TOMO's Art Office Philosophy

作曲家・平山智の哲学 / Tomo Hirayama, a composer's philosophy

ジュリアン・ユーの「展覧会の絵」

2005年09月30日 | 音楽
 クラッシックを聴いていると、誰にでも「この曲はこの演奏!」みたいなCDがありますよね。私の場合はラヴェル編ムソルグスキーの「展覧会の絵」。これはチェリビダッケ/ミュンヘンフィルの演奏じゃないとどうしてもダメなんです!永遠の名演奏です。もちろん他にもいろいろ聴いているし、他の演奏も素晴らしいのだけど、小さい頃レコードで聴いたこの演奏からどうしても離れられないのです…。

 が、ここまで凝り固まった私の「展覧会の絵」を根本から覆す録音に最近出会いました!ジュリアン・ユー編「展覧会の絵」です。ラヴェルの編曲はムソルグスキの原曲に非常に忠実に(というよりほとんどそのまま)オケ化しているのに対し、ジュリアン・ユーは独自の観点からこの曲を捉えなおしています。ほとんどの管が一管という室内楽編成。北京生まれの作曲家とあって、エスニックなサウンドですが、ナショナリズムなどとはまったく無縁の自由な響きです。
 はっきり言っておきますが、この人は間違いなくラヴェルを意識しています(現代作曲家なら当たり前ですが…)意識した上で、それに対する強烈なアンチテーゼを突きつけているんです。バーバヤーガ~キエフへの移行部なんて…ラヴェル編を聞き込んだ人なら絶句してしまうでしょう。なんてったって「正反対」の編曲なんですから。
 これはとにかく聴いてみてもらうしかないですね。この曲はオーケストラアンサンブル金沢の演奏でみごとな録音がなされていますので、是非!!
(MyFavoriteでも紹介しております)

*カラレガの皆様、必聴です!!
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世界一の弦

2005年09月17日 | 音楽
 先日の日記にも書きましたが最近ティルシャルのホルンを良く聴いています。ティルシャルと言えば、永年チェコフィルのホルンセクションを率いた名手。その独特の音色はもはやチェコの至宝と言っても過言ではないでしょう・・・が、このCDを聴いていると私はどうしても弦セクションに耳を奪われてしまうんですよね~。
 チェコフィルの弦は世界一と言われます。完璧にそろったアンサンブルと磨きぬかれた透明感は言葉に尽くしがたいものです。

 こんなにすばらしい弦を誇るオケで、是非シェーンベルクの「浄夜」や武満の「弦楽のためのレクイエム」を聴いてみたいのですが、日本公演ではお決まりのドヴォルザークばかり・・・ホールの企画者がよほど古い人間なのか、客寄せのための選曲わかりませんが、もっと現代のチェコフィルサウンドを聴かせてほしいものです。

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自分を変える時期か

2005年09月11日 | 音楽
 先日のくにたち室内管弦楽団の演奏会、自分なりに最大限の努力とそれなりの演奏をすることが出来ましたが、その一方で学生時代のような吹き方が艱難になっていることを感じました。自分のイメージするフレージングや音色はかなりの体力と練習があってこそ可能なものであることは前から感じていましたが、それをモロに実感させられた感じです。
 
 ただ、こういう行き詰まり感というのは人生のなかで周期的に必ずやってくるもので、そのつど自分のスタイルや方向性を見直してやっていくしかない。良い音、良い音楽を目指すことには一切変更はありませんが、少々アプローチの仕方を変えていこうと思います。

 こういうのって仕事であれ、人間関係であれ、同じことなんですよね。なにか新しいアクションを起こさねばならない時期にきているような気がします。と、いうわけで今日は久々にティルシャルのCDを聴きつつ、リクナビネクストを閲覧中…
コメント (2)
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秋も近づく

2005年09月01日 | 音楽
 まだまだ残暑は続いていますが、夜はだいぶ涼しくなってきましたね。何を隠そう私の住んでいるアパートの裏は畑です。夜になると虫の声がリンリンと響きます。最近は窓を開けて寝るので、毎晩この虫の声が楽しみ。自然の名演奏を毎晩聴かせていただいているわけです。

 天才作曲家黛敏郎は晩年、夕暮れの京都に響き渡る鐘の音をきいて、「これ以上の音楽は作れない」と作曲をやめてしまったそうです。私はまだそこまでの境地には至りませんが、あらゆる音楽を感じ取れる感性は磨いていきたいものです。

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