『いそがなくたって、そこに本屋があるじゃないか―今も昔もこれからも、書店は街の情報発信基地なのだ』(高津淳著 サンブックス刊)
僕の敬愛する書店人が記した本なのだ。
僕がこの本を読む時は、だいたい悩んでいたり、にっちもさっちもいかない時だったりするのだけれど、いろいろ思うところがあって今週この本を読んでみた。 (注)
スッキリした!サッパリした!
僕は馬鹿じゃなかろうか。
野村監督風に言うと♪ばっかじゃなかろか ルンバ♪
備忘録として高津淳語録をメモしておく。
固定観念を捨てて売りたいと思えば、一番客の目に付く所に置けばいい
自前のフェアは止められない。300店のうちの1店より町内会の1店になるための本屋作りなのだ。
どんな無理難題を押し付けられても、結局は「うちの店に来て注文をしてくれる」というこの上ない関係が結ばれている
「毎日が日替わり」という定食屋のメニューみたいに、お客の目を楽しませてやろう
今何が読者をそそるのか、ヒットの種は本屋にあるはずだ
ほとんどの編集マンは自分が作った書籍、雑誌が一番で、売れてないと聞くとそれは営業の努力が足りないだとか僕の店の陳列が目立ってないからだとか、まず他人のせいにする
作る立場と売る立場が一本になれば、より一層いい作品は出来る
必ず版元に一人は自分の店のキーマンを押さえておけば大丈夫だ
本屋はもともとコツコツ売ってナンボの世界
本屋は椅子に座ってちゃダメだよ
座ってちゃいけない。売場を右往左往していなければダメだよ。
たかが本屋、されど本屋。最近は先細りの業界と言われ、マイナス成長が続いているけど、それは全体に見てのことで前向きな本屋集団はハンパ抜きに刺激的だ。
何のためにやっているのか、無駄だと思っていてもいつかは功を奏する時が来ると信じることだ。
本屋は愛だよ、愛
7月末以来、高津先生はにっちもさっちもどころか、よっちもごっちもいかない状況で、本人曰く「人生正念場なのだよ」なんだけれど、それでも「僕頑張るけんね」と笑いながら棚に向き合っているこの人はスゴイ人なのだ。
高津淳がいる限りこの業界は大丈夫なのだ!と思ってしまったよ。
この男に名付けられた「gan-chan」の名は僕の誇りなのだ。
高津淳の著作
明けても暮れても本屋のホンネ 高津 淳 街と暮らし社 このアイテムの詳細を見る |
いそがなくたって、そこに本屋があるじゃないか―今も昔もこれからも、書店は街の情報発信基地なのだ 高津 淳 サンブックス このアイテムの詳細を見る |
全出版人必読の書なのだ!
(注)元記事は2008年9月の記事です。