Duke MBA 日本人ブログ

Duke University - Fuqua School of Business(非公式)

GATE Cuba/Panama 体験記 (2/4) – 授業と旅程その1-ワシントンD.C.

2016-06-15 05:58:00 | 課外活動

 

今回は、GATE Cuba/Panama体験記の2回目をお送りします。
 早速ですが、GATEでは1タームかけてその国のことを学んだ上で、休暇中に現地を訪問します。では、どうやって「学ぶ」かと言えば、教授ごとにスタイルが異なりますが、Cuba/Panamaでは、教授が紹介する記事等のリーディング、ゲストスピーカーの講演、及び学生一人一人のプレゼンテーションとペーパー提出を通じて知識を深めました。Cuba/Panama及びBrazilはAmbassador Patrick Duddy氏が教授を務めています。彼はその名のとおり外交官・大使であり、パナマ・ブラジル・ベネズエラ等に調査官・大使として赴任した経験のある、人脈・経験ともに豊富な実務家です。また、65歳という年齢にもかかわらずとても情熱的で、人間としての魅力にあふれています。(最近では危機にあるベネズエラの状況について、メディアから取材を受けてもいます:http://www.foxbusiness.com/features/2016/05/25/amb-duddy-situation-in-venezuela-is-unraveling-before-our-eyes.html)
 そんな彼のおかげで、授業はとても濃い内容になりました。まず、全6回しかない授業にもかかわらず、ゲストスピーカーが6人訪れました(一回に2人訪れた回も)。またそのバックグラウンドも様々で、テレビ番組の取材のため最近キューバの首都ハバナを訪れたキューバ系アメリカ人や、キューバにてトラクターの製造業を立ち上げた起業家、また世界銀行系列の投資会社にてラテン・アメリカに対する投資戦略を検討しているマネージャー等、多岐にわたりました。彼らはもちろん彼ら自身の目線でキューバ・パナマを捉え、その現状や見通しについて話をしてくれましたので、それだけでも経済・外交・政治・歴史が複雑に絡み合う構造の一端に触れることができました。私個人としては、テレビレポーターの方が言っていた「キューバにいる間は常に監視されていた。監視されているのは(レポーターである)私だけではなく、市民もそうだった」という点が、正直に言うと想像が及ばず、特に記憶に残っていました(実際に現地に入ってから、この点は腹落ちします。これも後述します)。
 また、学生自身も実際にテーマを決めて調べることで、それぞれに理解を深めました。全員がそれをプレゼンテーションの形でクラスにて共有しましたので、幅広い分野についての知識を得ることができました。以下に一例を紹介します。
<キューバ>
●キューバ革命
●移民の状況と米国の対キューバ移民政策
●インターネットの普及状況
●自動車
●食文化
<パナマ>
●パナマ運河拡張計画
●パナマにおけるcorruption(汚職、賄賂)の状況
●FDI(Foreign Direct Investment: 外国直接投資)
 私自身もパナマ運河拡張計画について情報収集・プレゼンテーションを行いました。ご存知の通りパナマ運河は太平洋と大西洋をつなぐ物流上の要衝ですが、建造から100年以上が経過しています。その結果、拡大の一途をたどる輸送船の規模や運河通過の需要に対して、運河のサイズ・キャパシティが追いついておらず、その拡張が急務となっています。産業の多くを運河に頼る同国にとって、その拡張は国家の一大プロジェクトであり、今後の発展においても鍵となるでしょう。
 さて、これらを経て実際に現地に向かいます!最初に、旅程は以下のようになりました。
 5月6日:ワシントンD.C.
 5月7日〜13日:キューバ(ハバナ、バラデロ)
 5月14日〜18日:パナマ(パナマシティ) 
 これから、それぞれの日程で何をしたか、どういったことを学んだかについて詳述していきます(やっとですが、今しばらくお付き合いください笑)。
 D.C.では、在米パナマ大使館勤務の経済調査官、米国国務省でのキューバ担当者、米国商工会議所の中南米担当者からお話を聞きました。講義においては「アメリカから見たキューバ・パナマ」の観点に偏りがちでしたが、今回パナマ大使館勤務の調査官から話を伺ったことで、「パナマ人から見たパナマの将来見通し」の観点が増えました。やはり後者の方が楽観的に思えたことが印象的でした(立場上ということもありますが、やはり気質も関係しているのでしょうか…?)。また、国務省担当者からは、米国・キューバの国交及び禁輸の解除について、改めてそれらの手続き的違い(外交は大統領の裁量だが、禁輸は法によるものなのでその撤廃には議会の承認が必要)、大統領が交代した後での見通しを伺えたことはとても貴重でした。
 また、D.C.においては自由時間もありましたので、各々お互いに交流を深めました。私はインド人同級生と市内散策に出かけ、歩きながらお互いの価値観や将来についてゆっくり話す時間を持てたことがとても有意義でした。彼はグループの公式なリーダーではないながらも、折々に自然にリーダーシップを発揮していました。そのコミュニケーション力・グループをまとめる力については、尊敬すると同時に真似したいと思えるものであり、そういった友人と出会えたことは、このGATEでの財産の一つとなりました。
次回はキューバ編をお送りします!