自分のトイレや、或いは飼主が
草抜き等の為に庭へ行く際も
ゆきは付いて来る事が多い。
茹だる様な暑さ故、
最高でも5分までが限界だろう。
ほんの数秒日光に当たる
だけでも黒い被毛は直ぐに
火傷しそうに熱くなってしまう。
飼主草抜きの際には、
一応庭点検のつもりか、一周をし
これまで自分の掘った穴を
確認する、ゆき。
一通り済んだろう頃、
ゆきだけ汚家の中に入る様
促す。
この流れが、猛暑中これまでの決まった
暗黙のルールだったのだが
この数回、同じ様に
入ろう?もう焼けちゃうよ?
大変大変、ほら、ゆぅこ~
熱いよ、
と玄関ドアを開け、促す。
既に身体は燃えかかって居る状態にも
拘わらず
入りたくない!!!と
これ以上無い程、嫌な表情をする。
こういった事が最近、4~5回あった。
原因は解らないが、
一つ大きく思い当たるのは
ふくぎんの事が嫌なのではないか?
と。。。
いや、元々それは解って居る。
ふくぎんの居る汚家の中には
戻りたくはない、と。。。
あからさま、如何にも露骨に
ふくぎんを嫌った事は
無いのだが、何と無く
ゆきはふくぎんを相当嫌なのだ、と
改めて感じた。
優し過ぎるゆきは、けして意地悪はしない。
勿論、苛め等をする事は皆無。
日増しに体調が思わしくなくなる中
比例し、ふくぎんの存在が
更に疎ましくなって来て居る側面は
否めないない。
全て飼主のせいだ。。。
飼主が与えて居る多大な
マイナーストレス。。。
す・べ・て
自分が悪い。
この様な事を記して居る最中、
振り返ると
ケージの中から
真っ黒なビー玉の様な光が二つ
こちらを凝視して居た。
おまえに罪が有るってワケじゃ
無いんだがなぁ。。。
心の中で呟く。
ナナちゃんママさんが言った、
---若い新しい子が来ると
元々居る子は用が無くなった、
って思って死ぬケースが
多いらしいよ---
エコーが係った様木霊する。
その様な話をした際、
逆に年取った先住が
元気になるって聞くよ?
と応える。。。
ゆき飼主は、その様な事を
実際には
露程も思って居ない。
知って居る、ナナママが言った事が
真実に限り無く近いと。
若い新入りが自分のテリトリーに
入って来た事に因り
老齢の先住に若さが
甦った、と見えるのは
対抗意識や消極的にも自分アピール
を示して居るだけだと強く思う。
それがヒト目には
「元気になった」と単純に
映るだけであるのか、
或いは飼主は先住が元気そうに
見えるようになった本当の事由を
解って居るが
敢えて真実に目を瞑って居る
だけなのか判らないが。。。
どちらにしろ、
ゆき飼主は最低飼主だ。
だってあのまま放って置く
なんて事出来るワケない、
虚しい言い訳が
頭を巡る。
。。。ゆき、本当にごめんな。。。
おまえが居てこそ、
この飼主は生きて居るんだよ?
おまえが大事、
おまえが一番。。。
本当なんだ、ゆき。。。
どうやって示せば良いんだろう?