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第46回「朗読を感じる勉強会」

2024-09-15 19:22:08 | 日記

第46回「朗読を感じる勉強会」メモ

 

2024年9月15日(日) 13時30分~16時30分まで、クロスパル高槻5階 和室で、奈良、高槻からの2人で勉強しました。 参加者全員が簡単な近況報告をしたあと、身体を感じるワークをして朗読の準備をしました。

 

次の「朗読を感じるワークシート」を用いました。

(1)朗読前の朗読資料を感じて言語化 (2)朗読結果を感じて言語化 (3)他人の朗読結果を感じて付箋紙記入 (4)項目(1)(2)を発表してシェア (5)他人の感じの発表 (6)総合的な感じを発表

 

今回の朗読資料は次です。

千木良暁司「高野山密教の阿字観の体験」、ゲーテ(高橋健三訳)「処世のおきて」

 

以上のワークのうちで、「高野山密教の阿字観の体験」の場合の要点は次です。

(1) (朗読前の朗読資料の感じ、浮かぶ言葉、第一印象、身体感覚、フェルトセンスを書く)

「高野山密教の阿字観(あじかん)の体験」         千木良暁司    

この夏、高野山寺院の宿坊の住職のガイドで、阿字観の瞑想を体験しました。40畳ほどの和室の前方に掛け軸の阿字観の本尊(阿字、蓮華、月輪)が掲げられていました。私を含めて3人の参加者がその前に座りました。

瞑想に入る前に、住職の説明がありました。「密教の阿字観は高度で奥深い瞑想法であり、修行体験で簡単にできることではありません」とのことで、阿字観の悟りに一回で達したい、という私の想いは遠のくようでした。

「阿字観には、阿息観、数息観、月輪観、阿字観の4段階があり、本日は最初の阿息観を体験します」とのことでしたが、私は4段階を一挙にやってしまおう、と決意していました。

「阿字観は、大日如来=宇宙、をイメージし、自分が宇宙と一体となっていくことをイメージする瞑想法です」とのことで、私が想定したイメージ・トレーニング法が役立ちそうです。

「宇宙と一体になるためのイメージとして、3つ挙げます。どれかを選んで瞑想してください。森や林の植物の中にいるイメージ、月や星のある夜空の中にいるイメージ、大日如来になったイメージの3つです」とのことで、私は大日如来になったイメージを選びました。

「阿息観は、呼吸の出入りに大日如来の『阿』、大宇宙の響を感じます。呼吸法が大切です」という瞑想に入るためのガイドがありました。

私は大日如来になり切ったことをイメージして、複式呼吸をし、「阿」を発声し、胸にとり入れた月輪を宇宙大にひろげ「我こそ大日如来なり」との想いを深めました。

そのような瞑想を30分間ほど続けました。阿字観は修行体験で簡単にはできないという奥深いものを感じました。でも、いつの間にか、和室の外から響いてくる水の流れの音に親しみを感じました。爽やかな水の流れの音は、私の心の中から響いているように感じました。

それでも、自分が宇宙と一体になっていくことのイメージには、まだ少し遠いと感じました。

そこで、寺院の宿坊の朝勤行に参加して、阿字観の続きをしてみようと思いました。黄金色の本尊の仏像を前にして、住職と僧侶4人によって、般若理趣経を中心とした勤行が進められました。

仏教の音楽のような声明が続きました。私は本尊になり切りました。僧侶たちの声明が、私のためであり、参拝者の焼香が、私のためであるように、途中から感じられました。

更に、この続きをしたいと思います。高野山の各寺院には、石楠花の木々が多く見られます。石楠花の咲く5月のころに、再び、高野山に来て、阿字観の悟りを続けたいと思います。

 

(テーマ)「高野山密教の阿字観の体験」 

(浮かぶ言葉) イメージング、大日如来、呼吸、発声、宇宙大、一体感・・・

(可能ならばフェルトセンスからマイセンテンスをつくって簡単に説明する)

