とりさんの社会人生活日記

日々の雑感や趣味の歴史についてつらつらと書き並べるブログ

過去へと駆ける風

2006-03-07 22:17:46 | 雑感
捨て台詞で
「今度の日曜日の○時、××(場所)で待ってるから・・・」
と言われて
「勝手に決めるな!ワタシは行かんから」
と答えたにもかかわらず、行ってしまうのがワタシの悲しい性格なんでしょうな

いるじゃねぇか、やっぱり・・・

何とな~くわかってましたよ。こんな風に性格を把握されてるんですよねぇ。

ちあきさん「やっぱり来た」
とり「あのなぁ・・・来なかったら本気で何時間でも待ってそうやモン。これある意味脅迫やで」
ちあきさん「頭のいい人は恋愛ができないって言うからね」

夏であるにもかかわらず、弱くくすんだ太陽が強い風のため雲に洗われ、銅色の顔を覗かせたり隠したりしていました。

「頭のいい人は恋愛ができない」だと・・・?
ワタシの理屈などでは絶対に承服しない、という宣言なのか?
いろいろと考えていた説得の言葉を、出会ってわずか十秒にして葬り去られました。

万物を凍りつかせる怜悧と、あらゆる物を灼熱させる熱情とが、ちあきさんから奔騰し、吹き付けてくるのを感じました。


そこらへんの喫茶店に入りまして、とりあえずお互いの近況なんかを話し合いました。この後いろいろ話しましたが、必要十分な要点だけを抽出しますと、こんな感じです。

ちあきさん「まあそれで、私と付き合ってよ。もうお父さんもお母さんもとり君の顔知ってるから、別に難しいことじゃないでしょう?私もとり君のことよくわかってるんだから。」
とり「それならなおの事、ワタシがそんな性格じゃないことはよく知ってるでしょうが」
ちあきさん「別に私のこと嫌いなワケじゃないでしょう?」
とり「ワタシは赦免の施しようもないことをお前にした。それがもう、ホントに申し訳なくてな」
ちあきさん「そんなこと、まだ気にしてるの?」
とり「何かねぇ、お前が好きになったとしても、いま一つその、『熱』というか・・・」
ちあきさん「何よそれ?」
とり「お前のこと好きだと言うヤツが出てきたら、ワタシはそいつより『好き』である自身が無いのよ。何となく、人を好きになる感情が薄い人間になった気がして・・・。そんなワケで、お前さんの気持ちに3年も気付かんかったんじゃないか?」
ちあきさん「・・・」

またちあきさんが泣き出してしまいました。

とり「泣くな!・・・お前さんがワタシのために泣くのは勿体ない」
ちあきさん「だって・・・」
とり「泣くなぞ、お前さんらしくなかろう。それとお前が泣き出した時、ワタシはまず、周りの目を気にした。・・・この意味がわかるか?」
ちあきさん「そんな・・・」
とり「『申し訳ない』っていうのも、結局『自分が納得できない』が本当の理由のような気がする。お前がどうこうじゃなくてワタシ。ワタシ、そんな人間ですわ」
ちあきさん「わかった・・・」

う~ん、コイツ、絶対に「承知」しても「納得」してねぇな、と思いましたが、これ以上かける言葉が隻句もない。


喫茶店を出た頃、黄銅の陽は赤紫へと変わり、その役目を終えようとしていました。その風景に、強く吹く風の音が重なりました。
風はそよぐことなく、疾りぬけ、叫び、咆哮し、見えざる奔馬のごとくに剽悍でした。それにまたがった歳月も、めくるめく速さで過去へと駆け去っていくようでした。

とり「んじゃまぁ、元気で」
凡庸で、ありきたりで、おざなりな別れの言葉こそが、ちあきさんに贈れる最後の言葉でした。

ちあきさん「とり君も、・・・元気で」


別れた後、一言だけつぶやきました。

「ワタシのことよくわかってる」だと?お前が泣いたら、誰が一番悲しむか、全然わかってないじゃねぇか・・・

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
傷心? (らぷぽ)
2006-03-08 00:00:29
 こんばんは、「言論の自由」。。コメント感謝です。ここへお邪魔してしまって、実は何て書こうか迷ってます(笑)。

 でもよくありそうなシーンを思い浮かべました♪、楽しんでいる場合じゃないのかな?

 文面から察するに、こういう時は本当に「どうして傷つけないで気持ちを伝えられるか」迷いますが、結局相手にすれば、どんな言葉も同じなのかもしれないですね。

 うーん ま 大きなお世話でしたかしら?
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間の悪い・・・ (とり)
2006-03-08 09:27:22
せっかく来ていただいたのに、世迷いごと書き散らしてて申し訳ありません。

ヽ(;´Д`)ノ
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ちょいと (ぼー)
2006-03-08 13:55:34
カッコよく書きすぎじゃないかい?



俺はそんなドラマみたいな話、体験したことないぞ。
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お? (とり)
2006-03-08 18:25:09
風景描写は少しだけ大袈裟に書きましたよ。オモロイから。



でもそれ以外の部分は真面目に書いてます。

相手がいて、の話なんでね。
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