Sugar's Adventures (PCT trail name is "SUGAR" in 2016)

2016年 米国 Pacific Crest Trailの踏破 及び 2013~14年 南米の自転車旅行を紹介

2014年3月1日 Cueva de Las Manos

2017-01-25 22:57:17 | 2013~14年南米自転車の旅 2014年3月
3月1日
 8時50分   キャンプ地 出発
         ↓
         Cueva de Las Manos
         ↓
17時35分   同じ場所に戻る   39km 

【累計】
自転車 5712km
自転車+車・列車等 6763km

◆      ◆      ◆      ◆

7時10分起床。晴れ。

いよいよ3月。
Buenos Aires からの帰国便は4月5日だが、あまりゆっくりもしていられない。

8時50分出発。

Cueva(洞窟)までは20km。
そう遠くはない。
またここに戻ってくることを前提に、荷物を全部茂みの中に隠し、空荷で出発。




ビクーニャの群れがあちこちにいる。
動かずにこちらの動きを見ている。
ある距離まで近づくと一斉に逃げてゆく。


道路は砂利道で、自動車のタイヤで深い”わだち”と砂利の”畝”が出来ており走りにくいこと甚だしい。
注意していないと砂利の畝にタイヤが突っ込みそのまま倒れる。



ビクーニャ



馬(多分、放し飼い)



遠くに雪山が見える。





12時、行き止まりとなる。20km進むのに3時間もかかった。


目の前に深いグランドキャニオンのような谷がある。
その谷を徒歩で下り向こう側の崖を登ったところが Cueva (洞窟)の入り口だ。





谷の手前で自転車を乗り捨て、徒歩で谷に下りる。
(下の棒は杖)










下には小川が流れており橋が掛けられている。


向こう側に上る梯子。


世界遺産の Cueva には管理事務所がある。
見学には必ずガイドが同行する。
30分に一回の頻度で見学チームが出発するようだ。


↓管理事務所の中にある説明
























13時、見学に出発。
チームは私を含め見学者三名と若い女性のガイド一人。

岩壁に無数の人間の手の跡。
手のひらの部分が白く残り、周りが赤くなっている。
動物の内臓をかみ砕いて吹き付けるとこうなる。












動物の蹄もある。


この手は、指が6本ある!











人間の手のひら以外に、動物の手の跡もある。
驚くなかれ六本の指の手形もある。突然変異だろう。
ビクーニャもしくはグアナコのような動物、サルなどの壁画もある。


ここに手の跡を残した人たちは一万年前この谷に住んでいたという。
何故いなくなったのかはわからないという。

南米南端のフェゴ島には十九世紀までほぼ裸で生活していたヤーガン族(ヤマナ族ともいう)がいた。


14時25分、自転車の場所まで戻る。





帰る途中、一軒の廃屋の傍で休む。

日本には限界集落という言葉がある。
悲しい言葉だ。

かってみんなが生活していた集落そのものが朽ち果ててゆくようなイメージがある。
日本の集落は山裾にあり木で囲まれている。
人の住まなくなった家は、以前そこに住んでいた人の怨念が残っているような気がする。

ここに残る家はいつまで人が住んでいたのだろうか。
煙突だけが昔の家族の団らんを偲ばせる。

空は限りなく澄んでいる。
廃屋が丘陵の上にいつまでも朽ち果てないで残っている。

ここに住んでいた人たちが使っていた水は今でも流れている。
感傷に浸るのはこの辺までにして・・・出発。


16時10分、高度870m。

17時35分、キャンプ地に戻る。

2月22日、Coihaique 手前で転倒したせいで左大腿骨と右膝が痛い。
走っていても直ぐバテる。

3月2日

2017-01-25 22:56:38 | 2013~14年南米自転車の旅 2014年3月
3月2日
 8時55分   キャンプ地 出発
         ↓
         Bajo Caracoles
         ↓
17時40分   キャンプ地  83km 

【累計】
自転車 5795km
自転車+車・列車等 6846km

◆      ◆      ◆      ◆

7時起床。晴れ。気温10度。高度747m。

8時55分出発。

Ruta Cuarenta (40号線)を走る。



前方の道路の両脇に赤い色の岩がある。この岩は何?