(マイセンテンス) 水の音が心の中から、声明や焼香が自分のために、その他の何かが・・

(マイセンテンスの補足説明) 爽やかな水の流れの音は、私の心の中から響いているように感じました。黄金色の本尊の仏像を前にして、住職と僧侶4人によって、般若理趣経を中心とした勤行が進められました。仏教の音楽のような声明が続きました。私は本尊になり切りました。僧侶たちの声明が、私のためであり、参拝者の焼香が、私のためであるように、途中から感じられました。それでも、再び、高野山で阿字観の悟りに挑戦すべきと感じました。

 

 (5)他人の感じ: 

  • どっしりと安心感を与える落ち着いた朗読に大日如来を感じました。どのような事をするにも、しっかりとした目標を揚げてとり組まれる姿勢に感服します。朗読の目標も大日如来になったイメージをもってとり組まれたのでしょうか。イメージすることの大切さを感じました。

 

 (6)総合的な感じ: 何かかみしめるような自分を説得するような読み方をしたように思います。途中で「声明(しょうみょう)」の読み方が何故か分からなくなってしまい助け舟を出してもらいました。わりに落ち着いて読めたように身体には感じられます。阿字観の悟りの入り口のところを思い出しながら読んでいたように感じます。

 

他の人の朗読資料についても同様に楽しく有意義にワークしました。

休憩時間は菓子をいただきながら楽しく歓談しました。

 

次回以降は次です。

  • 10月13日(日)~14日(月) 和歌山合宿(和歌の浦、万葉の小路、万葉館、クルージング、美術館、有吉佐和子記念館など)
  • 11月17日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 3階 遊の工房
  • 12月15日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室
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第45回「朗読を感じる勉強会」

2024-08-18 17:24:20 | 日記

 

第45回「朗読を感じる勉強会」メモ

 

2024年8月18日(日) 13時30分~16時30分まで、クロスパル高槻5階 和室で、箕面、摂津、高槻2からの4人で勉強しました。 参加者全員が簡単な近況報告をしたあと、身体を感じるワークをして朗読の準備をしました。

 

次の「朗読を感じるワークシート」を用いました。

(1)朗読前の朗読資料を感じて言語化 (2)朗読結果を感じて言語化 (3)他人の朗読結果を感じて付箋紙記入 (4)項目(1)(2)を発表してシェア (5)他人の感じの発表 (6)総合的な感じを発表

 

今回の朗読資料は次です。

まどみちお「ぼくがここに」、寺山修司「あなたに」、高祖保「海へ」、千木良暁司「高野山」

 

以上のワークのうちで、「高野山」の場合の要点は次です。

 

(1) (朗読前の朗読資料の感じ、浮かぶ言葉、第一印象、身体感覚、フェルトセンスを書く)

「高野山」     千木良暁司

 

今年の夏は、高野山を歩きたい。真言密教の聖地、高野山。空海の説く、即身成仏と悟り。この地に根本道場が開かれたのは1200年以上前です。高野山の夕日と朝日を全身に浴びたい。寺院の宿坊を予約しました。精進料理をいただき、金色の仏像を朝の勤行でお参りし、阿字観(あじかん)を体験したい。

 

「実践・阿字観瞑想法」 山崎泰廣 春秋社 2012年という本を買いました。本の解説に「密教は釈尊の胸中を開いた宗教。悟りの雄叫びが真言。即身成仏(そくしんじょうぶつ)は現世にこの身で悟ること。入我我入(にゅうががにゅう)は本尊と自分とが融合し、自我の確執の殻が破れ、本来の自己自身が開顕し、本尊の普遍的個性としての人格となる。これが悟り」とあります。

 

