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環境を考える
つくば市 回らない風力発電について その3
つくば市の風力発電問題について
いろいろと報道され、注目を集めてきています。過去2回、このブログに関連記事を
書きましたが、その後もいろいろ調べてみました。
まず、風車自体について。
日本工業大学のホームページによると、1980年から1986年度に秋田県で同型風車で
実稼動実験を行っている。
http://leo.nit.ac.jp/~tanzawa/Research/fuusha.html
風車自体は20年以上前から研究されており、私は「風車に罪はない」に一票。
ただ、憶測ですが、この風車は、早稲田大学と日本工業大学の共同研究と言われて
いるが、実際は日本工業大学が主体で開発されていたのではないかと思う。
早稲田大学側がこの風車に深く関わるようになったのは、早稲田にいた丹沢氏が
日本工業大学に移った1997年からでは?
関連論文も、1987年に1つあるだけで次は1995年に1つ。その後1997年からは複数ある。
橋詰教授自体専門は制御系のようなので、早稲田大学側は実用に向けての振動抑制、
制御が担当であったのではないかと思う。ただ、これは未確認なので憶測の範囲。
次にイーアンドイー社について
イーアンドイーは早稲田大学TLOとして、3つの技術移転がされたとしているが、
これらはいずれも現状では使われていない。
出願特許を見ても、実際に関係があるのは、「ブレーキ装置」と「ダリウスロータ
及びそれを用いた風力発電装置」の2件。これは、早稲田大学の名前は入っておらず、
イーアンドイーと橋詰教授で出願している。しかも、全て審査は未請求。
イーアンドイー社と橋詰教授の関係では、もともとこの会社は橋詰教授の知人が設立
したらしい。
http://tlo.wul.waseda.ac.jp/TRANSFER/0001.html?SanGakuKan_Session=069aa039047c9483e46f2bc5d8d436d4
この記事によると、橋詰教授自身が経営陣もしくは出資者になっているように思う。
教授自身と会社との関連があまりに強い。
つくば市と早稲田大学、橋詰教授の関係について
「風力発電と子育て日記」にコメントを寄せられた方からの情報によると、つくば市で
この計画を言い出したのは助役らしい。略歴はこちら。
この助役は2002年(H14)12月に就任。前職は財団法人 国際科学振興財団の理事。
国際科学振興財団は文部科学省所管の特定法人。この財団の評議員に橋詰教授の
名前もある。(共同研究の日本工業大学教授も入っているが関係は不明)
つくば市では、もともと大型の風力発電を計画していたが、断念。
(H12 NEDO風力発電フィールドテスト事業 (風況精査)済み )
この為、風車がある程度風がないと回らないこと。風況調査が必要なことなど風車に
対する基礎知識はあったはず。市議会議事録によると、H15年9月に議員が小型の風力
発電を設置してはどうか。という質問に対し、消極的な答えをしている。
それが、H16年3月になると、浄化施設に風力発電を設置する計画が浮上。市長の冒頭
演説でも述べている。この時の市長の答弁では5Kwで500万円程度。6kwの機種を設置
予定としている。(この後この計画がどうなったかは不明)
H16/9にはまほろば事業計画が登場。
9/7設置場所の風況調査等はするのか、採算性はどのように試算したか との議員の
質問に対し、市民環境部長は「風況調査を実施した上で設置をしてまいります」と回答。
さらには、「環境学習推進のための教材として、数字では表現できませんが大変意義
深い効果が得られるものと認識をしております」との回答も。
この状況からして、まほろば事業はH16の半ばになって急に出てきており、大した調査
などせずに環境省の事業に応募した可能性が高い。環境省「環境と経済の好循環の
まちモデル事業」自体、H16年から実施なのでしょうがないのかもしれないが。。。
このように、確かに助役就任から急に小型風力発電設置の動きが出てきている。ただ、
就任一年目で助役がそんなに強い権限を発揮できるものでしょうか?裏にはもっと他に
関わっている人物がいるのでは?
つくば市では、もともと風力発電の計画があっただけに、風況調査等に詳しい職員が
いたはずで、今回の風車が計画通りに発電しないということは、分かっていたのでは
ないかと考えられる。なぜ、早稲田大学に1750万円も渡したのか?
