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ストライプ ヴォリューム

魂って何でしょうね?

デセル 【神殿】 -4

2015-01-27 12:00:00 | 
かつて神殿があった場所は、蓮の花に似た小ぶりの舟で
人々が空間を移動するような世界だった。

ここにそこまでの技術は伝わっていない。



神殿のエネルギー環境も基本的に街と同じ造りである。

、、と言うと、成り立ちの順序が逆になる。


まず神殿のエネルギーシステムが基礎にあり、それを小規模に3次元に改変したエネルギーシステムが、街のエネルギーシステム(サブ)である。

※神殿の主体部分(最深部)については不明。
3次元のエネルギーとは関わらなかったものと思われる。


神殿には外部から入った人間もいるので、3次元のエネルギーも存在はするが、その為に消費される量が非常に少ない為、純化したエネルギーはほぼ変動せず内部を巡っている。



一方、少しずれた次元にある神殿と外界とを繋ぐ「門」には、かなりのエネルギーを必要とした。

上位次元エネルギーと3次元エネルギーでは、その質と量に位差がある為、どうしても3次元側へエネルギーが抜けてしまう。

一定量を安定供給し、且つレベルの擦り合わせを調整しておくことがとても重要だった。

定期的な監視と、日々の細かな点検がかかせないエネルギー循環設備だ。



システムの概要。


ブリリアントカットのテーブル面のクリスタル円盤が、エネルギー充填器である。
吊り下げ式の地下走路を巡回して各々の「門」にエネルギーを供給し続ける。

高エネルギーな状態に保たれた補充室があり、そこを通過するときクリスタルは
不足分を取り込んだ。

「門」では、上記のとおり消費されてしまうことが殆どで、外からエネルギーが
補充されることは無かったが、近くに放失量を超える力を持った存在がいるときは
やはり差位分その場のエネルギーを取り込むことになる。
…といっても、取り込んだ場の振動が微かに映される程度であるが。
しかし、それによって立ち入ることの無い場所の景色を目にすることもあった。







クリスタルの盤面に神域に遊ぶ生き物や踊る巫女達の姿が映る。


意図して見ていたわけではないので、覗きと言われては心外だ。
無造作に放り出してあったポートレートを仕事柄目にしてしまった、そんな偶然のようなことだった。

時折見かけるそれは、他愛のない美しい景色だったから、その事で心が温かくなる以外、何も考えたことは無かった。
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デセル 【 街 】  -3

2015-01-13 05:00:00 | 
干潟の州から鉱石・宝石を採集するのは独立した職で、専業の人達が作業にあたった。

中央の大海路を境に、上羽区と下羽区に分けられて管理されている。

干潟や水路、現れたり消えたりを繰り返す州にも熟知した石採り組織に(独占的に)
任されていた。
問屋は無く、彼らはその品を直接買い付け商人と交渉していたようだ。

石を買い付けた商人は、原石のまま持って帰るのでなければ
加工もこの街で依頼した。
以前の買い付けのときの商品を引き取り、また新たに頼んで、次に訪れたとき
出来上がったそれを受けとった。


鉱石・宝石を加工するのは、それが専業の集団いわゆる鍛冶屋組織があった。
取引量の多さからも各々が腕を磨く修練の場になった。
偏屈な職人も多かったようだが、それでも師弟制をとるところが殆どで
一通りの技を修めた者はこの街に居を定める者もいたが、大概また
故郷へ帰っていった。



この街の光熱エネルギーは、地下の鉱脈を流れる源の力を利用している。

最初は井戸のようなものだったそうだ。
水をくみ出すように、エネルギーを含んだ石を取り出して使っていた。

その後、エネルギーそのものを取り出せるようになり、管路を設置して街や
その他へ導いた。

エネルギーの流脈を探して掘り返さずとも抽出できるようになり
水瓶の水を移し替えるように空け替えたり、溜めて置くことも可能になり
より一層使い勝手が良くなった。

いつしか街自体が一種クローズサーキットの誘導体で出来上がっていた。

水晶に取り込まれた水が位置を変えて動くようなもので、その位置を変移させた
運動のエネルギーも再吸収される減衰しないシステムだ。

使用者の意思によって、その場のエネルギー量は制御or操作されている。


炉を例にとって説明する。

金属の鉱石から使いたい種類の成分を分離させ、更に希望の形へ作り替えたいとき
鉱石に変移してもらわねばならない。
街のエネルギーはそれを補佐する形で鉱石に加えられ、条件に添って鉱石は組成の
組み合わせを変え、再結晶化する。
その際、発生した熱量は街に取り込まれ、また循環する。

これにより、街は常にエネルギーを保ち「生きている」と言って良い状態になった。









後年、この技術は応用され負の発展を遂げる。
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