歯科医の独り言

日々の診療をしていて思う事

将来、入れ歯作り専門の技工士はいなくなるのかな?

2010年01月19日 08時26分50秒 | Weblog
歯の被せ物とか義歯は主に技工士さんに作ってもらいますが、被せ物は今後CAD/CAMの普及により技工士さんがいなくても作製が可能な時代が今後もどんどん進むと思われます。ただ、取り外しの入れ歯(義歯)は、各患者さんの粘膜の硬さの違い等により、CAD/CAMで簡単に作るのは今後も困難だと思われます。最近の傾向として、収入に見合わない技工士という職業を若い人は選ばない等の影響、また経営的な観点からのみから、全国的に技工士学校が閉鎖されてつつあります。このままでは、10年、20年後になって入れ歯を作っていただく技工士さんがいなくなるのは確実です。ますます高齢化する社会にとって苦慮する事態です。
現在の技工士さんも、仕事が少なくなっては困るのか 歯科医師の適当な型どりに対して何も言わず、入れ歯を適当に作ってしまう傾向にあるのではないかと思っております。歯科医師に対して、あまりにも遠慮してしまっているのではないでしょうか!もっと厳しくならないとお互いが目指すいい入れ歯はできないと思っております。
私は入れ歯の成果というものは、50%が歯科医師の責任、50%が技工士の責任だと思っております。いい「型どり」からしか、いい技工物はできないのは確かです。不採算の保険の義歯だから等で、歯科衛生士に型どりをさせるのはもってのほかです。