ゴン太の山行記録

首都圏で公共交通機関を使った山歩きをしています

○ 木曽駒ヶ岳日帰り失敗 甲府でホテル泊の巻

2017年08月27日 18時34分54秒 | 中央アルプス

【山行日】 2017年08月19日(土)
      2017年08月20日(日)?

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 06:19 大月  (JR中央線各駅停車)
大月 06:23 - 07:12 甲府  (JR中央線各駅停車)
甲府 07:25 - 08:41 岡谷  (JR中央線各駅停車)
岡谷 08:43 - 09:50 駒ヶ根 (JR飯田線各駅停車)

「バス」
駒ヶ根駅前 10:00 - 10:45 しらび平 (伊那バス 1030円)

「ロープウェイ」
しらび平 11:25 - 11:33 千畳敷 (1210円:往復切符2260円を利用)

「歩行」 
千畳敷駅  11:40 - 12:25 乗越浄土
乗越浄土  13:15 - 13:55 木曽駒ヶ岳
木曽駒ヶ岳 14:05 - 15:05 千畳敷駅

「ロープウェイ」
千畳敷  18:10 - 18:18 しらび平 (雷のため一時間半運休)

「バス」
しらび平 18:20 - 19:07 駒ヶ根駅 (伊那バス 1030円)

「鉄道」
駒ヶ根  19:38 - 20:46 岡谷  (JR飯田線各駅停車)
岡谷   21:40 - 22:18 小淵沢 (JR中央線各駅停車)
小淵沢  22:23 - 23:01 甲府   (JR中央線各駅停車)

甲府ホテル泊

「鉄道」
甲府   09:17 - 10:50 高尾  (JR中央線各駅停車)
高尾   10:51 - 中央線某駅  (JR中央線快速)


 ※本記事は、別ブログの記事の続編になり、主として帰りの最終電車を逃してしまったあとの顛末について綴っています。山行記事につきましては別ブログの記事を参照して下さい。。。



*****



 18:20、運転席横の緑色のデジタル表示が点滅する。絶望的な気分で乗ったバスの運転手さんが、車を走らせながら、足止めのお詫びをマイクでアナウンスし始めた。その話によると、丁度15年前のまさに今頃の季節に、ロープウェイ施設に落雷があり、以来、雷雲が近づくと、安全のためにロープウェイを停止するようになったのだという。そのときは、電源関係が完全にやられてしまって、やむを得ず自家発電での運行となったそうで、自家発電での運行になると、通常片道7分で到着するところ40分以上かかってしまい、最後の乗客を降ろしたのは翌朝の6時だったとの話だった。

 ロープウェイの運転再開までじりじりしながらちょっと思ったのは、運休の発表から運転再開までそれにしても時間がかかりすぎるのでは…、自分の電気の知識では、接地していない以上は感電しないはず(電線にとまっている雀や鳩が感電死しないのは、その鳥が地面には接地していないから)で、乗客が感電死する可能性はまずないのだから、なにも止めてしまわなくてもいいのではないか…ということだったのだが、電源施設の保護のためにあえて運休の措置をとったのだとわかり、なるほどそういうことかと運転手さんの話を聞き、納得した。

 納得しながらも、あの最後の遊歩道の余計な遠回りがなければ、あの乗越でのアクシデントがなかったら、とレバタラを言う気にもなれないほど気分は落ち込み、頭を抱える。どうしよう…。あずさの最終って20時台だと思ったけど、間に合うのか…。ガラケーの私はネットにつなぐことは出来てもYahoo!の路線検索はアクセス自体が出来ず、間に合わないとはっきり判る方がむしろ気が楽だし手の打ちようもある。行きにデジカメで撮った駒ヶ根駅の時刻表も、デジカメのモニターでは、19時~22時に毎時一本ずつ辰野方面行きがあるのは判ってもそれが岡谷行きかどうかも判らないし、何分発かも判読できない。

 駅に着いてみると、次の岡谷行きは19:38発。しかし駅には備え付けの時刻表もなくて、これが果たしてあずさの最終に連絡しているのかこの時点では判らない。それでも、一時間も間隔があかずに出る列車なので、この時点では何とか間に合うのだろうと高をくくっていた。18きっぷで全行程を完了できないだけだとばかり思っていたのである。

