1月15日、今日も一日、体も心も清く過ごせた。そんな夕方に、事件は起こった。場所は某○Kコンビ二。無事仕事を終え、「ふーやれやれ、手土産でもかって帰るか」などど入店した私は、早速いつものごとくに店内をうろついた。本棚に目ぼしい物がないことを0.5秒で流し見ると、冷凍庫・パスタ・おにぎり、お茶、カップ麺と巡視する。ところどころで、これぞという品々を優雅な手つきで籠に乗せると、満足げに頷く。声にこそ出さないが、心の中では「うむ、よい」などと5万石の国主のごとき台詞が繰り返される。
入れたいだけ放り込み、合計2000円ほどとなった頃、ここからが合戦の始まりだ。今度は、ルートを逆に戻り籠の中身の吟味を始める(最低の客だ)。お茶のコーナーへ行き、籠の中の1リットルボトルとショーケースの500mlのお茶をみくらべ、戦うに値しない敵であったと立ち去る。
次、パスタコーナー。トマトスープスパ260㌔カロリーという文字が幾度となくショーケースの中でちらついたが、籠の中におわす600㌔カロリー明太子パスタの神々しさには勝てず、不本意ながら快勝。
次、おにぎりコーナー。籠の中身は鮭おにぎり186㌔カロリー、対するはショーケースのえび太巻きセット(仮)550㌔カロリー。これはなかなかに競り合った。大量に網にかかる海老のうちの二匹か…グリズリーが川で必死に掬い投げたかもしれないシャケ1匹の数十分の一か。迷う。どうしても迷う。その時、ふと人の気配がして斜め後ろを振り返る。帽子に黒ぶち眼鏡にパーカーの推定年齢23歳の男。彼の目は海老セットに注がれている……。い、いかん。このままでは、海老はこの眼鏡君に奪われてしまう。危機的状況に瀕した戦国武将の本能というべきか。獲物を捕獲するカメレオンの舌よりも早い手つきで、私は海老を狩ることに成功した。あっけにとられる青年に笑顔で会釈一つ返し心の中で「この世は弱肉強食なんだよ。若者」とほくそえんだ。
次、冷凍庫と言う具合に、各地で戦いを終えた私はレジにむかった。
いうなれば戦国時代、群雄割拠のはびこる中ようやく勝ち抜き京の都にたどりついた。店長よりの「こちらは暖めますか」との言葉は商品を選び抜き疲弊した心には染み渡った。「はい、お願いします」私は力一ぱい答えた……。ここまではよかった。
私は、店長が手にしようとしたパスタを手前に引き戻し、海老の寿司まきセットを指先で店長がわへおしやった。
一瞬沈黙する店長。
店長:「パスタをあっためるんですよね?」
当然だろ?という口調。
私:「いいえ、海老のほうです」
店長:「寿司ですよ」
私:「はい、寿司です」
ここまでいいきれば暖めるだろう。私は、思った。しかし、流石は店長。無駄な光熱費は使いたくないのか、悪魔でこだわる。
店長:「寿・司・です」
私:「パスタは結構です。寿司を温めてください」
おのれ、店長、早くあっためい(怒)!!
店長:「寿司は普通あっためません」
普通の寿司って。だってこれは海老天ロール。普通の寿司じゃない。王道じゃない。もはや市民権を得たと言っても歴史は浅い。ならば暖めたっていいじゃない。
よし、そういってやる。
私は決意し店長の顔を見据えた。
私:「……」
店長は某金融業者アイフ○のチワワCMでおなじみの中年俳優にどことなくにているではないか。スカウターで測定したらば、スーパーサイヤ人並みの戦闘能力はあっただろう私のパワーは一気にしぼんでしまった。
この人もきっといろいろあるんだ。妻は出て行き、娘は一緒に洗濯したくないなどといい、愛犬だけが待っている。そんな生活かもしれない。この人と戦っちゃーいけない・・・。
そうして、私は海老天を暖めることは断念した。
私:「……」
入れたいだけ放り込み、合計2000円ほどとなった頃、ここからが合戦の始まりだ。今度は、ルートを逆に戻り籠の中身の吟味を始める(最低の客だ)。お茶のコーナーへ行き、籠の中の1リットルボトルとショーケースの500mlのお茶をみくらべ、戦うに値しない敵であったと立ち去る。
次、パスタコーナー。トマトスープスパ260㌔カロリーという文字が幾度となくショーケースの中でちらついたが、籠の中におわす600㌔カロリー明太子パスタの神々しさには勝てず、不本意ながら快勝。
次、おにぎりコーナー。籠の中身は鮭おにぎり186㌔カロリー、対するはショーケースのえび太巻きセット(仮)550㌔カロリー。これはなかなかに競り合った。大量に網にかかる海老のうちの二匹か…グリズリーが川で必死に掬い投げたかもしれないシャケ1匹の数十分の一か。迷う。どうしても迷う。その時、ふと人の気配がして斜め後ろを振り返る。帽子に黒ぶち眼鏡にパーカーの推定年齢23歳の男。彼の目は海老セットに注がれている……。い、いかん。このままでは、海老はこの眼鏡君に奪われてしまう。危機的状況に瀕した戦国武将の本能というべきか。獲物を捕獲するカメレオンの舌よりも早い手つきで、私は海老を狩ることに成功した。あっけにとられる青年に笑顔で会釈一つ返し心の中で「この世は弱肉強食なんだよ。若者」とほくそえんだ。
次、冷凍庫と言う具合に、各地で戦いを終えた私はレジにむかった。
いうなれば戦国時代、群雄割拠のはびこる中ようやく勝ち抜き京の都にたどりついた。店長よりの「こちらは暖めますか」との言葉は商品を選び抜き疲弊した心には染み渡った。「はい、お願いします」私は力一ぱい答えた……。ここまではよかった。
私は、店長が手にしようとしたパスタを手前に引き戻し、海老の寿司まきセットを指先で店長がわへおしやった。
一瞬沈黙する店長。
店長:「パスタをあっためるんですよね?」
当然だろ?という口調。
私:「いいえ、海老のほうです」
店長:「寿司ですよ」
私:「はい、寿司です」
ここまでいいきれば暖めるだろう。私は、思った。しかし、流石は店長。無駄な光熱費は使いたくないのか、悪魔でこだわる。
店長:「寿・司・です」
私:「パスタは結構です。寿司を温めてください」
おのれ、店長、早くあっためい(怒)!!
店長:「寿司は普通あっためません」
普通の寿司って。だってこれは海老天ロール。普通の寿司じゃない。王道じゃない。もはや市民権を得たと言っても歴史は浅い。ならば暖めたっていいじゃない。
よし、そういってやる。
私は決意し店長の顔を見据えた。
私:「……」
店長は某金融業者アイフ○のチワワCMでおなじみの中年俳優にどことなくにているではないか。スカウターで測定したらば、スーパーサイヤ人並みの戦闘能力はあっただろう私のパワーは一気にしぼんでしまった。
この人もきっといろいろあるんだ。妻は出て行き、娘は一緒に洗濯したくないなどといい、愛犬だけが待っている。そんな生活かもしれない。この人と戦っちゃーいけない・・・。
そうして、私は海老天を暖めることは断念した。
私:「……」