100円スピーカで楽しむクラシック。

100円ショップの「耳元スピーカ」と携帯CDプレイヤで、クラシック音楽を聴こう!

トスカニーニ、NBC響との最初の演奏会(1937年)。

2006-04-23 00:00:01 | 100円スピーカ
Toscanini's First Concert with the NBC Symphony Orchestra [from US] [Import]
Toscanini's First Concert with the NBC Symphony Orchestra [from US] [Import]

トスカニーニがその後1954年に引退するまで、手兵としていたNBC交響楽団との記念すべき初めての演奏会の録音。1937年12月25日。ラジオ放送のアナウンスにつづけて、ヴィヴァルディの作品3の11の合奏協奏曲、モーツァルトの40番ト短調交響曲、そしてブラームスの第1交響曲が収められている。音質は案外鮮明で、ヘッドフォンでも十分楽しめる。

頑固一徹でストイックな音楽作りはここでも顕れているが、晩年の解釈に比べると加えてよりしなやかな運動が聴かれる。モーツァルトのほの暗い情熱、ブラームスのドラマティックなフレーズの振幅など、ザッハリヒと評されがちなトスカニーニのロマンティックな側面を聴くことができる。100円スピーカでも、そうしたニュアンスが伝わってくる。

ブラームスの1番は、BMG(RCA)にある同じオーケストラを指揮した後年のものや、Testamentにあるフィルハーモニア管とのものと比較するのもおもしろいだろう。案外、なめらかな熱いその歌い口に驚かされるかもしれない。ちなみに私は、演奏内容に関していえば、この最初の演奏会のものに惹かれるところが大きい。貴重な記録である。(MYTO)

ベーム/RCO/モーツァルト:交響曲第39番、第40番、第41番《ジュピター》

2006-04-10 14:02:07 | 100円スピーカ
モーツァルト:交響曲 第39番、第40番、第41番《ジュピター》<br>

モーツァルト:交響曲 第39番、第40番、第41番《ジュピター》

1955年9月、ベーム61歳のときのロイヤル・コンセルトヘボウ(当時・アムステルダム・コンセルトヘボウ)管を客演指揮した録音。壮年期のベームの引き締まった演奏だ。ベームの晩年には晩年の良さがあるが、精力的な勢いという点では、やはりこのモノラル盤に軍配が上がろう。骨太な格調高いモーツァルトである。ただ、ヘッドフォンなどで聴くと音の古さが気になる。100円スピーカなら、なかなかイマジネーションが拡がり、いい雰囲気で音楽を楽しむことができる。生誕250周年記念、ユニバーサル・クラシックの国内盤企画「モーツァルト歴史的名盤1200」からの1枚。(PHILIPS)

シェリング(vn)/バッハ:無伴奏vnソナタ&パルティータ(1955年録音)

2006-03-17 21:46:38 | 100円スピーカ
Bach:Sons & Paritatas for Vln [from UK] [Import]

Bach:Sons & Paritatas for Vln [from UK] [Import]

バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータのモノラル録音は、100円スピーカによく合う。以前にメニューインのものを紹介したが、きょうはシェリングのもの。と言えば「ゆらこめ」にも紹介しているDGのステレオ盤を思い出されそうだが、今回、取り出したのは1955年、SONYのモノラル録音である。これが、100円スピーカで美麗な音を聴かせてくれるのだ。DGの新盤とはまた異なった味わいが楽しめる。

DGの円熟のなかに毅然とした厳しさの宿る演奏も忘れられないが、このSONYの旧盤も落とせない。音色に張りのある艶ということでは、旧盤により魅せられる。そして若々しく颯爽としたフレーズの流れがいい。音質も、ステレオのヘッドフォンで聴いても問題のないものだが、100円スピーカで聴くと、よりイマジネーションが拡がる。SONYは元々、硬めの音質を特徴とするが、それが100円スピーカにクッキリと活きる。(SONY)

ちなみに、DGの新盤は以下。これも必携。(DG)

バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ(全6曲)

バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ(全6曲)


カペル(pf)/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番。

2006-02-15 18:16:55 | 100円スピーカ
Rachmaninov: Piano Con No.2 [from UK] [Import]

Rachmaninov: Piano Con No.2 [from UK] [Import]

飛行機事故のために31歳の若さで亡くなったアメリカのピアニスト、ウィリアム・カペル(William Kapell, 1922 - 1953)の残した貴重な録音群のなかのひとつ。オーケストラはロビン・フッド・デル管、指揮はスタインバーグ。重く鋭い等質的な粒立ちから成るそのタッチは強靭でありながら明快だ。この協奏曲は1950年、併せて収録されているパガニーニ狂詩曲は、同じオーケストラをライナーが指揮しており、1951年の録音である。

100円スピーカで聴いても、その凄みがビンビンと伝わってくる。太く唸るふうな低域から輝かしく放たれる高域まで、抜群のテクニックで聴く者を圧倒する。カペルの死の報に接したホロヴィッツが「これで私がナンバー・ワンだ」と弔意を込めて述べた話は有名だが、実際その録音に聴く演奏は大いなる天才を感じさせる。最後に遺した録音が、ショパンの葬送ソナタであったというのも、天意を想わせる逸話だと思う。

BMGが1998年に"William Kapell Edition"として9枚組のセットを出し、私も購入したが現在は廃盤の様子。いまでは高値で取引されている。このラフマニノフの盤だけが、NAXOSから再発売されているようである。ロビン・フッド・デル管は、実体はフィラデルフィア管であったか、レコード会社との契約の都合上でそうした名称を冠しているのだという話を聞いたことがあるが、詳しいことは私も知らない。(NAXOS)

ギーゼキング/ドビュッシー:前奏曲集第1巻&第2巻。

2006-01-28 14:45:39 | 100円スピーカ
ドビュッシー:前奏曲集第1巻&第2巻

ドビュッシー:前奏曲集第1巻&第2巻

一般に印象派と呼ばれ、精細な音色の移ろいを魅力とするドビュッシーの音楽においては、ある程度、録音の優れたものでなければ、演奏者の本意を伝えきれないだろう。と、思いきや、このギーゼキングの1953~1954年のモノラル録音の100円スピーカでの再生でも、曖昧にならずしっかりとよくこれを聴き取ることができる。このピアニストの明晰なタッチとペダリングの絶妙さには、音の古さを超えて伝わる確かな技がある。(EMI)