山さんの竹やり三段

現在興味のあることや趣味・日常の感じたことをなげやり形式に紹介

指名手配なセーター

2006年10月07日 15時54分05秒 | Weblog
先日原宿で、ロカビリーな茶色のセーターを買った。
所々破れた?(だってなんて表現すればいいかわかんないんだもん。布ならかぎ裂きっていうところだけれど……)そのセーターは最近のわたしのお気に入りで、よく着ている。
「そう、そんなにお気に入りのセーターみつかって良かったじゃない」
良心的な人ならそう思うかもしれない。
一方、手厳しい人ならこういうだろう。
「だから?」

確かにセーター一枚、寝ておきたらそれが魔法の痩身スーツになるわけでもなし、まして金塊や美男子にかわるわけでもなし、ただのセーターだ。

では、どうして話題に乗せる必要があるのか?だれも欲しいともいっていないのに、ただの一方的な自慢か?それとも自己満足か?

いや、それのどちらでもない。
深層は闇の中……。ではなくてー、問題はこのセーターがばあに狙われたことにあるのだ。

我が家のばあは、激動の昭和を生き抜いてきた女だ。艱難辛苦にに耐え、自分の信念を貫き通す。
そのばあが、今、わたしのセーターを狙っているのだ。
もちろんこのロカビリーなセーターをばあが着るわけではない。

そう、彼女はこのわざとデザインされたセーターの穴……、もとい裂け目・ほつれを縫ってしまいたいのだ。

彼女は先日のたもうた。
「ねえ、そのモヘア、やぶけて大変。おばあちゃんが継ぎしてあげる」
すべては、この一言から始まった。
「これはこういうデザインなのよ。大丈夫」
しかしわたしははっきりと断った。

以来、わたしがこのセーターをきて彼女の前を行き来するたび、彼女の視線がまとわりつく。ああ、もしかして、わたしは寂しがりやで、ばあに注目されたいがために、セーターを縫わせないのではないだろうか?と思い込んでしまいそうなほどにはその視線は熱い。

虎視眈々と狙われている。かれこれもう1週間は経過する。段々と距離は近ずいてくる。今日などは、裂け目の大きさを手で測り、毛糸の太さを確かめているではないか!!

追うものと追われるもの、その戦いはまだまだ続く……。