ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE)

風の向くまま、気の向くままに……

気がつけば途上国

2008-01-07 08:05:08 | 政治・社会・経済
 日本経済新聞1月4日付一面「YEN漂流」の記事のタイトルは、「気がつけば途上国」、サブタイトルは、「内外格差で『二重価格』」である。
 日経「YEN漂流」取材班が、現実に取材していて感じる「現在の日本観」が、まさに、「日本を途上国と感じざるを得ない状況が現出しているということ」であり、「ロシアや中国に日本が急追されている現状と、その他新興諸国も含めた国々の通貨と日本円為替レートの急激な変化により、日本が二流国化しつつある現状」に警鐘を鳴らしているということになるのだろうと感じる。
 現在の日本人は、「日本が二流国に転落しつつある」といわれて何を、どのように感じるのだろうか?

 記事では、次のような点が、具体的な現象として取り上げられている。
 「『いったい何が起きているんだ』--。都内最大の中古車競売市場を運営するジェイ・エ-・エ-の取締役相宮伸一(49)は目を疑った。限定改造車『ムゲンRR』の中古車を、ある輸出業者が新車価格を上回る(400万円)を上回る500万円強で落札したからだ。輸出業者の背後にいるのはロシアや中東など裕福な新興諸国の買手だ」とのこと。
 国内の売れ筋はせいぜい100万円で、日本国内の中古車ディーラーにとり、「人気車種には全く手が出ない状況」とのこと。
 いわゆる、「グローバル価格と国内価格の二極化」が、中古車市場や、(ブランド物に関する)セカンドラインに対して影響するのと同時に、「危機感をもった国内勢は同一ホテル内に二重価格を導入することで外国人を含む富裕層獲得に動く」といった、異常とも見える現象を招いているとのことである。

 このように、「現実に日本国内で発生している現象を捉えて、現在の日本が、『気がつけば途上国』になっている」としているのである。
 確かに、OECD当の見方も、「日本の近い将来の姿」をGDP面で「相対的に沈む国」としてみている側面がある。
 この間、バブル崩壊を乗り越えつつあるとはいうものの、「日本の空洞化」が進んできた。そうした中で、日本の相対的賃金低下等の背景を踏まえ、一部メーカーで日本に回帰している日本企業があるとはいうものの、「先行きの人口減見込み」、「法人税率等の面で魅力のない日本マーケット」等々、政治面での問題も含め、日本に進出してくる外国企業が増えるとの見通しはあまりない。

 日常的に、日本円で生活している限りにおいて、「気にならずに過ごしてきているのかもしれない」が、あるいは、「鈍感すぎる」のかもしれない。。。
 Written by Tatsuro Satoh on 7th Jan., 2008

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