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環境を考える
政府、COP19で新目標表明-温室効果ガス3.8%減
政府は2020年度に温室効果ガスを05年度比3・8%削減する新目標を決めた。
新目標は原子力発電による温室効果ガスの削減効果を含まずに、エネルギー効率の20%改善を目指す。経済成長を年2%で試算。3・8%削減の内訳として、1%分は省エネ推進や再生可能エネルギーの導入拡大のほか、2国間クレジット制度の推進など。2・8%分で森林吸収による温室効果ガス削減を見込む。
2013年11月18日 日刊工業新聞http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520131118abaf.html
日本政府が2020年度の温室効果ガスの新目標を決めたとの報道。政府や環境省などの公式な発表がないので詳細が分かりませんが、この目標値では京都議定書の基準年の排出量からは増加となり、各方面から批判を浴びているようです。
温室効果ガス、日本は2005年比3.8%減 「深く失望」「決定見直せ」海外から非難集中
http://www.j-cast.com/2013/11/19189212.html?p=all
COP19 日本の新目標に批判相次ぐ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131116/k10013104651000.html
では、この数値がどのようなものなのか。グラフを作ってみました。
出典:温室効果ガスインベントリオフィス
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html
日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2012年度速報値 xls)
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/data/2013/L5-6gas_preliminary_2014-gioweb_J1.0.xls

(クリックで大きく見られます)
代替フロン等3ガス(HFCs、PFCs、SF6)の基準年は1995年になっており、排出量のデータがありません。このため、1990年から1994年の排出量については1995年のHFCs、PFCs、SF6の排出量の値を加えています。
京都議定書の基準年の排出量は12億6100万t(co2換算)。京都議定書の第一約束期間(2008~2012年)の目標は基準年比6%の削減で目標値は11億8600万t。しかし、2012年度の排出量は13億4,100万tで基準年比6.3%増となりました。5カ年平均も12億7,900万tで基準年比1.4%増。(ただし、森林吸収と排出枠購入分を合わせると目標達成の見込みと)
2012 年度(平成24 年度)の温室効果ガス排出量(速報値)<概要>
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=23357&hou_id=17394
今回、日本政府が2020年の目標として提案しているのは、2005年比3.8%減。2005年の排出量は13億5100万tで、2012年(13億4100万t)とほぼ同等。2005年の3.8%減の場合、排出量は約13億tとなり京都議定書の基準年よりも約3900万t、3%増加することになります。
実質、京都議定書の基準年よりも排出量が増加するということで、批判は免れないと思います。今後の交渉も気になるところですが、まずはどのようにこの目標を定めたのか。前提となる原発の稼働率や再エネの普及、エネルギー消費量などの公表希望です。
関連ページ
国立環境研究所・温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)
http://www-gio.nies.go.jp/index-j.html
環境省・日本の温室効果ガス排出量の算定結果
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/index.html
当ブログカテゴリー 温暖化・CO2
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/c/3074d509d61fa85006c816237008e7fe
2013年11月20日
新目標は原子力発電による温室効果ガスの削減効果を含まずに、エネルギー効率の20%改善を目指す。経済成長を年2%で試算。3・8%削減の内訳として、1%分は省エネ推進や再生可能エネルギーの導入拡大のほか、2国間クレジット制度の推進など。2・8%分で森林吸収による温室効果ガス削減を見込む。
2013年11月18日 日刊工業新聞http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520131118abaf.html
日本政府が2020年度の温室効果ガスの新目標を決めたとの報道。政府や環境省などの公式な発表がないので詳細が分かりませんが、この目標値では京都議定書の基準年の排出量からは増加となり、各方面から批判を浴びているようです。
温室効果ガス、日本は2005年比3.8%減 「深く失望」「決定見直せ」海外から非難集中
http://www.j-cast.com/2013/11/19189212.html?p=all
COP19 日本の新目標に批判相次ぐ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131116/k10013104651000.html
では、この数値がどのようなものなのか。グラフを作ってみました。
出典:温室効果ガスインベントリオフィス
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html
日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2012年度速報値 xls)
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/data/2013/L5-6gas_preliminary_2014-gioweb_J1.0.xls

(クリックで大きく見られます)
代替フロン等3ガス(HFCs、PFCs、SF6)の基準年は1995年になっており、排出量のデータがありません。このため、1990年から1994年の排出量については1995年のHFCs、PFCs、SF6の排出量の値を加えています。
京都議定書の基準年の排出量は12億6100万t(co2換算)。京都議定書の第一約束期間(2008~2012年)の目標は基準年比6%の削減で目標値は11億8600万t。しかし、2012年度の排出量は13億4,100万tで基準年比6.3%増となりました。5カ年平均も12億7,900万tで基準年比1.4%増。(ただし、森林吸収と排出枠購入分を合わせると目標達成の見込みと)
2012 年度(平成24 年度)の温室効果ガス排出量(速報値)<概要>
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=23357&hou_id=17394
今回、日本政府が2020年の目標として提案しているのは、2005年比3.8%減。2005年の排出量は13億5100万tで、2012年(13億4100万t)とほぼ同等。2005年の3.8%減の場合、排出量は約13億tとなり京都議定書の基準年よりも約3900万t、3%増加することになります。
実質、京都議定書の基準年よりも排出量が増加するということで、批判は免れないと思います。今後の交渉も気になるところですが、まずはどのようにこの目標を定めたのか。前提となる原発の稼働率や再エネの普及、エネルギー消費量などの公表希望です。
関連ページ
国立環境研究所・温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)
http://www-gio.nies.go.jp/index-j.html
環境省・日本の温室効果ガス排出量の算定結果
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/index.html
当ブログカテゴリー 温暖化・CO2
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/c/3074d509d61fa85006c816237008e7fe
2013年11月20日
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« 再エネ固定価... | 2012年度のCO2... » |
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2003D_Q3A121C1PP8000/
報道記事には原発再稼動は入っていないとの記載がありますが、政府や環境省が出した公式な資料を確認したいと思っています。
今のところ、公式な資料は見つかっていません。もし、ご存知でしたらお知らせください。