「阿字観の瞑想では、先ず、外にある掛け軸の本尊(阿字・蓮華・月輪)によって自分の心を対象化して、鏡で自分の顔を確認するように外に観じ、次に、胸中の大きさに観じ、瞑想が進むと、月輪を次第に宇宙大に広げる実習をする」 「阿字観は、自然も人も一つの大きな命につながって生かされている、という意識をもち、悟りに至る道」 「阿字観の”ア”とは、人がこの世に生まれ出るときの声であり、”ア” はすべての文字の母であり、”ア”は自分の心の本源であると同時に、森羅万象の根本生命」とあります。

 

阿字観の瞑想を実践するために「イメージ・トレーニング法」品川憙也 ごま書房 1987年の本が役立つように思いました。19ページに記述があります。

 

・・・人間の脳は、現実のできごとと、現実と同じくらい鮮明に描いたイメージとを、区別できない。頭の中で、いいイメージ、成功イメージを鮮明に浮かべ、脳に焼きつけると、脳は、それを現実と同じように反応し、そのイメージ情報にそった活動を開始する・・・

 

イメージ・トレーニング法は「本尊と自分とが融合・・」「月輪を次第に宇宙大に広げる・・」「”ア”は自分の心の本源・・」に役立つかもしれません。高野山で試してみたい。それに、私には魔法の言葉があります。「どんな直観があって、私は ”阿字観の悟り” に達してしまうのだろう」を繰り返すことにします。

 

(テーマ)「高野山」 

(浮かぶ言葉)  祈り、夕日と朝日、阿字観、イメージング、期待・・・

(可能ならばフェルトセンスからマイセンテンスをつくって簡単に説明する)

(マイセンテンス) イメージ・トレーニング法は阿字観の悟りに役立つ、その他の何かがある・・

(マイセンテンスの補足説明) イメージ・トレーニング法は「本尊と自分とが融合・・」「月輪を次第に宇宙大に広げる・・」「”ア”は自分の心の本源・・」に役立つかもしれません。高野山で試してみたい。それに、私には魔法の言葉があります。「どんな直観があって、私は ”阿字観の悟り” に達してしまうのだろう」を繰り返すことにします。

 (5)他人の感じ: 

  • 仏教は自分の中に宇宙があると捉える。2500年ぐらい前に釈迦が誕生し、考えてみると、同じ人間の発想と思えないぐらい途方もないことと思ってしまう。イメージ・トレーニングでどこまで心の広がりが出来るのか。阿字観の悟りをお聞きするのが楽しみです。
  • 朗読者の探求心は、機会を最大限に活用する意志の力につながっているなぁ、と感服しました。そして、蓄積されてこられたものを結びつけて、自分なりの解釈にたどりつけるのだなぁと、思いました。声を自分の中に響かせる。それが一緒に参加している人と響いていくは、単純に心地よかったように記憶しています。うたうのは世界共通の祈りに通じる行為なのかなぁ、と思いました。
  • 阿字観にとても興味が湧きました。”ア”は、人がこの世に生まれ出るときの声であり、森羅万象の根本生命ということですが、実際に、高野山で発声すると、どんな感じがするのでしょうか。次回の朗読者のご報告を楽しみにしています。そして、イメージ・トレーニング法は、以前にも、この内容をうかがったように思うのですが、とても大切だと感じながら、また忘れていました。いいイメージ、成功イメージ!! イメージング、それをプラス思考のイメージで実践したいのです。そして魔法の言葉を私も持ちたいと思います。

 

 (6)総合的な感じ: 読んでいるうちに、自分の文章でありながら、楽しくなってきて、自分で自分の成功を思い込んでいる自分が少し面白く可笑しくなってきました。朗読をして、めずらしく心身ともにさわやかになりました。

 

他の人の朗読資料についても同様に楽しく有意義にワークしました。

休憩時間は菓子をいただきながら楽しく歓談しました。お菓子のご提供ありがとうございます。

 

次回以降は次です。

  • 9月15日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室
  • 10月13日(日)~14日(月) 和歌山合宿(和歌の浦、万葉の小路、万葉館、クルージング、美術館、有吉佐和子記念館など)
  • 11月17日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 3階 遊の工房
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第44回「朗読を感じる勉強会」