牛がこちらを凝視している。見知らぬ動物が来たとでも思っているのかな。







高い位置より Patagonia 平原を見下ろす。



El Calafate まで530km



遠くに雪を頂いた岩山が望める。






Tres Lagos まで363km。
この間、店がある町は2ヶ所。食料は持つかな?


13時30分頃西風強い。足がほぼ限界。



親切な Argentina の老齢のご夫婦よりサイダーとお菓子を頂きました。
「 Muchas Gracias! 」とお礼を言いました。
この地球の最果てで 人の親切に出会うと涙がでそうです。



羊たちもこちらを見て固まってしまっています。
「別に襲ったりしません。安心してください」





「風に注意」の看板。
この看板は Patagonia にはいっぱいありました。

でも風に注意ってどうすりゃいいの。
わざわざ看板に書かなくても風が吹いたら注意しますよ・・
などなど頭の中は雑念でいっぱい。







17時40分、Bajo Caracoles に到着。
ここにあるのは数件の民家とこのホテルのみ(一階は雑貨屋)。
この集落の人口は31名。

ここで水を4リットル補給。食料を購入。


ホテルの一階には棚があり簡単な食品が並べてある。
魚の缶はさびている。

スパゲティはどうしたわけか手の届かない上の方にある。
店の中をよく見ると、店の中に踏み台があるのでそれを持ってきて棚の上のスパゲティを取る。

だんだんと買う気がしなくなってきた。

だがこの先数日間はここしか店がないので ここで買わざるを得ない。

購入品:スパゲティ3袋、ケチャップ3缶、ビスケット8個、
固いパンのハム野菜サンド2個、トイレットペーパー1個、歯磨き1個。


店のご主人にこの先で水を得られる場所を書いてもらう。

それによれば、

13km先 Rio Oinie
70km先 El Delfin
100km先 Horquetas
120km先 Tamel Aike
140km先 Stasiluina

とすらすらと書いてくれた。
(上記は、名前はあるがすべて無人の荒野である。集落ではない)

水は、ここから先140kmに5ケ所ある。一安心。

17時40分。Bajo Caracoles から数キロはずっと登り。
バテてこれ以上進めなくなった。



よく見るとここは高台で見晴らしが良い。
テントも張れそうなので今日はここに野宿と決める。





 
ここは 私が行った中で Chile の太平洋岸と同じくらいの眺望の良さだ。
稜線にまさに沈まんとする太陽は今まで見たこともないような光を放っている。

















夜、南十字星をカメラで撮影する。安物のカメラだが長時間露光ができる。
南の方角にいつも四個の同じ星が見える。
ある時、当地の人に尋ねてみると南十字星であることが分かった。



写真、中央やや上の四角形の4つの星が南十字星。


3月3日

2017-01-25 22:56:16 | 2013~14年南米自転車の旅 2014年3月
3月3日
 8時55分   キャンプ地 出発
         ↓
17時30分   キャンプ地   122km 

【累計】
自転車 5917km
自転車+車・列車等 6967km

◆      ◆      ◆      ◆

7時15分起床。晴れ。風なし。

8時55分出発。







道路脇に牛の死骸が転がっている。
半分は白骨で半分は丸々とした肉体で毛におおわれている。





道路脇にダチョウのような鳥が数匹歩いている。
調べるとダーウィン・レアという飛べない鳥で絶滅危惧種である。




11時30分、軽食。気温22度。
西風。あまり強くない。高度895m。





直線、単調、地平線、澄んだ空気、石と砂の平原、車のいない道路。
Ruta Cuarenta (国道40号線)を形容すれはこういう言葉になるかな。



遠くには雪山が見える。






1012kmの標識がある。
おそらく Buenos Aires からの距離だろう。



水が流れている場所があったのでここでキャンプすることにする。
人家はないが距離からするとここは Temel Aike と思われる。
昨日の店のご主人が教えてくれた通り、水がある。



