抱きしめて 夏 18

2008-05-31 | イラスト

君はいなくなってしまったけど


私は君が好きだよ


君が好きなんだ


心からそう、言おう。


君が好きだ。

大好きだ。


この大空に向かってそう言おう。


この大きな海に向かってそう叫ぼう。


私の想いのたけを打ち明けるんだ。


何にもかまわない。


君が


好きだ。
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僕は苦しむ

2008-05-30 | イラスト

抱きしめて 夏シリーズを急遽中断して

今夜は現在の僕の心境を素直に綴りたいと思います。


自分が何を求めているのか。


それを最近ようやくつかめてきました。


クリエイターとしての活路を断ってから

僕は半ば廃人として


死ぬこともできず生きてきました。


時々芽生える創作の魂は

単なる戸惑いにしかならず

熊野の森でもなにも見いだせず


苦しい毎日がただ続くだけした。


そう。


ただ、単に苦しいだけ。


でも、そこに先を感じ始めました。


苦しい。


どうしようもなく苦しい。


それを能動的に求めてはどうかと。


サディズムとは違います。

そこにはなんの快楽も存在しないし

スタイルもない。

何もないところで窒息状態となる。

どうしようもなく苦しくて

そしてどこにもつながらない。

だれとも共感できない。

なぜなら、共感は安心を生むから。

傷のなめ合いなんかは

苦しさの純度を鈍らせるのです。

苦しさを克服するための話なんか

聴きたくもないしね。

服、音楽すべての要素が苦しみへとつながる。



喜びたくない。


純粋な苦しみに浸っていると

喜びを遠ざけたくなる。

よくこのブログでも性を取り上げているけど

僕の思う根源的な喜びって言うのは

性に帰結されている。

生きること自体の喜びとでも言おうか。

そこに杙を打ち付けたくなる。

もう馬鹿にしちゃってるんだよね。

性をつまんでもってる感じ。

冒涜しまくり。

で、さんざん思って

最後は苦しんで終わり。

そんな愚かな自分を哀れんで苦しむ。

自分のエネルギーが生み出すもの全て

苦しみです。


苦しみが少しでもそれてしまうと

悲しみが発生する。

時々、陥るところ。

ビル・エヴァンスなんかを聴いて

涙を流すなんてことが起きる。

でも悲しみは喜びに転化しやすいから危ない。

悲しみは甘いんだ。

味でとらえると、甘い。

決してまずくない。

酒なんかとの相性もよく人生において

効率よく消化できるものなんだ。

喜びはうま味。

演歌なんか「泣き」の世界だもんね。

肯定的に受け入れられる。

エンターテイメントにも持っていきやすい。

怒りとセットにしたりして。

でも苦しみは苦いだけ。

その苦さになれて苦くなくなったら

それは苦しみではない。


なにも生み出さない。

そのかわり、「良薬口に苦し」ということで

体にはいい。

意識のもとでうま味や甘みばかり接種していると

体は駄目になる。

純度の高い苦みは体を長生きさせる。

そんなこといったら長生きなんかしたくないって?

苦しみだけの一生、誰も選ばないか。


そしたら言いたい。

この世の中に、それだけで埋められることなどない。

この僕にしたって苦しみを求めてるけど

とっさに喜んでしまうことだってある。

不本意だけど嬉しいことが起こるときもある。

たまに味わう幸福は、小さくても素晴らしい味がする。

『蛍の墓』のドロップの味とでも言おうか。


うま味だけを求めているとふいにやってくる苦みは

避ける為のものとなる。

ユビキタスの社会とはうま味だけの世の中かい?

ふざけんな。

そんな世の中の流れであれば僕は背を向ける。

そして逆方向へ歩いてやる。

吹き出してくる些細な苦しみを

血眼になって除こうとする姿にヘドが出る。

そんな生き方は自分の体に良くないだけじゃない。

大地にも良くない。

他の動物にも良くない。

存在悪だよ。

そんな大人のヘボ社会を作っているね。



ヘロインやコカインが生み出す退廃した世界と

現在の世界との違いが分からない。

環境的に考えれば前者の方が断然いい。

全世界の人間がうま味を求めて

魑魅魍魎と化していくこの世界を

どう肯定しろって言うんだ。

人間の善をみろってか、

そんなものも全てはうま味を求める手段だろがアホ。

そこにスポット当てても何も見えません。

うま味によってたかる蚊かハエか。そんなもんだぜ。

薬物中毒の患者たちの目、その姿。

クスリが効いている瞬間意外の苦しみを恐れ

怯え、その一瞬の幸せを死にものぐるいで求めている。

彼らにとっての苦しみは、クリーンな状態。

普通に生きている状態。

それを恐れるなんてね。


でもみんな今そうなろうとしてるんだよ。

みんなで行進している。

いい笑顔で。おいしいものたくさん持って。




そんな行進に入りたくない。

立ち止まり、違うとこへ行きたい。



そう思ってるんだ。
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抱きしめて 夏 17

2008-05-28 | イラスト


「どうかしましたか」









「私の連れがいなくなってしまって」



「そうでしたか」






「いったい、どこへいってしまったんだろう」





「どこへいかれたんですかね」





「   」






「大丈夫ですか」





「つらいです」



「ちょっと待っていてください」



「え」









「どうぞ」



「え、いいんですか」



「ええ、どうぞ」




そう言ってマスターは私にプリンをくれた。



私があまりに不幸に思えたからか



気を使ってくれた。



真っ白のウッドデッキで一人



プリンを食べる。




畜生、




うまい。




蒼い空、クソが




カモメ、クソが




クソだらけだ




クソ






プリンがおいしい。
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抱きしめて 夏 16

2008-05-28 | イラスト
君は


君はどこへいってしまったの?


君はいない






どこ?



どこにもいない



君はいない







どこ?



どこへいってしまったんだい?



どこへ行ってしまったんだい?





私が悪かった





うわーっ
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抱きしめて 夏 15

2008-05-21 | イラスト

寄せるさざ波。


そして穏やかな光。



それらに包まれている君と私は


どうしてなんとも言えない張りつめた


空間を切り取っていた。


何もできない空気。


視線は宙を彷徨う。


まるでかもめのように。


呼吸だけが、無意味に繰り返される。


波のように。


その緊張感から私は尿意を催した。


「ちょっとトイレに行ってくる」


私はここぞとばかり


つとめて明るく口を開いた。


目は宙を泳いだままだ。


そして席を立ちテーブルを後にした。


去り際、横目で君を見た。


君と目が合った。



私は肩で風をきりトイレへ向かう。


焦り、不安、虚脱感をふりきり


トイレへ向かったんだ。



そして用をたして席へ戻ると


君はいなかった。





あああ
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