漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

蛇街道(10/12) もう隠しとく訳にはいかん!

2009年02月15日 17時00分47秒 | 第12話/蛇街道

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  ウォルポールさんは1727年に入学した、当時のイートン校版「F4」のメンバーの一人でした。
メンバーには勤務教師の甥で、後に「墓畔の哀歌」などで有名な詩人となる、トマス・グレイ(1716-71)さんという人もいました。
4人の中、ウォルポールさんとグレイさんとトマス・アシュトンさんという人はケンブリッジ大学に進学しました。
リチャード・ウェストさんという人だけは、オックスフォード大学へと進学しました。

 グレイさんもかなりのイケメンでした。
1738年にウォルポールさんとグレイさんは、ウォルポールさんが費用全額負担での大陸旅行に出かけましたが、
途中でケンカ別れして、グレイさんは英国に帰りました。
3年後に二人はめでたく仲直りをしたそうで、グレイさんはウォルポールさんの飼猫の死への弔歌を書いたりもしています。
ウォルポールさんが、ハリソンさんの個人情報収集依頼のために手紙を出している相手がグレイさんです。

 グレイさんから帰って来た手紙で、ハリソンさんが大学時代にあるとんでもない事件を起こした事が分かるのですが、
それと相似した事件に、今度はウォルポールさん自身が巻き込まれて、
スティーヴン・キングさんの「●●リー」+Jホラー「●●グ」的恐怖を味わう事となります。

 とっくにお気付きの方もいらっしゃると思いますが、
ウォルポールさんのモデルになった歴史上実在の人物は、実は軽ゲイもしくはプラトニック系ゲイだったのでは
― と言われているのでした。


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 わしは第8話あたりでも言った記憶があるが、やはり「同性愛」が来たではないか!
作者はつい昨日「ハード・シーンは苦手」と言っていたが、こっちについても大丈夫なのかの~?

 ウチの仕舞いっ娘がBLに興味持ってるみたいでちょっと心配。
最初は〈イケメンの群れが好きなだけ〉なんだと思っていたけど。
どうやら上杉謙信さんとその周辺の人達の事もそういう見方してるようだしね…。

それは「衆道」といってねママン、戦国武将が活躍していた頃の日本では、
別に驚くような事ではなかったんですよ。


 でも、もし今まで見て来た話をそういう目線で読み返してみても、
みんなウォルポールさんの「深まりのない片想い」みたいなんだけど。

何か、わざわざ片想いになるような相手ばかりを狙って「責め」ているような気がするよな。
誰も「受け」になってはくれない。

 ― っていうか、デュポン先生やジョージさんとかは、
最初っからそういうつもりで接近しているとは想像すらしていないんじゃ…。
ウォルポールさんが本当に「同性愛者」なのかどうかもまだ決定的な証拠がないし。

そういえば、
ハリソンは、「俺は同性愛者じゃない!」
― って、トロイを相手にどっかで叫んでいたよな!
 
 その話で作者も言っていたような気がするが、
18世紀当時の欧州で、本当に同性愛者で現行犯逮捕されたら死刑じゃぞ!

 結局、本当は男女どっちの誰とも本気で関わろうなんて思ってないって事なんじゃない?
本人も天気のいい日に苺ヶ丘城で、ぼんやりと一人で綺麗な椅子に座って考え事してる時にでも、
ついでにその事にもちゃんと気付いていて、そんな自分に冷めた絶望しているんじゃないの?



 「 第3部 」で描く予定の、ハリソンさん&ウォルポールさんのホラー・シーンが、
「 『 最終絶叫計画 』 的になってしまったら ― 。 」
…と、考えると描くのがコワい。
 
〈次回の更新は2月21・22日の予定〉