100円スピーカで楽しむクラシック。

100円ショップの「耳元スピーカ」と携帯CDプレイヤで、クラシック音楽を聴こう!

E.クライバー/VPO・モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」。

2005-06-07 03:21:31 | 100円スピーカ
Mozart: Le Nozze di Figaro [FROM US] [IMPORT]

Mozart: Le Nozze di Figaro [FROM US] [IMPORT]

歌劇「フィガロの結婚」の歴史的な名演として誉れ高い、エーリッヒ・クライバー指揮、ウィーン国立歌劇場の1955年の録音。シエピ、ギューデン、デラ・カーサと名歌手が揃う。堅牢に引き締めるクライバーの棒の下、典雅に香り立つウィーン・フィルの響きが懐かしくあります。ギリギリ、ステレオ録音で、オケに若干モゴッとした音の古さを感じさせますが、声はしっかり捉えられており、普通のコンポで充分鑑賞できる優れた音質です。

100円スピーカで聴くなら、尚のこと問題ありません。枕元で聴いていると、そこに小さな歌劇場が、かわいらしく出来るふうで、これまた趣深くあります。話の筋書きを知らなくとも、次々に繰り出される親しみやすいアリアの数々に魅せられることでしょう。オペラの苦手なひとは、案外、このように100円スピーカで流し聴きする形も、入りやすいかもしれませんね。対訳を読むのは、しばらくあとになってもいいと思いますよ。(Decca)

ラフマニノフ・自作自演/ピアノ協奏曲第2、3番。

2005-05-12 16:02:27 | 100円スピーカ
Rachmaninov: Piano Concertos Nos. 2 and 3 [FROM US] [IMPORT]

Rachmaninov: Piano Concertos Nos. 2 and 3 [FROM US] [IMPORT]

ラフマニノフは自作のピアノ協奏曲4つ全曲と「パガニーニの主題による狂詩曲」の、自ら弾いた録音を残しています。ここに採り上げたのは、そのうちの2、3番を収めたもの。いずれも、作曲者の賞賛したフィラデルフィア管のサポートによっていて、前者がストコフスキー指揮で1929年、後者がオーマンディ指揮で1940年の録音です。ラフマニノフのピアニストとしての腕の凄さに驚嘆。輝かしいタッチの映えるのが、音質の古さを超えて伝わってきます。いわゆるフィラデルフィア・サウンドを楽しむには弱さがありますが、甘い歌い口のなかにそんな響きも感じ取れます。(NAXOS)

1、4番と「パガニーニの主題による狂詩曲」は、こちら

B.ギンペル/ドヴォルジャーク:ヴァイオリン協奏曲、他。

2005-05-06 21:01:54 | 100円スピーカ
Bronislaw Gimpel Plays Bruch, Kreisler, Dvorak And Goldmark [FROM UK] [IMPORT]

Bronislaw Gimpel Plays Bruch, Kreisler, Dvorak And Goldmark [FROM UK] [IMPORT]

ギンペルというと、ピアノにもヤコブ・ギンペルというひともいて、そちらはケンペ指揮するベルリン・フィルとのブラームスの第1協奏曲の名演がありますが、こちらはその弟のヴァイオリニストのブロスニラウのほう。ブルッフの1番と、ドヴォルジャーク、ゴルトマルクの協奏曲の他に、クルト・クレメルの編曲によるオーケストラ伴奏版のクライスラーの小品集を収録しています。最後のものは珍しいでしょう。編曲者自身の指揮と、シュトゥットガルト・プロ・ムジカ管の演奏。1956~1957年録音。

いま、ドヴォルジャークの協奏曲を100円スピーカで聴いていますが、芯の太いながら輝かしい音色を持つ奏者だと思います。高音域へ抜けてゆく昂揚感を具えた弓さばきは、爽快な印象を与えます。ここで支えている、ロルフ・ラインハルト指揮、南西ドイツ放送響の地道ながらもガシッと引き締まった武骨なオケもよし。ブルッフ、ゴルトマルクでも、このコンビがサポートしています。これは、100円スピーカ党でなくとも、聴いておきたいものでしょう。珍品のオケ編曲クライスラーも傑作です。(VOXBOX)

ストコフスキー/フィラデルフィア管/チャイコフスキー:交響曲第4番。

2005-04-28 20:11:50 | 100円スピーカ
Stokowski conducts Tchaikovsky: Symphony no. 4, Romero & Juliet & Capriccio Italien [FROM UK] [IMPORT]

Stokowski conducts Tchaikovsky: Symphony no. 4, Romero & Juliet & Capriccio Italien [FROM UK] [IMPORT]

チャイコフスキーの交響曲第4番、幻想序曲「ロメオとジュリエット」、「イタリア奇想曲」、無言歌(ストコフスキー編曲)を収録。奇想曲が1929年、それ以外は1928年。音の魔術師と呼ばれたストコフスキーの当時の技術の枠内での効果を配慮した録音であることに加えて、Pearlらしい、無理に針音を除去せずSP盤本来の情報量を活かした復刻に仕上がっています。80年近くもむかしの録音とは思えません。

ストコフスキーは、晩年にもアメリカ交響楽団と、山っ気の多いチャイコフキーの4番を残していますが、このSP録音のほうは、それよりも真っ当な解釈だと思います。しかし、この指揮者に独特の艶かしく甘美な表情には溢れていて、それは100円スピーカを通じても、豊かに伝わってきます。併せて収録されている曲ともども、ストコフスキーの若い日の清新の気の漲るのを感じさせる、楽しく懐かしい1枚です。

ヌヴー/ブラームス:ヴァイオリン協奏曲。

2005-04-19 03:37:39 | 100円スピーカ
Ginette Neveu Plays Brahms [FROM UK] [IMPORT]

Ginette Neveu Plays Brahms [FROM UK] [IMPORT]

3たび、ヌヴーについて。ブラームスの協奏曲の録音では、シュミット=イッセルシュテット指揮、北ドイツ放送響の1948年のライヴが、激しく燃えていて名演の誉れの高いものですが、ドブロウェン指揮、フィルハーモニア管との1946年のスタジオ録音も、これはこれで精緻な滋味深い情熱が、しっかりした音質のなかに映えて、いいものです。ことに、100円スピーカでしんみり聴くには、こちらの盤のほうがよく馴染みましょう。(DUTTON)

ところでまたもや蛇足にて、ライヴ録音とスタジオ録音についてひとこと。ある演奏家に、ライヴとスタジオの複数の録音の存在するとき、ほとんど無条件に、一過性の白熱した想いのこもるライヴのものを賞賛するひとがいらっしゃいますが、私はこれらは、そもそも同列に比較して云々されるものではないと思います。スタジオ録音は、鑑賞者に反復して聴かれることに納得できるよう、演奏者が入念に練り上げた「作品」であります。

この別を弁えて鑑賞すべきであろうというのが、私の持論であります。燃える、燃えないの尺度で捉えるのは、いかにも安直だと思います。