劇団誠〈せい〉と仲間たちの冒険

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ブラック・ゴシック・ガール(8)

2016年11月27日 17時08分44秒 | ゴシゴシゴシック~鍋山和弥作品集~
 一方、エリサの方はというと、領主の屋敷の外で、両手を合わせて、マリアとラミの無事を願っていた・・・・。
エリサ「・・・・ラミ姉ちゃん、マリアさん・・・お願いだから、無事に帰って来て!!・・・・」
 そのまま、しばらく祈っていると・・・・。
ラミ「あれぇ~、エリサじゃん♪どったの??こんなところで?」
 こんな声を聞き、エリサは、祈るために伏せていた顔を上げ、聞こえてきた方へ振り向く。すると・・・・。
エリサ「・・・・ラミ・・・姉ちゃん・・・・?」
ラミ「?そうよ♪あなたのお姉さんよ♪♪」
 これを聞いて、エリサは、嬉しさのあまり、恥も外聞もなく、涙が流し始める・・・・。
エリサ「お姉ちゃ~~ん!!!!」
 こんなことを叫びながら、エリサは、姉であるラミに抱きついた・・・・。
ラミ「ちょっ!ちょっとぉ~!!どうしたのよ!!?」
エリサ「だってぇ~!だってぇ~!!」
 こんな2人の様子をマリアは遠くから見つめていた・・・・
マリア(よかったね♪エリサ♪♪)
 しばらく、2人の様子を見つめたマリアは、自分も嬉しくなり、エリサには、何も告げずに、この場を後にした・・・・。こうして、この『サザン』は、平和になった・・・・。

 ここは、『セイダン』という街の資産家・イスタル氏の所有する別荘・・・・。この別荘から不定期に、女性の悲鳴が聞こえてくる・・・・。
女性「いやああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 その悲鳴は必ず同じ女性のものとは限らないものの、必ず違う女性のものとも限らないようで、毎夜、必ず悲鳴があるとも限らず、女性の声のバリュエーションは、むしろ日を追う毎に、増えているようであった・・・・。

 ここは、『サザン』と『セイダン』を繋ぐ道・・・・この道を黒のゴスロリドレスに身を包んだマリアが歩いている。今は、昼御飯にサイコロステーキを歩きながら食べている所であった・・・・。
マリア「このサイコロステーキうまいわぁ~♪♪」
 マリアは、本当にうまそうに食べていた。こんなマリアの様子を大勢のならず者達がこの道の端の森から見ている・・・・。
ならず者①「おっ!肌が白くて、上品そうな女だなぁ~♪」
ならず者②「あんな貴族のお嬢様いたっけ?」
ならず者③「何にしろムカつくなぁ~」
ならず者④「上品に気取りやがって!」
ならず者⑤「いいじゃねえか♪」
ならず者⑥「どこのお嬢様か知らねえが、犯っちまおうぜ♪」
ならず者⑦「・・・・そうだな・・・・」
ならず者⑧「ああ」
ならず者⑨「犯ろう犯ろう♪♪」
 だが、マリアはマリアで気配で、こんな、ならず者達がいることには、すでに気付いていた・・・・。
マリア「・・・・ざっと、40人って所か・・・・」
 この後、この道の両側の森から大勢のならず者が現れる・・・・。
ならず者①「ヒャッホー!!近くで見ても上玉じゃねえか!」
ならず者②「興奮するぜえ!」
ならず者③「このキレイで可愛い顔を汚すって想像するだけでも♪」
ならず者④「マジ犯りてぇ~!!!!」
 こんな、ならず者達の様子を見て、マリアは目を閉じながら深く、ため息をつき、鞘から腰の黒い剣を抜く・・・・。
ならず者⑤「何だ何だぁ~♪そんな物騒なもん取り出してぇ~」
 そんな、ならず者達に対して、マリアは不敵な笑みを浮かべる・・・・。
マリア「・・・・とんでもない勘違いさん達ね・・・・」
ならず者⑥「!何ぃ~!!」
 マリアは、再び自らの瞳を見開く・・・・。
マリア「・・・・ホント・・・どの街も同じね・・・男なんて・・・・」
 こんなマリアのセリフを聞いて、ならず者達は、一瞬キョトンとするものの、全員で一斉に大笑いする・・・・。
ならず者①「そりゃ!!男は!犯りてぇだけの!!!!生き物だぜ!!」
ならず者②「あたりめえじゃねえか!!!!」
ならず者③「どんな男だって!!本性は!!!!そんなもんだぜ!!」
ならず者④「お上品なおめえには!!分からねえんだろうがな!」
 この後も、このならず者達は、マリアをバカにするかのように、大笑いしていた・・・・。
マリア「・・・・そうね・・・・」
ならず者⑤「世間知らずも!いい加減にしようぜ!!」
ならず者⑥「ホント!ホント!!」
 こんな大笑いされている中、マリアは2年前、自分を助けてくれた騎士の『・・・・そう言って貰えるだけでも私の心は救われる・・・ありがとう・・・・』、『何を遠慮することがある!!困った時はお互い様!遠慮なく来たまえよ!♪』、『いいのだよ♪仲間は大勢いた方が楽しいいからな♪♪』ってセリフを思い出していた・・・・。
マリア(・・・・そっ・・・同じね・・・・)
 こんなこと思いながら、マリアは、黒い剣を構え直しながら、こう思っていた・・・・。
マリア(あの人以外には!!!!)
 こんな中、ならず者共は、嫌らしくゲラゲラと下品に笑っていた・・・・。
ならず者①「・・・・さてっお上品な女性の味というのを味わあせてもらいましょうかねぇ~・・・・♪♪」
 そのまま、ならず者共は、マリアとの距離を徐々に詰めていき、嫌らしく笑う・・・・。
マリア「やれるものならね」
ならず者①「じゃっ♪遠慮なく♪♪」
 こうして、ならず者共は、一斉にマリアに襲いかかる。そんな、ならず者共をマリアは、前と同じように、いつも通り、不敵な笑みを浮かべつつも冷静に、それぞれの攻撃を武器に応じて、紙一重で柔軟に対応してかわしていき、無駄なく黒い剣で反撃して、このならず者共に斬撃を与えて、斬り殺してゆく。まるで、美しい踊りのように・・・・。
ならず者⑦「・・・・こんな・・・バカな・・・・」
 こんなことを呟いている間も一人、また一人とマリアの黒刀の餌食になっていく・・・・。
ならず者⑦「・・・・嘘だろ・・・おい・・・・」
 このまま、一人ずつ斬られていき、遂に、このならず者⑦以外は、全員斬られ、生き残っている者はいなくなってしまった・・・・。
ならず者⑦「・・・・ありえねぇ~・・・・」
 こう言いながら、ならず者⑦は、腰を抜かし尻餅ついてしまった。こんな、ならず者⑦にマリアは一歩、また一歩と近付いていく・・・・。
ならず者⑦「くっ来るなああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 こう言われても、マリアは無表情のまま間合いを詰めるのをやめない・・・・。
マリア「普通なら、犯せたんでしょうけど、相手が悪かったね♪」
 こう言いながら、マリアは、黒刀を振り上げる・・・・。
ならず者⑦「たっ助けてくれええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!」
マリア「私、あんたらみたいなの、嫌いなの」
 こう言い放つと、マリアは、振り上げていた黒刀を振り下ろし、このならず者⑦を切り捨てた・・・・。
マリア「・・・・あんたらみたいな最低な男・・・・」
 こう言い放った後、マリアは、この場を後にした・・・・。

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