2024-07-28 19:18:19 | 日記

 

第44回「朗読を感じる勉強会」メモ

 

2024年7月28日(日) 13時30分~16時30分まで、クロスパル高槻5階 和室で、高岡、奈良、箕面、大阪2、高槻2からの7人で勉強しました。 参加者全員が簡単な近況報告をしたあと、身体を感じるワークをして朗読の準備をしました。

 

次の「朗読を感じるワークシート」を用いました。

(1)朗読前の朗読資料を感じて言語化 (2)朗読結果を感じて言語化 (3)他人の朗読結果を感じて付箋紙記入 (4)項目(1)(2)を発表してシェア (5)他人の感じの発表 (6)総合的な感じを発表

 

今回の朗読資料は次です。

千木良暁司「海への想い」、サムエル・ウルマン「青春」、さだまさし「秋桜」、田辺利宏「水汲み」、土門蘭「死ぬまで生きる日記」、長田弘「世界は一冊の本」

 

以上のワークのうちで、「海への想い」の場合の要点は次です。

 

(1) (朗読前の朗読資料の感じ、浮かぶ言葉、第一印象、身体感覚、フェルトセンスを書く)

 

「海への想い」      千木良暁司

私が海を初めてみたのは、長野県の小学校の6年生のときです。長野県には海はないので、修学旅行で海をみるために汽車に乗って新潟県に行きました。戦後の貧しい時代です。生徒みんなが図工の時間に古い雑誌でリンゴの袋を作って売って旅行費用の足しにしました。海をみて、大きな広がり、寄せて返す波の音、磯の香り、頬にやさしい風、海水の塩からさ、砂浜で見つけた貝殻、それらすべてが楽しく興味深いものでした。

 

 世の中の人たちは、海をみてどう想うでしょうか。歌人・劇作家の寺山修司さんは海に寄せる想いをたくさん残しています。「かなしくなったときは 海を見にゆく」のフレーズの詩があります。「私のなかでLa mer——女性名詞の海が亡びるとき、私ははじめて 人を愛する・・・」という海についての言葉があります。この意味が私にはよくわかりませんが、何か意味深いことを言っているようにも感じます。

 

 フランスのシャルル・トレネさんは、「ラ・メール」というシャンソンを作詞・作曲して歌っています。「ラ・メール 明るい入り江に沿って 銀色の波が踊る ラ・メール 雨がふると 様々にその色を変える・・・」 の歌詞の出だしから、感性の豊かさを感じます。この歌が創作された1943年のパリはドイツの占領下にありました。彼の歌声の初めの一言「ラ・メール」を聴いただけで、私は遠くに広がる穏やかで真っ青な海をイメージできます。暗い時代を乗り越えた歌声の響きにいつも心が豊かになります。

ところで、日本の昔、万葉の人は海をみてどう想ったでしょう。聖武天皇が紀伊国(きいのくに)に行幸(ぎょうこう)されたとき(724年10月5日)に、山部赤人が海をみて作った歌があります。

沖つ島 荒磯(ありそ)の玉藻(たまも) 潮干満(しほひみ)ちい 隠(かく)り行(ゆ)かば 思ほえむかも(万葉集 巻6-918)

現代訳(万葉文化館):沖の島の荒磯の美しい藻が 潮干に 波が満ちて 隠れていったならば、思われてならないことだろう

万葉のころ、海のない大和の人が、紀ノ川筋を経て、数日かけて、海をみたときの喜びが伝わってくるようです。

 

さて、「朗読を感じる勉強会」の和歌山合宿の人たちは、海をみて、しらす丼やマクロ丼をいただき、片男波(かたおなみ)の海岸を歩き、万葉の小路を散策し、サンセット漁船クルージングをして、海をどう想うでしょうか。楽しみにしています。

 

(テーマ)「海への想い」 

(浮かぶ言葉)  楽しみ、包容、憧れ、美しさ、期待・・・

(可能ならばフェルトセンスからマイセンテンスをつくって簡単に説明する)

