身に覚えのない痣がある。
今朝シャワーを浴びていて気がついた。
二の腕の外側に、一円玉大の痣ができている。
ひょっとしたらインクかもしれない(メモ帳と眠る癖があるせいで、時々インクがつくのだ)と思ってごしごしこすってみたが、とれない。
痣である。
酔っ払った翌日に、覚えのない傷や痣ができていることはよくあるが、
しかしそれらは大抵の場合、膝とか肘とか、転んだらそこにいくだろうって部位にできるものである。
二の腕に、ぽん、と判で押したような痣など、なかなか自傷ではできない。
…誰かに指で押されたか。
誰かにフェンシングで突かれたか、
誰かに石を投げつけられたか
誰かにパチンコで狙われたか。
誰かに!
誰や!?
…世界は謎と危険に満ちている。
誰かは私の生活の至る所至る時に現れては、私に負傷させたり、物(レンガや服など)を与えたり、ちょっとした悪戯(落書き、皿洗い、左右違った靴下を履かせる等)をして帰ってゆく。
…もう、誰かったらお茶目なんだから。
デジカメに、身に覚えのない写真が写っていることもある。
写真に写っている私は、なんだかとても楽しそうである。笑っている。…ああ、私ってこんな顔で笑うんだ。誰かはそんなにも楽しい人物なのか。
手帳に、身に覚えのない予定が書き込まれていることも、ある。
誰かがちゃんと書き込んでくれたのね。
朝起きたら、プレゼン用のパワーポイントが出来上がっていたこともあった。
…誰かが、仕上げてくれたんだ。
誰か、誰か、ああ誰かったら、さっさと姿を見せてほしいです。男性ですか女性ですか。年はいくつですか。趣味はなんですか。絵心はありますか卵焼きは甘い派ですか辛い派ですか来年の手帳はもう買いましたか。
しかし私は、わかっているのである。
誰かがこれからも姿を現さないことを。
誰かは誰かであって、誰でもないことを。
おもにじぶんであることを。
…世界でもっとも遠い人物(誰か)は自分自身なのだ。
ベッドに寝ころんで、二の腕にできた身に覚えのないその痣を指で押してみたら、
痛かった。
今朝シャワーを浴びていて気がついた。
二の腕の外側に、一円玉大の痣ができている。
ひょっとしたらインクかもしれない(メモ帳と眠る癖があるせいで、時々インクがつくのだ)と思ってごしごしこすってみたが、とれない。
痣である。
酔っ払った翌日に、覚えのない傷や痣ができていることはよくあるが、
しかしそれらは大抵の場合、膝とか肘とか、転んだらそこにいくだろうって部位にできるものである。
二の腕に、ぽん、と判で押したような痣など、なかなか自傷ではできない。
…誰かに指で押されたか。
誰かにフェンシングで突かれたか、
誰かに石を投げつけられたか
誰かにパチンコで狙われたか。
誰かに!
誰や!?
…世界は謎と危険に満ちている。
誰かは私の生活の至る所至る時に現れては、私に負傷させたり、物(レンガや服など)を与えたり、ちょっとした悪戯(落書き、皿洗い、左右違った靴下を履かせる等)をして帰ってゆく。
…もう、誰かったらお茶目なんだから。
デジカメに、身に覚えのない写真が写っていることもある。
写真に写っている私は、なんだかとても楽しそうである。笑っている。…ああ、私ってこんな顔で笑うんだ。誰かはそんなにも楽しい人物なのか。
手帳に、身に覚えのない予定が書き込まれていることも、ある。
誰かがちゃんと書き込んでくれたのね。
朝起きたら、プレゼン用のパワーポイントが出来上がっていたこともあった。
…誰かが、仕上げてくれたんだ。
誰か、誰か、ああ誰かったら、さっさと姿を見せてほしいです。男性ですか女性ですか。年はいくつですか。趣味はなんですか。絵心はありますか卵焼きは甘い派ですか辛い派ですか来年の手帳はもう買いましたか。
しかし私は、わかっているのである。
誰かがこれからも姿を現さないことを。
誰かは誰かであって、誰でもないことを。
おもにじぶんであることを。
…世界でもっとも遠い人物(誰か)は自分自身なのだ。
ベッドに寝ころんで、二の腕にできた身に覚えのないその痣を指で押してみたら、
痛かった。