サラリーマンの「イチロー」になるために必要なこと

組織で成功する条件で一番重要なものは何かシアトルマリナーズのイチローを例に考えてみよう。
イチローの経歴は愛工大名電高からドラフト4 位で当時のオリックスへ入団した。
入団した92 年は40試合、そして93 年は43 試合の一軍出場経験である。

ところが94 年に210本シーズン最多安打記録を作り、それから７年間パ・リーグの首位打者を続ける。
さらにシアトルマリナーズに移籍した1年目に首位打者になり、大リーグでも代表的な選手になっている。

何でこんなすばらしい記録が残せたのだろうか？
この一番ベースになる理由ははたった一つで「打席に立てたから」なのだ。
どんなに凄い才能を持っている打者でも、打席に立てないことには記録は作れない。

イチローの場合なら、２年間1 軍でほとんど実績のなかった選手をレギュラーとして使う決定をしたオリックスの新任監督の
仰木監督がいたことが、大リーグの首位打者への道が繋がっている。
つまり組織にいる以上は「チャンスをくれる人」がいない限り活躍することは不可能なのだ。

野球の世界で３割打てば強打者と言われるが、２割５分なら並の打者だろう。しかしこの差は１００打数で考えれば
わずか５本のヒットの違いである。
普段の練習で「５本多くヒットを打てる打者」を探し出す監督の眼力は敬服に値する。
しかし一方で多くの第2のイチローが能ナシ監督の下で、活躍の場を与えられないで消えてしまったかもしれない。

これはサラリーマンの世界も同じだ。チャンスがもらえないことにはまったく活躍できない。
いくら実力があっても人事権は自分にはない。人事権を持っている人に「引いて」もらわない限り良いポストにつけない。

逆の見方をすれば「能ナシ上司」は「引いて」もらう能力だけはあることになる。あなたに「引き」がないなら「能ナシ上司」との勝負は目に見えている。

組織で生きるには「引きの力」は不可欠である。