 駒ヶ根駅の前にはスーパーがあったので、とりあえずつまみとお酒を仕入れて、電車を待つ。やってきた飯田線の車両は、今度はあの身延線でおなじみのクハ312。同じJR東海だから車両を融通し合っているのかな…などと考えつつ、仕入れたお酒を飲んで、この先の不安を紛らそうと努力(笑)。一本前の電車に乗ってさえいれば、酔いも回って好い気分なのだろうが、逃してしまっているので、気勢も上がらない。

 岡谷駅に着いたのは、20:46。中央線の上りホームは何とも言えない静けさ。18きっぷを見せて、改札を出てみると、備え付けの時刻表があったので、めくってみると…次の中央線の上りは約1時間後の21:40発小淵沢行き。その後の連絡は小淵沢から塩山駅への最終列車。塩山着は23:22。あずさの最終は20:15で30分前にもう出てしまったあとであった。18きっぷで完結できないだけではなくて、今日中には家に帰れない orz。 がっくりするしかなかった。

 家に帰ってから調べてわかったことだが、、駒ヶ根で19時の電車に乗っても20時の電車(20:28)に乗っても結果は同じことで、わかっていれば、バスセンターで降りてこまくさの湯でゆっくり汗を流しても良かったし、駒ヶ根で宿を探して泊まった方が好かったのかも知れない。 また、空席はなかっただろうが、あれば駒ヶ根インターから新宿に向かうバスになら、女体入口バス停で降りれば最終バスに間に合っていたことも判明。どちらも、スマホさえあればロープウェイの運転再開を待つ間に判っていたのだと思うと、もういい加減諦めてあの原始的な携帯電話はやめにした方がいいのかな、などと考えてしまう。

 岡谷駅で1時間ほど時間が余ってしまったので、駅前に見えるホテルに「値段だけでも聞くだけ聞いてみよう」と行ってみたところ、「あいにく満室でございます」とのこと。 ガラケーで繋がるサイトから、甲府の駅前と思われるホテルに何軒か連絡をとってみるも、どこも空室無しの返答。この辺りから、「どうしようか…。STB(ステビ:ステーションビバーク:駅で雑魚寝)しかないのか…ステビするなら甲府しかないよな」と気分はどん底状態。

 21:40発の小淵沢行きに乗り込む頃には、このあと一体どうなっちゃうんだろうか、と他人事にしか出来ない状態。で甲府がダメなら韮崎は?と思ってかけたみたホテルも満室ですとのお返事で、もうステビしかないか…と。この歳で、しかも帰りにステビは気が重い。以前から使っていたテントマットに穴が空いて使い物にならないことにお盆休みに気づいて、折角新しく買ったマットは当然のように家に置いてきた。400gにも満たない軽量コンパクトなスグレモノ。入れようと思えばザックに入らない大きさではなかった。。。この日はいつものツエルトのほか、防寒具・それに念のために手袋まで持ってきて、万が一の時の備えまで万全のつもりだったのだが…。

 22:20重苦しい気分で小淵沢で乗り換え。小淵沢で22時なんて、絶対家に帰れっこない時間じゃん。いい年してアホなことやっているよな…と自嘲しか出来ない状態。この先どうなるんだいったい。自虐的に楽しみにするしかないよな、と、こうなるとほぼやけくそに近い気持ちになる。なるようにしかならないのだから悩んでもしょうがないと気持ちを切り替える。

 日野春、穴山、韮崎と馴染みのある駅に停車しては発車する列車の中で、乗越浄土からの下りで遇ったとても感じのいいカップルのことを何故か思い出す。美男美女というのではないけれど、ああ、この二人はきっとうまくいくんだろうなと感じた。あのとき、自分にも一緒に山を歩いてくれる女性がいたりしたら、今日のこの山行は申し分なく楽しい思い出になるだろうに…とふと思ったりしたものだが、こんな風になってみると、一人で良かったよまったく…などと思い直す。

 塩山まで行っても宿はないだろうし、あそこでステビしたら追い出される可能性もあるかな…ということで、甲府で18きっぷを見せて下車。 23時過ぎの甲府駅。外はものすごい雨。何軒か駅から見えるホテルをネットで検索してTELするも、やはり満室。ステビできそうな場所には、すでにシートを敷いている人たちの姿もあり、観念してSTBするしかないかとほぼ諦めかけたが、やはり50を過ぎたエルダーのやることではないし、何よりお風呂に入りたい…。幸いにも万一の場合に備えて小屋泊まりのお金は持ってきているので、駅から離れたところでも…と再度ネット検索して電話してみると、駅からタクシーで千円以上かかるけれど、禁煙のセミダブルのお部屋がご用意できます、というお返事。

