Fare la siesta

ファーレ・ラ・シエスタ~イタリア語で〝昼寝する〟
午後のひととき☆ゆったりと過ごしたいですね

tesoro

2006-11-17 | たいせつなもの
テゾーロ
「宝物」

「あなたの宝物は何ですか?」

誰かに尋ねられたら、私は迷わず
「ミシン」と答えるだろう
大切なもの、形のない宝ものは
他にもいっぱいあるが、私の持ち物の中で
このミシンは特別な存在だ

今は亡き私の祖父母は、洋服の仕立て、修理と
付属屋(ボタン、ファスナー、裏地などを扱う店)を
営んでいて、母たち5人の子供を大学まで通わせた
また、共働きの母を支え
保育園のお迎え、夕食、お風呂と
幼い頃の私の面倒を毎日のようにみてくれた
台所に立ち、たくさんの天ぷらを揚げる祖母・・・
私はおばあちゃんっ子で
そんな祖母の背中を見て育った

畳敷きの居間にはミシンがあり
作業している祖父の姿があった
学校の袋や母と作った洋服も
みんなこのミシンで作った

時は経ち、私は大人になり
やがて、店は廃業となった
ミシンはその役目を終え
気がつくと物置と化していた
そして
ミシンは主を失った・・・

不要になった物と一緒に処分するという
「このミシンだけは、誰がなんと言っても私がもらう!」
祖父母の面影や、子供の頃の思い出がしみついている
だいじなだいじな宝物
おじ、おば達もこのミシンを私が引き受ける事を
とても喜んでくれた

今は、我が家で一番眺めのいい場所から
私を見守っていてくれる・・・

このページの写真を撮っていて、ふと気になった
ボディーや足踏み部分


台の脚にも〝FUJIJANOME〟の文字


昔はこういう社名だった?
蛇の目ミシン工業本社に問い合わせると
どうやら全く別の会社らしい
ますます気になり、巡り巡って
大阪にある日本ミシンタイムス社へ
突然の電話にもかかわらず、こころよくお話してくださった

フジジャノメはその方の記憶だと
昭和22、3年~昭和30年頃あったミシンメーカーで
(恐らく)蛇の目にあやかってつけた名前では?
もう当時の事を知る人も少ないし、大切にして下さい、と
(今日までずっと、蛇の目ミシンだと思ってたんだけどね)
ありがとうございました♪

戦地から戻った祖父が買ったミシン
これからもずっと、大切にしたいと思う

byがん