『書斎の競馬』元編集長のひとりごと

馬・車券歴40年以上50年未満。いつの間にかいい歳になった。

馬鹿にはできないウオッカの参戦

2007-05-23 10:10:36 | 競馬
ダービーの1着賞金は1億5千万円、ウオッカは9700万円のオークスを捨ててダービーに回った。かりにダービーで2着だったとしたら6000万円、オークスだったなら…と言われかねない立場である。勝算なしの挑戦ではないのだろうが、どこにそれだけの自信があるのだろうか。

勝ちタイムの比較などしてもあまり意味がないかもしれないが、昨年はダービーの2分27秒9に対してオークスは2分26秒2。
今年のオークスはそれを上回る2分25秒3である。
それもダイワスカーレットのいない大駒落ちのメンバーだった。
つまりウオッカが出たとすれば、これを上回る時計が必要とされたわけだが、勝ったのは3度対戦して一度も先着されたことのないローブデコルテ、マイルの競馬とはいえ阪神JFが約5馬身、チューリップ賞が約7馬身、桜花賞が約3馬身半の差をつけている。
2400メートルという未踏の領域ではあるが、ウオッカは2分24秒台で走る可能性は高かった。
シンボリルドルフ以来のダービーで一番速かったのは05年のディープインパクトと04年のキングカメハメハ、これが同タイムで2分23秒3。
どちらも傑出した馬だった。
2分25秒3は3番目の時計でアイネスフージン(90年)に匹敵する。
つまりかなりのカチカチ馬場だったということを割り引いても今年のオークスの勝ちタイムは優秀なのである。
トライアルの青葉賞勝ちで伏兵視されるヒラボクロイヤルの2分26秒3をも上回っている。
ウオッカは、熱発でオークスを回避した桜花賞馬ダイワスカーレットと2戦対戦して1勝1敗、おそらく能力は互角だろうと思う。
そのダイワスカーレットが弥生賞を勝って皐月賞1番人気だったアドマイヤオーラと1勝1敗ということは、ウオッカは牡馬の中でも5指に数えられる馬である。
走ってみないとわからないが、やや脚長で頭が高く、ストライドの大きな走法は距離適性は十分にありそうだ。
加速するときの速さとか切れにはかなりの凄みを感じる。
好戦は必至だろう。
ヴィクトリー、フサイチホウオー以上の人気になることはないだろうが、早くからダービー参戦を公言し、凱旋門賞の登録まで行った。
マークはされざるを得ない立場でどれだけの競馬ができるのか。