第509回定期演奏会
2008年2月16日(土)
17:00開場 18:00開演
京都コンサートホール
指揮:デリック・イノウエ
独奏:若林 顕(ピアノ)
プログラム:
▽シューマン/「マンフレッド」序曲op.115
▽シューマン/ピアノ協奏曲イ短調op.54
Ⅰ.アレグロ・アフェットゥオーソ Ⅱ.アンダンテ・グラツィオーソ
Ⅲ.アレグロ・ヴィヴァーチェ
▽ワーグナー/歌劇「タンホイザー」より、
大行進曲「歌の殿堂をたたえよう」
▽ワーグナー/歌劇「タンホイザー」より、
序曲とヴェヌスベルグの音楽
▽ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」より、
前奏曲と愛の死
・シューマンのマンフレッド序曲op.115。
オーボエの悲しげな美しい旋律から始まる。次第に弦楽器が加わり、曲が展開されていく。中盤から終盤にかけて弦楽器とホルンによる旋律があり、この旋律の情熱さには心引かれるものがあった。
・シューマン/ピアノ協奏曲イ短調op.54
・第1楽章の冒頭から、ピアノの澄みきった音色を伝わってくる。はっきりとした明るい時もあれば、優しい音色で伝わってくるところもあり、ピアノの音色は、たびたび変化する。オーボエの旋律が美しく、また、非常にかっこよかった。
・第2楽章のアンダンテ・グラツィオーソ。ピアノは繊細で、特に音が小さいところでもはっきりと奏でられているところがきれいだった。突き刺さるような音色ではなく、やわらかいふわふわした音色に感動した。チェロ旋律とともに温かい旋律も美しかった。
・第3楽章はピアノと弦楽器の共演が見事だった。ピアノも美しく、大きくて輝くような音色はとてもすばらしかった。ピアノも弦楽器も明るく力強い演奏で見事なクライマックスを飾っていた。
・ワーグナー/歌劇「タンホイザー」より、
大行進曲「歌の殿堂をたたえよう」
この曲はトランペットの非常に華やかなファンファーレから始まり、旋律は流れるように演奏される。弦の旋律だけでなく下で支える低音の管楽器も魅力的だった。
・ワーグナー/歌劇「タンホイザー」より、
序曲とヴェヌスベルグの音楽
ホルンとクラリネットの透き通るような美しい音色で始まり、次第にチェロ、ヴィオラが加わり厚みが増していった。重厚なトロンボーンの旋律が加わりまさに夜明けを思い起こさせられた。再びホルンとクラリネットの旋律に戻った後、激しい弓の動きがあるヴァイオリンの旋律が始まり、この裏でも激しい動きのヴィオラの支えが感じ取られ、多くの管楽器が加わり力強さが増していった。そして、カスタネットの軽快なリズムが加わり壮大的な音楽から楽しげな音楽に変わっていく。曲の終盤では美しい旋律が流れ、荘厳に曲は終った。
・ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」より、
前奏曲と愛の死
木管楽器の旋律は悲しげな雰囲気をかもし出していた。特に、イングリッシュホルンとバスクラリネットの低音の旋律は厚みがあり美しかった。
・まとめ
プロのオーケストラの演奏は感情が込められていると感じることができた。このような演奏に近づけたいが、技術の向上が必要であると思った。実際に音程も縦のラインもそろっていた。また、プロの演奏会を聞きに行きたいと思う。