in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

Corail Murder(1) 給料日の悲報

2010年10月02日 | Haiti
第一報を受けたのは10月1日(金)の夜9時過ぎ。友人らと外食した帰りに「ハイチ人技術職員のDかもしれない人物が殺されたらしい」と同僚から電話がかかってくる。情報が少ないので、あちこちに電話する。普段しっかりしているはずの同僚らも動揺して会話にならない。自分なりにまとめると、

・昼休みに銀行に向ったDが夕方になっても戻ってこなかった。
・本人に電話しても繋がらないので、日が暮れる前に事務所に戻り、現場職員が警察に届けを出した。
・警察によるとDらしき人物が、総合病院に運ばれたが、既に死亡していた。

すぐに病院に向おうとすると、友人の一人(カナダ人警察官)が「今、外国人のフランス語もろくに喋られないお前が行っても仕方がない。夜中の移動は危険なだけだ」との(その時はむかついたが、振り返ればとても冷静な)意見に従った。

その警察官の友人が、当直の同僚に尋ねたところ、そんな事件の報告は受けていないという。一方で、銀行帰りに金目的で人が殺されることはよくあるとのこと。現実の厳しさを痛感する。

翌日、同僚らが事務所に集合し、情報を集めるとともに、警察署、事故現場らしき場所、そして最後に病院を訪れる。行方不明となったDの家族とともに、死体安置所で遺体の識別をする。とても悲しいことだが、運ばれてきた遺体はまさしくDで、両手を挙げたところを銃で撃たれたのか、そのままの姿勢で硬直していた。胸と背中と撃たれ即死に近い状態だった。

言葉を失くして帰路に着きたい気持ちと裏腹に、警察署の事故証明、病院からの死亡診断書、スタッフからの現場情報といった必要書類を人事担当者らとまとめる作業に、気を振り絞った。

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