北朝鮮による拉致被害者で新潟産業大(新潟県柏崎市)の准教授、蓮池薫さん(60)は17日、新潟市中央区の新潟日報メディアシップで約280人の聴衆を前に講演し「北朝鮮は軍事的にも手詰まり感があり、追い込まれている」とした上で、トランプ米大統領の圧力が拉致問題の解決に向けた効果を生み始めているとの認識を示した。

 蓮池さんは20歳の大学生だった昭和53年7月、故郷の柏崎市に帰省していたときに連れ去られた。北朝鮮では「死にたいときもあった」と講演で振り返った。

 北朝鮮が日本人の拉致を認めた平成14年、ともに拉致されて後に結婚した妻の祐木子さん(61)を含む4人と一緒に帰国した。

 蓮池さんは、新潟市から連れ去られた横田めぐみさん(53)=拉致当時(13)=を北朝鮮で最後に見たのは、6年春頃だと話した。

 また、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は拉致問題には関心はないと指摘。「金氏が一番恐れるトランプ氏からめぐみさんの話が出て、再認識するいい機会になった。トランプ氏から『安倍晋三首相と一緒に解決する』という言質を得たのは、大きな成果だ」と評価した。