三日月が出ていた まだ生まれてから三日目くらいの鋭いやつで ひどく無口だった かれは何もしゃべらないので おれも黙っていた 蝉が鳴いていた 蝉が鳴くのをずっと待っていたが 気が付くと 鳴いていた 昼のあいだ鳴き続けて日が暮れて静かになった 夜が深まるころ一言だけ呟いた そして静まりかえっていた 迎え火を炊く匂いがすこししたが 蚊取り線香の匂いはしなかった どこか遠くで 風鈴が鳴った気がした 昼間の日差しの強さが地面にまだ残っていた 海辺へ出ると少し風が吹きはじめ 薄が揺れていた おれの記憶ではない誰かの記憶で同じこの光景をみた それをおれがみていて いつかだれかがまたそれをみる 祖母の顔と よく歌っていた満州の歌を思い出す
takuya,taichi,kensukeTHAupoppo,&his son kanta are visited my home.
feel the summer breeze, sea breeze. a little bit misty, and darkness. i heard a far off sound in the stillness.