毎日おくさん

今年はいよいよ30代最後の年!働く主婦です。仕事と不妊・不育治療など悪戦苦闘する日々を書いてゆきます。

がん患者の家族として思うこと…病院選び

2006年10月08日 20時40分19秒 | 健康

  最終回は入院していた「病院」について話したい。父は家から近くのC病院に入院していた。横柄な医師が多かったが、看護師さんたちは優しかった。付属病院に併設されている看護学校の卒業生がほとんどだったせいか、よく教育されている。技術面や心配りなど大したものだった。入院している患者に対する声掛けなど実に優しかったようだ。事実、世間話をしない父が看護師さん相手に冗談を言ったり、雑談をしたりしていた。中には父の手を握ってポロポロ涙を流してくれた看護師さんもいたらしく、父はその人たちにどれほど助けられたかと思う。この点は本当に感謝している
 しかし、ほかのマイナス面が圧倒的に多いので、「お世話になりました。」と心から言えなものがある。これは法律的に禁止されていることだが、両親は医師や看護師たちに袖の下を渡していた。(私はやめるよう言っていたが…。)ほとんどの人は一回は断ったが、結果的に全員がお金を受け取った。それで彼らの態度がよくなったかといえば、少しはよくなった。医師は声をちょくちょく掛けてくれたり、手術の日取りなどはこちら主導で決めることができた。でも、結局はC病院から追い出されてしまったのだが

◎C病院についての課題をまとめた。
 医師について
①あらゆる症状を疑って、病気の早期発見ができるよう技術的に向上すること。
②治療方針、計画を患者側に丁寧に伝える。
③すみやかに検査をすること。
④担当医が変更するときは、きちんと引き継ぐこと。
⑤余命宣告を家族にする時は、時と場所をわきまえること。
⑥横柄な態度で患者に接しない。(患者の臓器をみるのではなく、患者個人を見ること。)

看護師について
ほとんど何もない。

病院について  これが一番の問題
①回復の見込みのない患者を放りださないこと。
 父はC病院からI病院への転院で精神的なショックを受けた。C病院の患者の死亡率が低いのはこんなカラクリがあったのだ。全くひどい。(この件については、母が抗議の手紙を出した。…無論、返事がこなかったが。)ちなみに、C病院とは千葉大学病院である。
 今の医療制度では、自分の選んだ病院で死ぬこともできないのだ。これはどうしたらいいのか…。医療問題なのか、答えはすぐに見つからない。でも、これは恐ろしい問題だ。 早急になんとかしなければならないことなのに…。

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 もし、自分ががんになってしまったら…と考えるときがある。どうするだろうか?私は関東圏に住んでいるから、まず、がん研究で有名な『国立がんセンター 中央病院』や最近有明に移転した『癌研究所有明病院』の門を叩くだろうか。ただし、「がんセンター」でかかる場合、自分の病気が「がんセンター」が研究対象でなければ断わるケースがあるらしい。あまりにも高齢だと断られるらしいし…。セカンドオピニオンの先生の感じがいくらよくても、がんセンターにかかれるのかどうかはわからないものだ。用心用心
 川越市にある『帯津敬三病院』、四谷にある『統合医療ビレッジ』も候補に挙げたい。ちなみに帯津敬三病院には全国から患者がやって来る。すぐにかかるのは難しいかもしれない。遠方だけど、鎌田實さんが名誉院長を努める『諏訪中央病院』も忘れてはならない。患者に優しい医療をやってくれそうな気がする。(すみません、イメージが先行して…。)しかし、いきなりホスピスというのはなあ……。ちなみに私は鎌田先生のファンだ。『がんばらない』『それでも やっぱり がんばらない』など涙を流しながら何度も読んだ。「がんに負けない、あきらめないコツ」という本もお薦めである。がんを予防するためにも読むといいと思う。鎌田先生の書く本は読む人の心を癒してくれる。

 60歳近くの、団塊の世代の医者の中には、本当の医療を求めて地方に散った人も結構いたらしい(鎌田先生を含め)。彼らが懸命になって、患者の立場に立った病院を作り上げ、地域医療に貢献していった。地域だけではない。国際社会で貢献している医師もいる。例えば、アフガニスタンで井戸を掘ったり医療活動をしたりしている中村哲さんも60歳だ。(C病院の先生は彼らの爪のアカでも煎じて飲んでほしいものである。)でも、団塊世代の彼らもそろそろ世代交代。後進たちはちゃんと育っているのだろうか。
 そういえば、父の病気を調べるとき、平岩正樹さんの著書も読んだ(平岩さんのホームページはこちら)。腕利きの医師だが、一匹狼風の方。『がんで死ぬのはもったいない』など読んでみた。かなり厳しい癌患者の闘病記だった。でも、先生がいかに真剣に治療に取り組んでいるかがわかった。(今は病院に所属してないらしい。)自分のところに来たいと思う患者に対して、前向きに病気に取り組む気がない人は来ないでくれとはっきり言っている。医師と患者でタグを組まないと病気に挑めないんだとわかる。平岩さんのホームページには『がんのweb相談室』があって、かなり参考になる。

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 今日は父の一周年でした。父の病気について、ブログでひと通り書けてよかったなと思っている。がんで苦しんでいる人(家族)や情報を集めている人の一助になれば幸いである。

 長々とお付き合いいただきありがとうございました 中秋の名月の翌日に。



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