さらには、イーアンドイーの設立は2002年4月。助役就任は2002年12月。
2004年に環境省のこの事業、文部科学省でもエコスクール事業がスタート。タイミング
が非常に良い。行政の補助事業とその決定方法に問題はなかったのか?財団や関係
会社に天下り、口利き行為等はなかったか?
つくば市、早稲田大学、関係会社、地元の建設業者等に利益供与はなかったか?
ここにきて、問題は複雑になってきた。
3/20更新 旧暦では2月22日です。
参照
nedo つくば市における風力発電フィールドテスト事業(風況精査) 報告書【茨城県つくば市】
http://www.tech.nedo.go.jp/servlet/TopPageServlet?KENSAKU=HOKOKUSYO&kensakuHoho=Barcode_Kensaku&db=n&SERCHBARCODE=010020172
つくば市 行政資料ダウンロード 議会資料
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dl/summary.php?a=listview&category=%B5%C4%B2%F1%BB%F1%CE%C1
関連記事
「回らない」風力発電で監査請求 揺らぐ“理想の事業” /茨城
つくば市の風力発電を考える その2
いろいろと報道され、注目を集めてきています。過去2回、このブログに関連記事を
書きましたが、その後もいろいろ調べてみました。
まず、風車自体について。
日本工業大学のホームページによると、1980年から1986年度に秋田県で同型風車で
実稼動実験を行っている。
http://leo.nit.ac.jp/~tanzawa/Research/fuusha.html
風車自体は20年以上前から研究されており、私は「風車に罪はない」に一票。
ただ、憶測ですが、この風車は、早稲田大学と日本工業大学の共同研究と言われて
いるが、実際は日本工業大学が主体で開発されていたのではないかと思う。
早稲田大学側がこの風車に深く関わるようになったのは、早稲田にいた丹沢氏が
日本工業大学に移った1997年からでは?
関連論文も、1987年に1つあるだけで次は1995年に1つ。その後1997年からは複数ある。
橋詰教授自体専門は制御系のようなので、早稲田大学側は実用に向けての振動抑制、
制御が担当であったのではないかと思う。ただ、これは未確認なので憶測の範囲。
次にイーアンドイー社について
イーアンドイーは早稲田大学TLOとして、3つの技術移転がされたとしているが、
これらはいずれも現状では使われていない。
出願特許を見ても、実際に関係があるのは、「ブレーキ装置」と「ダリウスロータ
及びそれを用いた風力発電装置」の2件。これは、早稲田大学の名前は入っておらず、
イーアンドイーと橋詰教授で出願している。しかも、全て審査は未請求。
イーアンドイー社と橋詰教授の関係では、もともとこの会社は橋詰教授の知人が設立
したらしい。
http://tlo.wul.waseda.ac.jp/TRANSFER/0001.html?SanGakuKan_Session=069aa039047c9483e46f2bc5d8d436d4
この記事によると、橋詰教授自身が経営陣もしくは出資者になっているように思う。
教授自身と会社との関連があまりに強い。
つくば市と早稲田大学、橋詰教授の関係について
「風力発電と子育て日記」にコメントを寄せられた方からの情報によると、つくば市で
この計画を言い出したのは助役らしい。略歴はこちら。
この助役は2002年(H14)12月に就任。前職は財団法人 国際科学振興財団の理事。
国際科学振興財団は文部科学省所管の特定法人。この財団の評議員に橋詰教授の
名前もある。(共同研究の日本工業大学教授も入っているが関係は不明)
つくば市では、もともと大型の風力発電を計画していたが、断念。
(H12 NEDO風力発電フィールドテスト事業 (風況精査)済み )
この為、風車がある程度風がないと回らないこと。風況調査が必要なことなど風車に
対する基礎知識はあったはず。市議会議事録によると、H15年9月に議員が小型の風力
発電を設置してはどうか。という質問に対し、消極的な答えをしている。
それが、H16年3月になると、浄化施設に風力発電を設置する計画が浮上。市長の冒頭
演説でも述べている。この時の市長の答弁では5Kwで500万円程度。6kwの機種を設置
予定としている。(この後この計画がどうなったかは不明)
H16/9にはまほろば事業計画が登場。
9/7設置場所の風況調査等はするのか、採算性はどのように試算したか との議員の
質問に対し、市民環境部長は「風況調査を実施した上で設置をしてまいります」と回答。
さらには、「環境学習推進のための教材として、数字では表現できませんが大変意義
深い効果が得られるものと認識をしております」との回答も。
この状況からして、まほろば事業はH16の半ばになって急に出てきており、大した調査
などせずに環境省の事業に応募した可能性が高い。環境省「環境と経済の好循環の
まちモデル事業」自体、H16年から実施なのでしょうがないのかもしれないが。。。
このように、確かに助役就任から急に小型風力発電設置の動きが出てきている。ただ、
就任一年目で助役がそんなに強い権限を発揮できるものでしょうか?裏にはもっと他に
関わっている人物がいるのでは?
