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漫画の感想とかそんなん

美味しんぼのうつ病話

2006年06月19日 20時07分42秒 | 漫画

先週のスピリッツ28号の『美味しんぼ』、「究極の料理人"春編"」より
うつ病の話が取り上げられております。

 

過去にイジメ、末期癌、狂牛病対策といった問題にも取り組んできた美味しんぼ。
実際にうつ病で悩み、苦しんでいる方がいることを踏まえると、
たかが漫画と言えども難しい題材であります。
はたしてこのうつ病という題材にどう決着をつけるのか。
関心が集まる所であります。

うつ病というデリケートな問題を、いかに描き、いかに表現するのか。

漫画という媒体である以上、言葉だけの引用では、
曲解、誤解が生じる可能性があるため画像の引用を用い、
この美味しんぼが描くうつ病問題に関し考察してみたいと思います。抗議が来たら即撤退の構えで。

 

先週(スピリッツ06年28号、美味しんぼ572話)より

 

美味しんぼに出てくる料理人岡星さん。
そんな岡星がふさぎ込み、元気が無い。
原因が分からず、途方にくれる岡星の家族達。
何か気が付いた山岡と共に病院の神経科に向かいます。 

 

  

医者にうつ病と診断される岡星。
うつ病の原因の一つとして推測されるのは仕事周りの事。
ひびが入りかけてる状態=比較的重度ではない、とも推測されます。
うつ病は病気であり、治療すれば治ると言う医者。 

 

  

増加していく自殺者数は日本でも深刻な問題です。
自殺者の3割以上はうつ病である、とも言われていますが。

確かに治療をせずに「最悪」の場合、自殺に至ることも少なくないでしょう。

心の風邪、とも言われ誰でもかかるうつ病。
過度に自分を責めることはないでしょうが。

そんな岡星を頑張れと励ます岡星さんの妻、冬美。 

 

  

頑張れは禁物、とたしなめる山岡。
うつ病の人にとって、頑張れ等の叱咤や激励は追い込むことになります。

友人を二人亡くした、と話す山岡。
過去を悔やむ山岡はうつ病に対しては人並み以上に理解を持っているのでしょう。

 

 

家に帰り、京味の西さんのお父さん、西音松さんの本を見つける山岡。
日本料理の真髄とまで評し、究極のメニューにも取り入れたいと考えていたとのこと。

会社にて、この料理を西音松さんの息子である西健一郎さんにお願いすることに。

そして岡星の店に出向く山岡。 

 

 

店も閉まっており、気を沈める岡星。
友人に弱音をこぼすも、じゃあ死ねよ、と言い返されます。

言われなくても死にますよ、といじける岡星。
死んだものとして1年命を預けないか、と提案する山岡。

 

西さんの店に向かい、西音松さんの料理が書かれた本を見せる山岡。
この料理を西さんに再現してほしい。
西音松、西健一郎の料理・春夏秋冬として究極のメニューに収めたいと話します。

そして岡星のことも話す山岡。 

 

西さんの料理で友の心を癒したいと考える山岡。
自分に出来ることがあるなら、と快く引き受ける西さん。

 

 

さっそく段取りを整え、岡星と話をつけます。

 

1年時間をくれ、と言ったのにはこういった思惑があったのです。
山岡は1年間、西さんの料理を味わうことで
岡星の心が良くなると確信めいたものがあったのでしょう。

 

 

さっそく西さんの店、京味へ向かう山岡達。
素晴らしい春の料理の数々が出されます。

 

しかし、これに劣る料理をしてきたのか、と沈む岡星。

次の料理に賭け、次週へと続くわけですが。

 

 

 

今週(スピリッツ06年29号、美味しんぼ572話)より

引き続き、西さんの料理を賞味する山岡達。

手綱寿司、菜の花の昆布締めといった手間がかかった匠の料理を出されますが。

余計に落ち込む岡星とそれを叱る山岡。
山岡の想像以上に、岡星の心の病は重いようです。

 

 

いさだの山椒煮、鯛のアチャラ押し、つくしのウニ和え、
といった華やかな料理が続きます。

これには岡星も絶賛します。

岡星の心も浮かび上がった、よくなったと見えますが。
喜ぶ山岡。しかし、

すぐにまた気を沈める岡星。
慌てて山岡が次の料理をせかします。

 

 

鯛の大徳寺納豆まぶし、さよりと京人参・大根の重ね押し、鯛のいとこ漬け、

またも素晴らしい、手間隙かかった料理が並べられ舌鼓を打つ山岡達。

 

対照的に、気を沈めるばかりの岡星。

 

 

焼き物である、オコゼの田舎焼きが出されます。
5時間も湯銭した味噌と共に炙られた肉も素晴らしいながらも、
普通は捨ててしまうハジカミの皮の和え物。

 

西音松さんの物を大事にする料理の基本を感じる岡星。
気持ちが動いてきた、向上してきたと喜ぶ山岡。

しかし、

過去を思い出し、またも沈む岡星、と山岡。

 

 

キスの鯛白子焼き、小鯛の卯の花焼き、

またも素晴らしい焼き物が続き大絶賛。
岡星も元気になったように見えましたが、

山岡の一言にまたも心沈める岡星。
ああ、むずかしいと困る栗。

 

 

椀物で勝負、と言う西さん。
心も柔らかくする椀物とは、で次回へ続くわけですが。

次回は二週間後です。

 

 

 

とりあえず、言いたいことはあるだろうと思われます。
今回は前後編や前中後編といった短期ではなく、①、②と打たれたシリーズ物。

 

山岡の友を思う心に感動した!という人も、
なんで飛沢と大阪いるのよ、関係ねーじゃん、という人もいるかと思われます。

 

しかしながら、シリーズ物。終わってみなければ評価できません。

 

とりあえず、シリーズ物ということを頭に置いた上で。

 

冒頭で、頑張れという言葉を言ってはいけない、と山岡が言いましたが。
あれは言葉通り、頑張れの言葉を言わなければいいというものではなく、
重圧をかけるな、という意味じゃないでしょうか。

早く治れ、はともかく。
なぜ治らないのか、という態度を見せるのはどうでしょうか。

そもそも、仕事が原因でうつ病になったと推測できる人間を、
仕事である料理関係でひっぱりまわすのはどうでしょうか。

そもそも、素人が医者の相談も無しに、
病人を連れまわすのはどうでしょうか。

 

いろいろ、感想が浮かびましたがシリーズ物。
春夏秋冬って、1年続くんですかこのシリーズ物。


知ったような顔してすいませんでした、と謝罪してしまうくらい素晴らしい、
うつ病に対する解答を漫画の中で出される可能性もまだまだ十分にあります。

 

そう考えると迂闊な言葉は口に出来ない次第であります。

うつ病という題材に挑んだ美味しんぼ。
どういった決着をつけるのか。
再来週のスピリッツに期待いっぱいです。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2015-03-05 08:00:36
鬱病に対して余計な手を出さないっていうのも大事なんですけどね
家族と共に何年かけてもいいからゆっくり、ゆっくり治すのが大事、第三者が横から口を出して良いような問題ではないんですよ
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Unknown (Unknown)
2017-04-16 13:54:55
じゃあ死ねよはありえないし、なんか鬱を笑い話にしているシーンが数カットあるし、山岡の周りでホントに2人鬱で自殺したのかと疑いたくなります。
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Unknown (Unknown)
2019-05-19 19:37:31
そもそも鬱こじらせたら何食っても味しないしな
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