劇団蒲団座blog

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一瞬だった2年間~昔語り~

2017-03-05 16:36:09 | 【迷子の部屋】稽古日誌
どうも西村です。
今更ですが劇団蒲団座卒業公演「迷子の部屋」にご来場いただきました皆様、ご来場ありがとうございました。公演は楽しんでいただけましたでしょうか?僕を含め、役者・オペともにこれ以上にないほど楽しんで爆発して、最高のお時間を過ごすことができたと思っております。

さて、本ブログを昔からご愛読していただいている方々からすると「あれ?西村って結構最近入団したんじゃないの?」「なんで卒業??」と疑問に思っておられると思います。そうです、中途入団したんです。そのため在籍期間は2年しかありませんでした(笑)
無事卒業通知も来ましたし、来月からは社会人です。

劇団蒲団座に入団するきっかけを話していこうと思います。
あれは確か2年前の2月か3月だったと思います。蒲団座の爆発系エースの鳥居雄太から飲みに行こうと誘われました。これが全ての始まりです(先に言っておきます後悔は一切していないです)。
当時の僕は部活・サークル、どこにも属しておらず、典型的な無気力大学生でした。バイト終わりに地元の沖縄料理を提供しているお気に入りの居酒屋で日ごろの愚痴やこれからの学生生活について談笑していると、突如鳥居雄太が話を切り替えました 「西村君、蒲団座入ろーや」 「こいつは何を言っているんだ」と思いましたね、だって当時の僕は2回生、来月からは3回生です、入るには遅すぎる気がしますし、何より周りがそれを受け入れてくれるのかといった恐怖を感じました。
そんな僕の心境を知ってか知らずか話は進み、蒲団座に「もし」入ったらという仮定で話が進んでいきました。僕は「「もし」蒲団座に入ったとしたら裏方をしたい、役者には向いてないから裏方としてだけなら入ってもいいぞ」と言いました。そうです、「もし」です、これはあくまで僕の中では仮の話だったのです。
しかしまぁ、お酒の力って凄いですよね(笑)その日のうちに蒲団座の稽古見学の日程まで決められ、初の稽古見学以降、ほぼ全ての新歓期間の稽古に参加していました(笑)
初めて参加した時の衝撃は凄まじかったですよ、これは今まで生活してきた世界とは全くの別物だと思いましたからね、男性陣が異質な空間をクリエイトしていました。今では慣れたもんですけど、当時はだいぶ引きましたね、うん。

僕の初公演は「夏いさを」だったのですがこれがまた酷い話で、なんと役者をしました。ここまで読んできた皆さんならわかりますよね、この矛盾に。裏方しかしないと約束をして入団したにもかかわらず、「役者」です。
その日はレパ選をしていました。新入生もいるからということで難易度の低いレパにしようということで決まったのですが、なんとこの公演、鳥居が演出だったんですよね。短編集だったのでいくつかの話を集めての公演になったのですが、話を集めると当然のことながら役者も増えます。そこで鳥居の口が開きました。 「西村君、役者するやろ?」 「????????」もう僕の頭の中はパニックです。周りの皆も「え!?西村さん役者してくれるの!?」とか期待値上昇してるし、その当時は皆の名前と顔も一致してないし断れないしで泣く泣く了承したのを覚えてます。

稽古期間は初めての役者で右も左も分からず、みんなの名前もあやふやで緊張しまくりで稽古に行くのが正直嫌でした。ウォーミングアップの声出しもよく分からないし、セリフも覚えないといけないし、覚えたと思ったら動きがどうのこうの、それは違うだの動きが弱いだの、まじでぶん殴ってやろうかと思ったこともありましたけど何とか抑えれてよかったです。(「迷子の部屋」でしばけたんで良しとします。)
でも「夏いさを」楽しかったですよ、みんなで一つのものを作り上げていく感じはたまらないですよね、ここだけの話なんですけど、僕、公演の1stが一番涙腺緩むんですよ、無事に形になったんだとか今日までの苦楽を思い出すと涙が出てくるんですよね、気合い入れの時なんて声でないですよ、気が早いんですけどね(笑)

その後もなんだかんだで演劇祭にも参加しましたし(黒子トランスポーター)、引退公演は実習がもろ被りだったんで統制として参加して(初統制)、そして卒業公演ではまた役者...
「迷子の部屋」では役者が嫌だと思ってなかったのが不思議で仕方がないんですよね。なんだかんだで好きだったのかな、役者として舞台で演じることが。
僕はよくポーカーフェイスだとか落ち着いているとか言われるんですけど、本当はそうじゃないんですよ、表現の仕方がわからないんですよね、自分では笑っているつもりでも相手にはそれが伝わってないことってあるじゃないですか、あれですよあれ、ずっとその状態なんですよね。
でも役者として演技指導を受けているときってみんなに見られてるわけだから表情とかってよく指摘されるんですよ、それに蒲団座って個性の塊といっても過言ではない場所なので、ある意味自分が嫌いだった自分も個性として受け入れることができたんですよね。しがらみが溶けて今では自分の個性を受け入れすぎてそれが嫌だといわれることもありますが、それはそれです。これからは自分の個性を大事にしていきます。

なんかネガティブなことばかり書いてる気がするんですけど、僕の人生にとって、確実にプラスに働いているということだけは言っておきます。蒲団座に入ったことは間違いではなかったし、盛大な勘違いで役者をやらされたことも間違いではなかったし、皆と過ごした時間も、作り上げてきた作品も、それに費やした時間も、何一つ無駄なものはなかったと自信を持って言えます。
思い出話をしていると延々に終わりそうにないので最後に一言
 蒲団座に、団員皆に出会えてよかった、今までありがとう、これからもよろしく。

長々と昔語りに付き合ってくださりありがとうございます。
それではまた機会があれば。。。

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