微笑観音

ほほえみかんのん

遠野の五百羅漢

2012年03月15日 | 岩手県の仏さま


駐車場からこの五百羅漢入口まで、約5分くらい山を登りました。登山靴か長靴を持参するべきでした。別に険しい道ではありませんが、なにせこの雪です。幸い、先人達が雪道を踏み固めてくれていたのでなんとか歩けましたが、新雪だったり、ぬかるんでいたりしたら、普通の革靴ではアウトでした。

以下、ウィキペディアからの抜粋です。
遠野における天明の大飢饉による餓死者を供養するために、天明3年に大慈寺の義山(和尚)が山中の自然石に500体の羅漢像を刻んだものと伝わる。 羅漢像は立体的な彫刻ではなく、絵画のような線彫りである。

とにもかくにも山奥です。どうしてこの地を選んだのでしょう。ま、その理由が何であれ、正気の沙汰ではありません。きっと周囲の人は冷ややかだったことでしょう。飽きることなく稲田の観音さまを撮り続けていた自分の姿と重なりました。根は私と同じ気持ちだったのかもしれません。彫らずにいられなかったから彫ったのでしょう。撮らずにいられないから撮っているのです。私とはスケールが全く異なりますが、一種の変人には違いないような気がしました。





五百羅漢といっても、なにせ苔が覆っていて、しかもこの雪なので、はっきり判別できる羅漢さまはいくつもありませんでした。カメラマンの力量が問われました。私にはその魅力を伝える技術と努力が不足しています。申し訳ない気持ちが強く、あまり充実感はありませんでした。


↑苦戦中のへっぴりごめり(ちゃねり撮影)


↑こんな場所なのです


↑帰り道に、この石を見た時は嬉しかった!

「遠くから御苦労であった」
そう微笑んで下さっているような気がして、喜び勇んでシャッターを押しました。供養のための羅漢さまたちですが、最後のひとつ、この羅漢さまだけは、訪問者を労うために彫ったのかもしれません。最後の最後にようやく手ごたえを感じることができて、満足して帰路につきました。





3月11日 岩手県遠野市 五百羅漢にて