 混雑した山小屋に泊まるよりは良かったと思えばいい…。これも授業料ということで、今後の公共交通機関山行の糧にすればいいんだ、と電話しながらふらふらとタクシーに乗り込み、土砂降りで道路が冠水した中を走ってもらって、チェックイン。

 ホテルに着くとあれほど激しく降っていた雨はウソのようにやんでいて、濡れることもなく受付フロントへ。大浴場にも入れるが、23:30までとのことで、部屋備え付けのバスタブに浸かって、「あ~こんなことってあるんだな~」と独り言を言いながら足を伸ばして、無事宿も見つかった安心感でホッとひと息。寝間着に着替え、ホテル備え付けの自販機で購入したビールをグイグイとあおりつつ、父の遺品のザックに語りかける。

 こんなこともあるんだね。でもとにかく無事に山から帰って来られたし、久々にいい夏山の景色だったよ。あの稜線とか… ま、これからも山行きは気ぃつけち行かんとわりぃっちことやの。 と、最後はほとんど大分弁で話しかけ、電気を消して横になった。


☆☆☆


 さすがにホテルという安心感もあってか、空調の良さも手伝ってか、普段自分の家でとるより良質な睡眠が得られたようで、翌日は6時過ぎと6時間も眠っていないのにすっきり目覚め、身体の調子も少々の筋肉痛を除いては快調そのもの。チェックインの時に申し込んだ朝食も美味しく好きなだけ食べられてかなり満足な宿泊となった。

 そういえば、前回ホテルに泊まったのって、北アルプスに行こうと富山に泊まったときだったと思い出す。あのときは天気予報がすべて雨マークにひっくり返ってしまったのと当日朝の体調もあまり良くなくて、そのまま帰ってしまったのだった。今日だったら、これからどこか軽くひと山登っても好さそうなぐらい体調は良いのだけれど、掃除や洗濯などやらなきゃならない家事が山積しているし、買い物にも行かないと冷蔵庫の中もほとんど空っぽに近い…。

 前日フロントで聞いた通り、甲府駅へ行くバスは朝一番が8時台で、次は11時近くになってしまう。8時のバスに間に合うようにチェックアウトの手続きをして、バス停に向かう。バス停はホテルから1分もかからないぐらい近くにあるとフロントの人は言っていたが、それは普段からバスなど利用せずに車で移動している人の言うことらしく、歩けば5分ぐらいかかった。1分もかからないというのは車で走ったときの感覚ではあまりに短いので、歩いてもそのぐらいと勘違いしてしまうのだろう。

 そのあたりは見越して早めに出たし、こういうバスの例にもれず、バス停の時刻表に書いてある通過予定時刻から5分ほど遅れてやってきた。乗客は思った通り地元のお年寄りがほとんど。席がすべて埋まることはなく甲府駅に到着。到着前にちょうど09:00発車前の広河原行きバスに乗り込む登山客の姿が見えて、さすがにこの天候で日曜日発の乗客は少なかったものの、二台出るようで、南アの根強い人気には感心してしまう。

 甲府駅で上り電車の時刻を見てみると、09:10のスーパーあずさのすぐあとに普通列車09:17の高尾行きがあるとわかり、さすがにこの時間なので、お酒はやめてアクエリアスを購入して乗り込む。しかし、高尾行きと思って乗り込んだ車両はなんと韮崎行き!!! スーパーあずさが出たあと入線してきた向かいホームの列車に「高尾行き」の方向巻を見つけるまで、気づかなかった。

 この日この時間の韮崎行きは、いつも甲府から鈍行の上り電車が出るホームだったので、行き先も確かめずにふらふらと乗り込んでしまったのだが、それにしても、危なかった。 あやうく逆方向へ連れて行かれ、竜王で上り電車を待つのには相当長い時間つぶしをしなければならないところだった。高尾行きに慌てて乗り込み、すぐに発車した韮崎行きの車両を見ながら、3両編成なのに気づかなかったうかつさに呆れるほかなかった。

 高尾行きはいつもどおりの6両編成で、途中予想どおり甲斐大和で特急の通過待ちがあったが、その後は四方津でも相模湖でも通過待ちはなく、高尾駅には11時前の到着。高尾で乗り換えて中央線の某駅で降車。とんかつが食べたくなって、駅近くのとんかつ屋でカツ丼とビールで〆にしてからのんびりと家路についた。