竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

仙台でグリーン電力証書の話

2012年02月24日 | 自然エネルギー
久々に書き下ろしブログです。
今日は仙台まで行ってきました。
東日本大震災を機に、本部を仙台に移し、被災者支援の拠点として頑張るワーカーズコーポ主催の「再生可能エネルギーによる地域復興と仕事起こし」という連続セミナーです。
今週月曜から今日の金曜日まで5日間連続、毎日4時限のハードなセミナーで、40人くらいの方が熱心に受講されていました。
この内容は、今後まとめて本として出版されるようです。
私がいただいたお題は「自然エネルギー証書」でした。

環境価値にお金を払う
実は「自然エネルギー証書」という証書はなく、いま存在しているものは「グリーン電力証書」と「グリーン熱証書」。
それをあわせた名称は「グリーンエネルギー証書」といいます。
その実体は・・というと、太陽光や風力などがつくる電気が持っている「環境価値」。
電気そのものは、送電線から届けられる。しかし、送電線から「環境価値」はやって来ない。
ならば発電所から、直接「環境価値」を買って来よう!
その「環境価値受け取り」の証明書がグリーン電力証書です。
グリーン熱の場合は、太陽熱やバイオマスの熱の持つ「環境価値」です。

実は固定価格買取制度も同じ考え
欧州で自然エネルギーを爆発的に普及させたのがFIT(フィードインタリフ)こと固定価格買取制度。
環境価値部分に本来の電気の値段の3倍、4倍の値段をつけて買取ったのが、ドイツでの初期のFIT。
そんな値段で15年とか20年の長期間買取るという制度だったので、いろんな人がこぞってメガソーラー事業や風力発電事業に挑戦し、お金のない人には金融機関が積極的に融資した。
日本の固定価格買取制度は、今年の7月からスタートすることになっていますが、高圧契約の電気料金単価と比較すると太陽光発電の場合は4倍近くになりそうです。
ただし風力発電やバイオマス発電では、そんなに高い値段では環境価値を買わないようです。

自然エネルギーの電気を使うとは
送電線を通ってくる電気は、電子の流れです。そこには放射能もCO2も「環境価値」もありません。
日本は電力自由化ができていない、OECD加盟国内の2つの国の1つです。
そんな国なので、まずは自由化を・・ということになりますが、自由化が達成されても送電線から自然エネルギーの電気が届くわけではありません。
自然エネルギーの発電所あるいは自然エネルギーの発電所を保有する電力会社と契約してはじめて使えます。
送電線から届くのは電気だけですから、契約には自然エネルギーの発電所の「環境価値」を受け取ることが内包されているわけです。
「環境価値」という電気の上乗せ価値を購入して使うというのは「グリーン電力証書」もまったく同じです。
日本の場合、PPS(特定規模電気事業者)には30分同時同量などの理不尽な制限が課せられていますので、自然エネルギーの発電所を保有すること自体が困難です。
固定価格買取制度がはじまっても、一般電気事業者=東京電力などの電力会社が存在している限り、自然エネルギーはドイツのように爆発的は増えないだろうと思います。

一般家庭で自然エネルギーの電気を使うには
さて、だいたいお判りかと思いますが、この自然エネルギー後進国日本では、欧州のように直接自然エネルギー発電所と電力購入契約を結ぶことは不可能です。
どうしてもという場合は、太陽光発電とバッテリーをつけて、送電線から切り離した鎖国生活をするしかありません。
でも、送電線からの電気にこだわらなければ、「グリーン電力証書」で、あなたは100%自然エネルギーライフを送ることができます。
それを気軽に実現できるように工夫したものが「えねぱそ」です。

「えねぱそ」で「マイ発電所」を
電気の流れは、しょせん電圧の落差によってつくられる流れです。
つまり、自然エネルギー発電所の近くに電圧の低いところがあれば、そこに電気は流れ込む。
もっと遠くの私が契約していても、実は電気は近くで消費されてしまうのです。
そして自然エネルギーの発電所と契約している私には、近くの発電所(電圧が高い)から流れ込んでくる。
それが原子力発電所だったら、自然エネルギーと契約してても流れ込んでくる電気は原発のだったりします。
電気とはしょせん、そういうものです。だからもう、電気そのものにこだわることはやめませんか。
「環境価値」を確かに手に入れるということの方が重要では?
「えねぱそ」はそういう個人が活用できる仕組みにしたグリーン電力証書です。
環境価値を提供するのは、4つの発電所と決まっていて、その中から「選べる」仕組みです。
それはすなわち、あなたの「マイ発電所」です。

というようなお話をしてきました。
もっと「グリーン電力証書の仕組み」「自家消費電力とRPS」みたいな話も期待されていたのかな・・と思いますが、仕組みを説明すればするほど「実感できなくなる」感じがするのが、このグリーン電力証書なんです。

さあ、明日は平塚の「みかんや」で「えねぱそセミナー」です。
お近くの方はどうぞおいで下さい。
http://www.ene-paso.net/2012/02/225土に第2回「えねぱそ」出前講座を平塚で開催/











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