第46回「朗読を感じる勉強会」メモ
2024年9月15日(日) 13時30分~16時30分まで、クロスパル高槻5階 和室で、奈良、高槻からの2人で勉強しました。 参加者全員が簡単な近況報告をしたあと、身体を感じるワークをして朗読の準備をしました。
次の「朗読を感じるワークシート」を用いました。
(1)朗読前の朗読資料を感じて言語化 (2)朗読結果を感じて言語化 (3)他人の朗読結果を感じて付箋紙記入 (4)項目(1)(2)を発表してシェア (5)他人の感じの発表 (6)総合的な感じを発表
今回の朗読資料は次です。
千木良暁司「高野山密教の阿字観の体験」、ゲーテ(高橋健三訳)「処世のおきて」
以上のワークのうちで、「高野山密教の阿字観の体験」の場合の要点は次です。
(1) (朗読前の朗読資料の感じ、浮かぶ言葉、第一印象、身体感覚、フェルトセンスを書く)
「高野山密教の阿字観(あじかん)の体験」 千木良暁司
この夏、高野山寺院の宿坊の住職のガイドで、阿字観の瞑想を体験しました。40畳ほどの和室の前方に掛け軸の阿字観の本尊(阿字、蓮華、月輪)が掲げられていました。私を含めて3人の参加者がその前に座りました。
瞑想に入る前に、住職の説明がありました。「密教の阿字観は高度で奥深い瞑想法であり、修行体験で簡単にできることではありません」とのことで、阿字観の悟りに一回で達したい、という私の想いは遠のくようでした。
「阿字観には、阿息観、数息観、月輪観、阿字観の4段階があり、本日は最初の阿息観を体験します」とのことでしたが、私は4段階を一挙にやってしまおう、と決意していました。
「阿字観は、大日如来=宇宙、をイメージし、自分が宇宙と一体となっていくことをイメージする瞑想法です」とのことで、私が想定したイメージ・トレーニング法が役立ちそうです。
「宇宙と一体になるためのイメージとして、3つ挙げます。どれかを選んで瞑想してください。森や林の植物の中にいるイメージ、月や星のある夜空の中にいるイメージ、大日如来になったイメージの3つです」とのことで、私は大日如来になったイメージを選びました。
「阿息観は、呼吸の出入りに大日如来の『阿』、大宇宙の響を感じます。呼吸法が大切です」という瞑想に入るためのガイドがありました。
私は大日如来になり切ったことをイメージして、複式呼吸をし、「阿」を発声し、胸にとり入れた月輪を宇宙大にひろげ「我こそ大日如来なり」との想いを深めました。
そのような瞑想を30分間ほど続けました。阿字観は修行体験で簡単にはできないという奥深いものを感じました。でも、いつの間にか、和室の外から響いてくる水の流れの音に親しみを感じました。爽やかな水の流れの音は、私の心の中から響いているように感じました。
それでも、自分が宇宙と一体になっていくことのイメージには、まだ少し遠いと感じました。
そこで、寺院の宿坊の朝勤行に参加して、阿字観の続きをしてみようと思いました。黄金色の本尊の仏像を前にして、住職と僧侶4人によって、般若理趣経を中心とした勤行が進められました。
仏教の音楽のような声明が続きました。私は本尊になり切りました。僧侶たちの声明が、私のためであり、参拝者の焼香が、私のためであるように、途中から感じられました。
更に、この続きをしたいと思います。高野山の各寺院には、石楠花の木々が多く見られます。石楠花の咲く5月のころに、再び、高野山に来て、阿字観の悟りを続けたいと思います。
(テーマ)「高野山密教の阿字観の体験」
(浮かぶ言葉) イメージング、大日如来、呼吸、発声、宇宙大、一体感・・・
(可能ならばフェルトセンスからマイセンテンスをつくって簡単に説明する)
(マイセンテンス) 水の音が心の中から、声明や焼香が自分のために、その他の何かが・・
(マイセンテンスの補足説明) 爽やかな水の流れの音は、私の心の中から響いているように感じました。黄金色の本尊の仏像を前にして、住職と僧侶4人によって、般若理趣経を中心とした勤行が進められました。仏教の音楽のような声明が続きました。私は本尊になり切りました。僧侶たちの声明が、私のためであり、参拝者の焼香が、私のためであるように、途中から感じられました。それでも、再び、高野山で阿字観の悟りに挑戦すべきと感じました。
(5)他人の感じ:
- どっしりと安心感を与える落ち着いた朗読に大日如来を感じました。どのような事をするにも、しっかりとした目標を揚げてとり組まれる姿勢に感服します。朗読の目標も大日如来になったイメージをもってとり組まれたのでしょうか。イメージすることの大切さを感じました。
(6)総合的な感じ: 何かかみしめるような自分を説得するような読み方をしたように思います。途中で「声明(しょうみょう)」の読み方が何故か分からなくなってしまい助け舟を出してもらいました。わりに落ち着いて読めたように身体には感じられます。阿字観の悟りの入り口のところを思い出しながら読んでいたように感じます。
他の人の朗読資料についても同様に楽しく有意義にワークしました。
休憩時間は菓子をいただきながら楽しく歓談しました。
次回以降は次です。
- 10月13日(日)~14日(月) 和歌山合宿(和歌の浦、万葉の小路、万葉館、クルージング、美術館、有吉佐和子記念館など)
- 11月17日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 3階 遊の工房
- 12月15日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室