(マイセンテンス)海に寄せる様々な想いがある、その他の何かがある・・

(マイセンテンスの補足説明) 小学生の頃の海への想い、詩人たちの海に寄せる想い、万葉人の海への想い、そして、私たちの和歌山合宿での海への未知の期待がある。

 

 (5)他人の感じ: 

  • 落ち着かれた声でおられるなと感じリラックスされているようにも思いました。寺山修司の言葉から、フランスのシャルル・トレネさんにつながりフランスでのオリンピックがイメージとしてうかびあがりました。海というものから山部赤人へつながり数日をかけて海をみたときの喜びがどのようなものであっただろうか。その光景をみたら楽しいだろうなと感じました。
  • とても素敵なトーンのお声がぴったりくる朗読でした。朗読者のご幼少期、海のない長野県でお育ちになられ、きっと”海”への憧れもおありだったのかなと拝察いたします。修学旅行で初めてご覧になった海、その感動なさったご様子が、とても伝わって参りました。その時の感動のお気持ちが朗読者の海に対する基盤の感じ方になられているのかなぁと思います。ラ・メールを聴かれただけでイメージできる・・海に対する深い思いが感じられます。私も水平線を見るととても穏やかで広い心を持てる気がして海をながめるのは大好きです。
  • 「海」に対して人は様々ではあるけれども、何か通じる想いがあるんだなぁととても安心感を感じる朗読でした。和歌山合宿で私はどんなことを感じるでしょうか、楽しみです。
  • キラキラした海の風景が浮んでくるようでした。朗読者の好奇心旺盛なところは子どもの頃から変わっていないんだなと思いました。好奇心のおもむくままに物事を調べる世界を広げていく、しかもそれを楽しんでいる様子が伝わってきました。それが朗読者の強みだなと感じます。
  • 夏の暑い日のきらきらした海を思い出すような朗読でした。かなしくなったときは海をみにゆくに似た感覚でなんとなく行き詰った時は海を見たくなります。二年半くらした御坊市は家の中から海が見えたので引っ越しの日は家具のなくなった部屋でぼんやり見納めをして寂しさを満喫したことがなつかしいです。みなさんと和歌山の海を楽しむ日が待ち遠しいです。

 

 (6)総合的な感じ: あいかわらず事前に練習をしていないので自分の文章でもたどたどしい朗読になってしまって今回も反省しています。吃音の後遺症のある身としてとくに緊張感はなく読み終えることができましたが、朗読としては並以下と思って反省しています。

 

他の人の朗読資料についても同様に楽しく有意義にワークしました。

休憩時間は菓子をいただきながら楽しく歓談しました。お菓子のご提供ありがとうございます。

 

次回以降は次です。

  •  8月18日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室
  •  9月15日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室
  • 10月13日(日)~14日(月) 和歌山合宿(和歌の浦、万葉の小路、万葉館、クルージング、美術館、有吉佐和子記念館など)
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第43回「朗読を感じる勉強会」

2024-06-23 17:47:38 | 日記

第43回「朗読を感じる勉強会」メモ

 

2024年6月23日(日) 13時30分~16時30分まで、クロスパル高槻5階 和室で、奈良、箕面、高槻からの3人で勉強しました。 参加者全員が簡単な近況報告をしたあと、身体を感じるワークをして朗読の準備をしました。

 

次の「朗読を感じるワークシート」を用いました。

(1)朗読前の朗読資料を感じて言語化 (2)朗読結果を感じて言語化 (3)他人の朗読結果を感じて付箋紙記入 (4)項目(1)(2)を発表してシェア (5)他人の感じの発表 (6)総合的な感じを発表

 

今回の朗読資料は次です。

千木良暁司「有吉佐和子「恍惚の人」の感想」、まど みちお「ぼくが ここに」、まど みちお「天のほうそく」

 