つくば市では、もともと風力発電の計画があっただけに、風況調査等に詳しい職員が
いたはずで、今回の風車が計画通りに発電しないということは、分かっていたのでは
ないかと考えられる。なぜ、早稲田大学に1750万円も渡したのか?
さらには、イーアンドイーの設立は2002年4月。助役就任は2002年12月。
2004年に環境省のこの事業、文部科学省でもエコスクール事業がスタート。タイミング
が非常に良い。行政の補助事業とその決定方法に問題はなかったのか?財団や関係
会社に天下り、口利き行為等はなかったか?
つくば市、早稲田大学、関係会社、地元の建設業者等に利益供与はなかったか?
ここにきて、問題は複雑になってきた。
3/20更新 旧暦では2月22日です。
参照
nedo つくば市における風力発電フィールドテスト事業(風況精査) 報告書【茨城県つくば市】
http://www.tech.nedo.go.jp/servlet/TopPageServlet?KENSAKU=HOKOKUSYO&kensakuHoho=Barcode_Kensaku&db=n&SERCHBARCODE=010020172
つくば市 行政資料ダウンロード 議会資料
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dl/summary.php?a=listview&category=%B5%C4%B2%F1%BB%F1%CE%C1
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コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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私の根拠の無い思いつき書きなぐりブログと違い、すばらしく整理された内容で非常に参考になりました。
自民党職員あがりの助役と橋詰教授はどの程度の関係なのでしょうか。
なんにせよ環境教育を隠れ蓑にこんなことが行われていたとは許せません。
つくば市は債務不履行で早稲田大学を訴えるようですが、取り下げや和解の可能性もあるそうです。適当に手打ちをして、結局肝心なことはうやむやなんていうことにはなって欲しくないです。
「風車と子育て」ブログを参考にさせてもらいました。お誉めいただいて嬉しいです(^^)
この問題は、つくば市VS早稲田とか、つくば市が一方的にだまされたというのではなく、どちらにも何らかの利益になる話だったのだと思います。
裁判もあまりあてにならず、頼りは市民団体と検察でしょうか。どちらにしろ、真相を明らかにして欲しいと思います。
これはもう風車がどうのという問題ではないような気がします。従来からの公共工事の問題、業者、行政の癒着、補助事業のあり方など政治的になってきているようです。環境の名を借りた無駄な公共事業がこれから増えるかもしれません。
それを阻止すべく、真相究明しなければならないと思います。(ちょっと力が入りすぎ?)
私は自称風力ファンですが、明らかにこの事件は犯罪だと感じています。誰が悪いじゃなくて、みんな悪い、そう感じています。一言で言えば「環境詐欺」です。この問題は、より多くの人に、「より正確に」伝えていくことが重要だと思っています。
実際に、つくばの風車はいんちき?=風力発電はいんちき?となってしまう可能性も十分あります。特に小型風力発電のイメージ低下は深刻なものがあるような気がします。事実を正確につたえ、まず、これが事実上犯罪行為である事、と、きちんと技術・経験を積み重ねてきた風力発電事業は全く違うということを伝えていく必要性を感じています
>誰が悪いじゃなくて、みんな悪い
私もそう思います。つくば市、早稲田大学だけではなく、環境省も悪いし、利益ばかり考える業者も悪い。更に言えば、予算の使い方に無頓着だった私たち一般市民(納税者)も悪いと思います。
環境省は随意契約の問題なども指摘されていますね。
「環境」の名前を使っていい加減なことをしていたといことで騙されたような気分です。きちんと事実を把握することが第一だと思います。
(私も風車好きなので、風車の印象が悪くなるのは非常に悲しいですが。。。)