涼風野外文学堂

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ラノベ書きてぇ。

2007年10月31日 | 日記・身辺雑記
 かれこれ3年くらい前から書き続けている小説が、400字詰め原稿用紙換算でついに300枚を超えました。……まだ完成しません。
 今書いているのは、相も変わらず「自称・純文学」のカテゴリに属する小説で、三十過ぎの駄目男が酒呑んだりエロいことしたり悪態ついたりしながら何ら生産的なこともせず無為に過ごしているだけの、実に涼風らしい小説なのですが、物語も終盤の大詰めに差しかかったあたりで、執筆上の重大な問題に行き当たったのです。

「……飽きた」

 そりゃあ丸3年もずーっと同じ小説書いてたら飽きます。

 で、ここ数ヶ月でほんの数枚しか進んでいないという停滞ぶりなのですが、最近どうも無性に「ライトノベル書きたい!」という気分が強いのです。

 もともと涼風は「ラノベ」なんて単語が生まれるより前から、ジュニア小説に親しんできた世代です。中高生の頃は「ロードス島戦記」だの「フォーチュン・クエスト」だの「スレイヤーズ!」だの、角川スニーカーと富士見ファンタジアに本棚支配されてましたし、田中芳樹や久美沙織の本はほとんど全部読破してましたし、投稿で初めて雑誌に名前が載ったのが「ザ・スニーカー」でした。
 それがどうしてここに至って、ブンガクブンガク、と騒ぎ出すようになったのかというと、ジュニア小説好き→自分で書いてみる→友達に読ませてみる→好評→調子に乗って投稿→何度目かで入選→ますます調子に乗る→その後は鳴かず飛ばず→色々作風を変えてみる→自分でも何書いてるのか分からなくなってくる→悩む→書くのが楽しくなくなってくる→「ソフィーの世界」とか読み出す→ますます行き詰まる→しばらく小説書くのやめる→漫画描く→やっぱり何か違う→DTM作曲する→それはそれで楽しいが何か違う→宮台真司とか読み出す→まったりする→アイデンティティの問題を主要なテーマに据える→「現代思想」とか読み出す→ハマる→読書癖がつく→「文学界」とか「群像」とか読み出す→何か道筋が見えたような気がしてくる→小説書いてみる→文学界に投稿してみる→そこそこいい線いく、という、今にして振り返れば若いなァ俺、というような道を5年くらいかけて通ってきた結果なのです。
 で、いい年こいて今さら子供返りというわけでもないでしょうが、何だか最近、中高生の頃に書いていたようなものが書きたくなってきたのです。文学的意義とか批評性とか考えずに、ストーリーのヤマとオチ重視で、あるいはキャラ重視で、肩に力の入らない気楽なソーズ&ソーサリーとか書いてみたい。……疲れてんのかな俺。

 ともかく、今書きかけの「自称純文学」を完結させてからの話ですが、もしかしたら、「腕っぷしも弱く気性も穏やかな某小国の第2王子と下町の盗っ人上がりの少女が『知恵と勇気』だけでピンチを乗り越えていくファンタジー」だの「夏休みに山奥の遠い親戚の家に来た高校生男子の主人公が九尾の狐に因縁を持つ三姉妹と出会い巻き込まれていく伝記風ギャルゲー風小説」だの「『救国の勇者』の運命を背負わされた少女に惚れた一兵士の孤軍奮闘ビルドゥング・ロマンス」だの書き始めるかもしれません。例によって言ってるだけで終わるかもしれませんが。

※ このブログを書いている涼風のウェブサイト「涼風文学堂」も併せてご覧ください。
 「涼風文学堂」は小説と書評を中心としたサイトです。

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1 コメント

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ソード&ソーサリー (馬頭親王)
2007-11-01 16:27:41
おひさしぶりです。いやーわかりますねその気持ち。
かくいう馬頭も近頃、『RPGツクール2000』なんかをいじくって、ウィザードリィとかD&Dみたいな古き良きファンタジーRPGを作ろうと画策したり、「ニコ動」で軽く十年以上は前のレトロゲームのプレイ動画を飽きもせずに眺めていたりだとか、結局のところ、文学および思想に傾倒するようになってから、中高生の頃に夢中になっていた物語というものの、もっとも重要な悦びというものを置き忘れてきてしまったのではないか、という気がしてなりません。いや、きっと置き忘れてきたのでしょう(笑 だから、最近もネグリ/ハートの『<帝国>』を読んでいても水準は決して悪くはないのですがイマイチ面白くないらしく、気づくとネットで「なんか自分好みのRPGとかないかな」と探している始末でして。
「ロードス島戦記」「フォーチュン・クエスト」などは限りなく理想に近い物語形態ですね。馬頭的にはそこに「ドラゴンランス戦記」なども加えたい。
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