以上のワークのうちで、「有吉佐和子「恍惚の人」の感想」の場合の要点は次です。

 

(1) (朗読前の朗読資料の感じ、浮かぶ言葉、第一印象、身体感覚、フェルトセンスを書く)

有吉佐和子「恍惚の人」の感想            千木良暁司

主人公・立花昭子は、姑(しゆとめ)の死後、舅(しゆうと)・茂造の認知症に気づきます。昭子は、夫・信利の理解が得られぬまま、大学受験期の息子・敏の協力を得ながら、介護を続けます。

茂造の症状は、記憶低下、見当識障害、妄想、徘徊、失禁、便の弄び(もてあそび)、知力低下などです。徘徊には、敏も対応しますが、便の弄びには、昭子はショックを受けながらも自分だけで密かに対応します。

昭子は、共働きを継続したいので、茂造の老人ホーム入居を考えますが、夫の同意が得られません。「親の介護ぐらい子供がするのは当たり前」という当時の風潮があります。また、当時の認知症に対する医療や福祉は不充分で、老人ホームの入居も困難です。そのようななかで、茂造は知力や体力を失いながら自宅で息をひきとります。

昭子は、茂造の老化や認知症の悪化に対して、最初は老化や介護に困惑するばかりでしたが、徐々に介護についての理解が深まり、最後には、介護にやり甲斐をもつというように人間的に成長していきます。それは、本書の次の記述にもあります。

「茂造は温和(おとな)しくされるままになっていて、手を上げてと言えば手を上げるし、立てと言えば立上る。しかし昭子は、敏を入浴させていた頃には何の抵抗もなかったのに、茂造の下半身を洗うのだけはどうも嫌であった」「現在こうして面倒をみていることよりも、三十年、四十年先に自分がこうなるのは嫌だという思いの方が遥かに強い」と昭子は最初のころは介護や老化について困惑していました。

「癌も神経痛も痛風も高血圧も運よくくぐりぬけて長生きした茂造のような老人には、精神病が待ち構えていたのか。老人福祉主事が帰った後、昭子は、茂造と二人分の昼食を整えてから、ともかく眠ろうと思った。が、それには家の内部から戸が開かないようにして眠らなければならない。泥棒の用心に外から入りにくい工夫はしてあるが、中からも開けにくい工夫が必要になっている。茂造が決して一人で開けることができないような」と昭子は徐々に介護についての理解が深まります。

「昭子もしばらく黙って梅雨に濡れる花を眺め、そして花と茂造を較べ見て、この美しさに足を止めるところをみると茂造には美醜の感覚は失われていないのだと思った」「軒に吊るした籠の中で、ホオジロが鳴き出した。茂造が見上げて、ニコッと笑っている。耳はよく聞こえるらしい」「今までは茂造の存在が迷惑で迷惑でたまらなかったけれど、よし今日からは茂造を生かせるだけ生かしてやろう。誰でもない、それは私がやれることだ」と昭子は介護にやり甲斐をもつというように人間的に成長していきます。

以上のことから、私は、ある人の言葉「親の介護ができるということは、それは親からのプレゼントである」の意味がわかるような気がしました。

 

(テーマ) 有吉佐和子「恍惚の人」の感想 

(浮かぶ言葉)  困惑、理解、遣り甲斐、プレゼント・・・

(可能ならばフェルトセンスからマイセンテンスをつくって簡単に説明する)

(マイセンテンス)親を介護することは親からのプレゼントである、そこまでのこと・・

(マイセンテンスの補足説明) 昭子は茂造の老化や認知症の悪化に対し、最初は老化や介護に困惑するばかりだったが、徐々に介護についての理解が深まり、最後には介護にやり甲斐をもつ。人間的に成長していく。そのようにして、プレゼント感がでるのかもしれない。

 

 (5)他人の感じ: 

