そうなんだよね。どんなに言葉を選び励ましたいと思っても、その気持ちと一緒にはなれない。本人にしかその孤独感や辛さはわからない。
私はこれからも、看護師になっていろんな患者さんに出会っても、いつも迷いながら、ふがいない自分を感じてるいくんだなぁ~と思います。
沢山学ばせてもらいます。チカちゃんからも、患者さんからも、そして少しでも心に寄り添える看護師になりたいです!
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頼もしい! (はくなまたた)
2013-06-13 18:38:10
遠藤のように優しい人が、看護・介護に向いているんですね!自分もだけど、迷うことがなくなったら人間相手のお仕事はできないですもんね
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