おみつ便り

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さよならの力

2017-10-16 13:45:13 | 日々の思い
読書家の友人が新刊を買って読んだら回してくれるので、大いに助かっています。

自分の好みだけなら選ばない本が入っていることがあります。そんな本を読んでよかったと思うことがよくあります。

最近よんだ 伊集院静著[さよならの力] は心に響きました。
これまで名前は知っていたけれどこの作家の本は読んだことがありませんでした。故夏目雅子の旦那様であったことぐらいしか頭に残っていませんでした。

私は中身を読む前に作者の略歴を先ず読みます。
生い立ち、作家になる前の経歴に興味をもって読みはじめました。
読んでいく内に骨太な文章から戦前の昭和の作家の香りがしてきました。若いときの破天荒なことも含めて様々な人々と付き合ってきて、生きるとは?を体験を通して学んで来た人のようです。
影響を一番受けた人は父親のようです。
  そのしごとは他人のために、己以外の人のために役にたち、必要とされる職業か?
お父さんは作家はこのカテゴリーには入らず猛反対されたそうです。
20代ですぐ下の弟さんを海難事故で亡くし、30代で女優の妻、夏目雅子さんを急性白血病で新婚一年目になくされた悲しい経験をされています。
そんな経験からこの悲しいさよならを、故人が与えてくれた力にかえて生きていくことに意義がある。経験した人でないとわからないさよならはこれから必ず生かせると語っています。
この本のエッセイにも生かされています。筋が一本通っているようで共感を覚えます。

ある大手の酒蔵メーカーが、毎年、新しい成人した若者と、新しく社会人になった若者へ、大人からのメッセージとして新聞に語り続けて来たもののなかに彼の一文が載っています。

新成人に向けての一部分ですが抜粋します。
ーーーー 夢は自分だけが幸せになろうとしていないか。お金を得ることにこだわってないか。そういうものは卑しいんだ。 ‎覚悟とは品性のうえにあるんだ。苦しい時、辛い時に、その覚悟と、誰かのために生きようとしたことがすくってくれる。ーーーー

新社会人に向けて
ーーーー新しい道を踏み出せ、先駆者になれ。そうして誰もまだ見たことのない、まぶしい世界を見せてやろう。そのためには力が、汗が必要だ。柔らかな発想と強靭な精神を持って、ともに汗をながそう。新しい道をつくろう。後から続いて来る人たちの歌声を聞く日まで、私たちは、一人一人が先駆者になろう。仕事は辛いぞ。苦しいぞ。でも自分だけのために、生きているのではないことがわかれば、必ず道はひらくーーーー

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