  • 「恍惚の人」が世の中に出た当初は見るのがつらく苦しくなるような感じを持っていたように記憶しています。主人公が理解を深め人間的に成長していく物語と知って少しほっとしました。と同時につい先日友人のお母様が夜中に出掛けて行方不明になったこと無事に戻ってこられたその後のことを思いながら聞いていました。人は直接の関わりをもたないと理解しようとしないのだろうか、さけたくなるものなのか、友人の周囲の人の変化への失望を見るにつけ、自分は果たしてどうなのだろうと自信を持てないでいます。頭でわかることには限りがあるのだと自覚しておくこと、まずはそこからかなとも思います。和歌山にゆかりのある人の本を読んでみる、私もやってみようと思います。
  • 滅多にこの番組を観たいなどと言うことのなかった母が観たいと言ったテレビで放映された映画を家族揃って観たことを思い出しました。認知症の家族について今ほど公に語られることのなかった頃のことです。生きることや死について悲しみや苦悩について考えさせられる、少なくとも私にとってきっかけとなった作品のひとつです。あらためて読んでみようと感じました。又、観たいと言っていた母はどのように感じたのか気になりました。主人公の昭子だけでなくきっと読み手、視聴者の成長も促される作品のように感じました。

 

 (6)総合的な感じ:私の場合は有吉とか昭子とか「あ」で始まる言葉が吃音のため出難いと感じながら、なるべく間違わないように棒読みのように読みました。心身とも何故か硬くなって、リラックスできないまま読み通してしまったことを反省しています。

 

他の人の朗読資料についても同様に楽しく有意義にワークしました。

休憩時間は菓子をいただきながら楽しく歓談しました。お菓子のご提供ありがとうございます。

 

次回以降は次です。

  •  7月28日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室
  •  8月18日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室
  •  9月15日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室
  • 10月13日(日)~14日(月) 和歌山合宿
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第42回「朗読を感じる勉強会」

2024-05-19 19:25:03 | 日記

 

第42回「朗読を感じる勉強会」メモ

 

2024年5月19日(日) 13時30分~16時30分まで、クロスパル高槻4階 403会議室で、箕面、摂津、高槻からの3人で勉強しました。 参加者全員が簡単な近況報告をしたあと、身体を感じるワークをして朗読の準備をしました。

 

次の「朗読を感じるワークシート」を用いました。

(1)朗読前の朗読資料を感じて言語化 (2)朗読結果を感じて言語化 (3)他人の朗読結果を感じて付箋紙記入 (4)項目(1)(2)を発表してシェア (5)他人の感じの発表 (6)総合的な感じを発表

 

今回の朗読資料は次です。

千木良暁司「文章を書きたいが、書くことがないとき、どうするか?」、サラ・バン・ブラナック「サラ・バン・ブラナックの言葉」、田村恵子「オラファ―・エリアソン展覧会を観た感想」

 

以上のワークのうちで、「文章を書きたいが、書くことがないとき、どうするか?」の場合の要点は次です。

 

(1) (朗読前の朗読資料の感じ、浮かぶ言葉、第一印象、身体感覚、フェルトセンスを書く)

 

「文章を書きたいが、書くことがないとき、どうするか?」      千木良暁司

「文章術」を学ぶために丸古玲子先生のセミナーを受講しました。「うまく書かねば」から自由になり、感じるままを言葉にするブレイン・リリース(脳の開放)を学びました。「脳の開放」の3つの視点は、「エモーション(感情)、自分の第一印象はどんなもの?」、「ボディ(身体の反応)、その感情によって身体に起きた反応は?」、「シンキング(考察)、感情と身体の反応を書き出し考察して伝えたくなった文章は?」です。

文章を書くことは、たとえば、旅行・クルージング・登山など非日常的な体験をもとにすれば、比較的容易です。そうではなく、日常の体験をもとにしても、題目を設定して「脳の開放」の3つの視点からならば、容易に文章を書くことができると考えて試行しました。