洗濯をする。
有刺鉄線に干す。乾燥しているので朝までには乾く。



ネズミのような小動物の穴があり小動物が出てきた。


 
(左)燃料はガソリン。数分余熱する。
(右)その後安定した状態となる。

3月4日

2017-01-25 22:27:30 | 2013~14年南米自転車の旅 2014年3月
3月4日
 9時15分   キャンプ地出発
         ↓
17時30分   キャンプ地    78km 

【累計】
自転車 5994km
自転車+車・列車等 7045km

◆      ◆      ◆      ◆

7時20分起床。朝日は出ているが西の方は曇り。

9時15分出発。



珍しく曇天となる。



遠くに一軒だけの農家が見える。


10時5分、「 El Calafate まで409km」の看板あり。



「舗装道路は1000m先で終わり」

10時40分、舗装道路が終わる。砂利道となる。

Gobernador Gregores まで65kmの看板あり。

ここは国道40号線を直進する道と、少し遠回りになるが 
Gobernador Gregores を経由する道の分岐点となっている。

安全を考え Gobernador Gregores を経由する道を選ぶ。





この古い馬車は、集落への入り口を示すためここに置かれているようだ。


昼頃より雨。


15時、未舗装道路の土が水分を含み、ちょうど小麦粉を水で練った状態になっている。
その状態の土の中に自転車が入り込んでしまった。

フェンダー(泥除け)とタイヤの間に粘土状の土が入り込み車輪が動かなくなる。

小雨の中、地面の固い場所を見つけ前後の車輪を外し、
ドライバーで粘土をかきとる。
所要時間約一時間





キャンプ地


―アルゼンチンのお札について―

Chile のお札はプラスチック製でしわができない。
アルゼンチンのお札は紙製だからしわができる。
ほとんど使いこまれた紙幣でよれよれになっている。
どの程度よれよれかというと2、30年前の中国のお札と同じぐらいといえばわかるだろうか。


3月5日

2017-01-25 22:27:16 | 2013~14年南米自転車の旅 2014年3月
3月5日
 9時45分   キャンプ地出発
         ↓
         Gobernador Gregores
         ↓
19時      キャンプ地   27km 

【累計】
自転車 6021km
自転車+車・列車等 7072km

◆      ◆      ◆      ◆

7時50分起床。朝の最低気温8度。昨晩雨。西の風が強い。




寒いのでフリースを着る。
Puerto Montt の古着屋で買ったものだ。
やっと役に立つときが来た。


9時45分出発。


11時、Gobernador Gregores に着く。
Gas Station で軽食。

ガソリン0・8リットル補充。
水2リットル補充。





( Gas Station にあったポスター)
昔、政治犯がこの最果ての地に収容されていたようだ。


西風が強まる。


12時、通りに面した銀行に行く。ATMを使うため。
ATMの機械が3台並んでいる。
先客が20人ほどおり小さい部屋はぎゅぎゅう。

ガソリンスタンドに戻り1時間ほど時間をつぶす。

13時、銀行に戻るとATMの部屋には誰もいない。

ATMを操作すると「 No Dinero 金がない」とのメッセージ。
皆で引き出したので、お金(札)が枯渇したようだ。

何を馬鹿げた。ここは銀行だろ。
機械の中にお金をいれればいいじゃないの、
と文句を言いだしたくなるが(言葉ができないので)
何ともならない。

現在、所持金はほとんどない。
次にATMのある町は300km先の El Calafate だ。
そこまでは4、5日かかる。その間、食料を買う金がない。
まあ非常用にドル紙幣を残してあるから大丈夫か、と自分を慰める。

植木仁の「そのうちなんとかな~るだろぉ~ぉ~♪」の気分だ。

13時10分、町を出る。

町をでてすぐ舗装道路が終わる。


町は河岸段丘の底地にあり、地上はそこから百メートル上。
強烈な上り坂。且つ砂利道。登り切るのに約一時間かかる。





15時。台地の上に出る。強烈な西風が吹いている。
進めないのでテントの張れるような風の当たらない場所を探す。
土砂の採掘跡がありそこにテントを張る。


 
テントが飛ばされそうなのでポリ袋に石を詰め
それにテントのロープを結ぶ。
テントの中は砂だらけとなる。