ﾌﾞﾚｰｶｰ

15年ほど前
乾燥機を買った

子供たちが
だんだん大きくなり
比例して
洗濯物が増えてきたからだ


電気屋さんから
乾燥機を使うときだけは
掃除機を使わないで、ブレーカーが落ちますからと
説明を受けた

義母にも
伝えたはずなのだが

義母は
私が乾燥機を
使っていても
お構いなしに
掃除機をかける




最初のうちだけのことだが


数秒でﾌﾞﾚｰｶｰは落ち
部屋は真っ暗になり
義母の動かす掃除機も止まる

ｼｰﾝとなった
自分の部屋で
義母はただ
待っている

私のほうからは
何も
声をかけず
乾燥機のスイッチを切り
ブレーカーを戻す

義母は
何事もなかったかのように
掃除機をかける


掃除機がけが
終わったのを
待って
乾燥機を再び動かす





「乾燥機かけたいんですけど、掃除機使いますか？」
この一言
言えばいいだけなのに
私は
話しかけたくないから
いろいろ
深読みする羽目になっている


仕方なく同居してる
よその人、みたいに思っているから
敬語で話しかけてる
尊敬してるからではない
それがまた
シャクだ



なので
乾燥機を使いたい時は
義母が
掃除機を使うのか
どうか
静かに気配を伺っている








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これでは義母と同類ではないか

今朝も
五時半に一旦目が覚めた

義母が
戸を開けたりする物音で
必ず目が覚める

まだ
ほんとに起きたい時間まで
一時間弱ある

一時間より
少し少ないところが
ｼｬｸに触る


昨日
私や娘が使った雨傘を
こっそり干す音が聞こえる

娘の持ち物には
触れてほしくないから

再三やめてと言うのに

やっぱり干したがる


そんなことがあった
約三時間後


玄関で義母と出くわしてしまった

義母はジョウロを持っている
昨日雨だったのに
水やり必要か？


そんな事を考えていると
義母が
小声で
話しかけてきた

「この前な、あっちに（多分脱衣所を指している）生理の。生理の（ナプキン）が落ちてたから、捨てておいたわ」

あ・・・・・・・・・しまった
それは私の仕業
先日入浴の前に
外したナプキンを
うっかり落としてしまったのに
気付いて
後から探したけど
見つからなかった

私が気付くまでの
数十分の間に
義母がめざとく見つけていたのだ

いつも
私たちに文句を言われるばかりだからか
嬉しそうだ


心のすさんでいる私は
一応
「すみません」と言ったけれど
心の中は
暴風雨のように
罵詈雑言が吹き荒れていて
出てこないように
するのが精一杯だった

どうも
私は鬼の形相だったらしく

義母に
「なんでそんな怖い顔するの？」
と言われてしまった


↓ここから罵詈雑言
あんたのやってきた
迷惑のほうが
何十倍、何千倍もあるのに

10年に一度
やるかどうかの
失態を
なんでどや顔で言われなくちゃならないの？

本当に
こんなことで、と
自分でも呆れるけれど
その時
私の心に殺意があった




↓で、ここからは
自分を見つめ直す

これでは
義母と一緒ではないか
自分のやった事を認めず
言い訳ばかり
本心から謝らず
反省がない

このままでは
義母みたいに
家族から
嫌われて
信用されなくなる

でも・・・
でも、義母にだけは
こうなってしまう




夫や
息子や娘には
真摯でありたい
間違ったことをしたら
素直に謝ろう

うん
こんな態度
義母にだけ、たぶん・・・


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