最初の題目「会社の仕事を続けたいが、家族の介護もしなければ・・」。 感情は「思い悩み、矛盾、葛藤、あきらめ、それだけではない何か・・」、身体反応は「背中上側にずっしり、言葉に出かかって出てこない・・」、考察は「そのような葛藤が人々の共感を得ることによって介護施設などのサービスがスタートしたのかも・・」

2番目の題目「私が一言を口にするとき、つぎの一言はどこにあるのか?」。感情は「意識の領域にはない。意識は始めの一言に占領されているから。そして、つぎの瞬間には意識にのぼる・・」、身体反応は「喉の奥の上側にこみ上げる。一度閉じた唇と歯が開こうとする・・」、考察は「つぎの一言は、無意識の領域で考えられているようだが、どのように?」

3番目の題目「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」。 感情は「支え合うことの大切さ、人とのつながりへの望み、それだけではない感じも・・」、身体反応は「身体全体の温かさ、胸にひろがる人恋しさ、それらとは違う思いも・・」、思考は「誰ひとり取り残さない社会は大事、と同時に、個人の自主性も大事。年老いた親鳥が、子どもの鳥に対するように、何も求めず、孤立して過ごし、死んでいくことがあって良いかも・・」

以上3つの題目は日常の体験ですが、それを組み合わせれば、マジックのようなヒラメキや直観が生まれるような期待はあります。今回の「始めの一言のつぎの一言は?」「会社の仕事か家族の介護かの葛藤から新たに介護のサービスが⁉」「社会的な孤独・孤立対策の推進と個人的な自主性の向上‼」から、たとえば、「日常のなかの葛藤など問題となる題目を見出し、孤独・孤立の苦悩にあっても、言葉のもつ不思議に魅せられ、ひとりで文章を書きながらSNSなどに発信して、人生を楽しく有意義に送ることはできる」と考えます。

今回は3つの題目の場合ですが、ありふれた日常的な題目でも、日頃から数多く蓄積しておけば、それらを立体的に組み合わせることによって、書くことの魅力的な何かが生まれるという期待はあります。それを目指して、今後も文章づくりに励みたいです。

 

 (5)他人の感じ: 

  • 力強い声で、まっすぐに文章が耳に届いて来ました。「文章を書きたいが、書くことがないとき、どうするか?」という今の私への強烈なパンチのようなタイトルにドッキリしましたが、日常の体験から、私も様々な文章にしていない脳の中だけの思いがたくさんあることを思い出しました。胸の内に浮んでくる思いと、しかも日常の体験からだけでも日頃から蓄積しておけば何かが生まれてくるかもしれないということが大きな励みになりました。「孤立して過ごし死んでいくことがあっても良いかも・・」という所は気になりました。
  • 「文章を書きたいが、書くことがないとき、どうするか?」 セミナーの内容をじっくり咀しゃくされていくさまが伺えるような朗読でした。今回設定された題目は普段から文章に親しまれている朗読者ならではだなあと感じました。とくに2番目の「つぎの一言はどこに・・」というのは自分では思いつけないものだと思いました。そして身体反応の豊かさ、気づきの細やかさも長年のいろいろな取り組みのなせるわざだなぁとうらやましく感じました。学ばれたことを組み合わせて、いろいろな切り口で文章を書き続け発信されことをこれからも楽しみにしています。

 

 (6)総合的な感じ: タイトル「~、どうするか?」の質問に答えるような感じで、少し固くなった感じがあった。セミナー受講の報告をするような固さもあった。最初から最後まで一歩調子で、感情をのせることもなく棒読みのような身体の固さがあった。「身体」を、「からだ」と読んだり、「しんたい」と読んだりして、朗読としてはまずいと感じながらであった。

 

他の人の朗読資料についても同様に楽しく有意義にワークしました。

休憩時間は菓子をいただきながら楽しく歓談しました。お菓子のご提供ありがとうございます。

 

次回以降は次です。

  •  6月23日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室
  •  7月28日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室
  •  8月18日(日)13:30-16:30 クロスパル高槻 5階 和室

 

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