チャド・スタエルスキ監督
汚い手口で成り上がろうとする男に巻き込まれ再びコロしのただ中に身を投じるジョン・ウィック。前作の底知れぬ組織の闇、その世界観はだいぶこぢんまりしてしまった。でもそれなりに面白かったです。コロし屋ばかりで警官はいないの?この作品世界。マンガだね、でも面白かった。きっと細部が良いんだろう。
格闘技のことは知らないけれど、この映画の殺陣、倒して腕をとり転がして固めるところなんかは、なんだか合気道や柔術のように見えて、面白かったです。昨今はエキゾチックな格闘技がつぎつぎ映画に登場している中、日本風?もちゃんと通用するじゃん!うれしい。
それにしても、まいどまいど悪党がうじゃうじゃいる中にずかずかと歩いて行って、目指す親玉の真ん前に来るまでだれも気づかないってのはどうしてなのかわからないが何だか納得させられてしまう。時代劇にたとえていいのかわからないけれど、お城に一人乗り込んでいって、全滅ーー。級のことやってるわけしゃないかしら。
ちょっとがっかりした点だけど、
前作の印象として、世界をくまなく網羅する正体も底も知れない「組織」があり、現実世界との接点、それが「ホテル」なのかと思っていた。ところが今回、オーナーなる人物が現れて「ここは俺の王国だ」みたいなことをのたまうので、なんだ一つの王国に過ぎないのかとちょいがっかり。世界観がこじんまりしたというのはこういうところ。
ラストで、ジョンは一見、絶望的な敵対世界に一人ふみこんでいった様に見えるけれど、もし続編があったら、別の「王国」の助力者が現れても不思議ではないわけか。