公正取引委員会は15日、新潟県の地方銀行、第四銀行(新潟市)と北越銀行(長岡市)の経営統合を承認した。2行は県内1、2位の地銀で、統合銀行の新潟での融資シェアは5割程度。統合で金融機関の貸し出し競争が起きにくくなり、企業が高めの金利で借りざるを得なくなるとの懸念があり、公取委は慎重に審査していた。しかし「中小企業が借入先の選択肢を確保できなくなる状況にはならず、競争を実質的に制限することとはならない」と判断した。

 2行は今年4月に統合で基本合意。来年4月に持ち株会社の傘下に2行が入る形で統合を予定したが、公取委の審査が長引き、予定は半年遅れている。

 地銀再編を巡っては、ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)と十八銀行(長崎市)の統合で、長崎県での融資シェアが7割となることを公取委が問題視し、統合が無期限延期になっている。