Takの秘密の木

誰にもいえない気持ちは、誰もしらない秘密の木の洞に、こっそり語って蓋をするんだって。@2046

ダスティン・ホフマン

2010-02-19 | 俳優さんのはなし
映画を録画しといたつもりが、入っていたのが「アクターズ・スタジオ・インタビュー」のダスティン・ホフマンの回。
私はダスティン・ホフマンという俳優さんは、特に好きということはありません。
別に拒否感もないけど、狙って観に行くこともない。
日本でいえば武田鉄矢さんみたいな感じで、上手いと思うけどアクが強くてたまにうんざりすることも。・・・・
でも、このインタビューをみてみたら、とてもおもしろかった。
俳優さんって、演じる役柄と違って物静かな印象がする人が多いと思っていたけど、ダスティン・ホフマンの場合は、その熱さにびっくり。
「演技をする」ことへの情熱、真摯さ・・・・・愛情、すごいな、と。

印象的だった言葉をいくつかあげると・・・・

「映画のテークは俳優が失敗する場だ
芸術には失敗の場が必要だ」

「"君は自伝を繰り返し演じてる"と言われる」

「最悪なのは失敗することじゃない ある罪を犯す方がもっと悪い
それは自分が傷つかないよう 前にもうまくいった方法で無難に仕事をこなすこと
自分の才能を否定するのは罪だよ
失敗するのは当然だ 僕だってする
皆 何かにつけ"成功!成功!"・・・・いいだろう
だが心の底から わき出るものを表現しないと。
映画が失敗しようが 多少的外れな事をしようが
本当に"これだ"と思う演技をしなきゃダメだ
それが すべてだ」

ルノワール監督の言葉
「監督だろうと俳優だろうとすべてを知る必要はない
脚本の要求全部に応えなくていい
できる事をやればいいんだ
脚本も演出も足りない分は観客が補ってくれる」

ストラスバーグの言葉
「君たちの体は楽器だ
自分をバイオリンのように奏でるんだ
自らの身体を知り
肉体と感情の結びつきを最大限 理解しろ」

ストラスバーグの五感の記憶法に関して、
「だが多くの人は勘違いして
それが演技だと思ってしまうけど
ストラスバーグも"ただの練習だ"と・・・・
そんな事をしてたら仕事を逃してしまう
"今 準備するから待って"なんて 現場では通用しない
自分の方法をさがすんだ 何年もかかるかもしれない
僕は今もさがしてる
終わりなんてない 試行錯誤の連続だ
それがメソード演技だ」

やってみたい職業という質問に対して
「音楽家になりたい
集団で作品を作る必要のない芸術に携わりたい」

なぜ演じ続けるのかという質問に対して
「何があろうと演じ続ける
これ以上 心弾むものはない
演技が好きなんだ
どこでだろうと できる
そういうものがあることは重要だし とても運がいい」

学生たちに向かって
「未来が分からないなんて最高のぜいたくさ
演じられるんだ 演じるしかない
仕事じゃない 仕事なんて待ってたら死んでしまう」


他にも、『レインマン』の重要なシーンの時に、どう演じていいのかまったくわからず、その撮影の日が近づいてくるのが怖くて怖くてたまらず、自分の演技力の限界に腹が立って腹が立って仕方なく、その怒りがそのまま出ただけのシーンだった、とか、ジーン・ハックマンやデ・ニーロとの交流の話もすごく興味深くて・・・・。
デ・ニーロも、自らの演技力の限界にどうしようもなくなることがあるけど、「とにかくカメラの前に立ってやるしかない」と思ってやるんだとか。
ハーヴェイ・カイテルはアクターズスタジオ入学に11回も挑戦してるとか。

びっくりするほど熱い。まさに職人気質。
で、本人が言うように、そういう極める熱さを持てるって、運がいいんだなー・・・・と思う。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。