越前がにの甲羅に付いている黒い粒々、これは甲羅を産卵場所に利用している「カニビル」という「ヒル」の仲間の卵だという。見た目は良くないが、甲羅に「カニビルの卵」がたくさん付いているほど脱皮後の時間が経っており、カニの身入りがよく上質で美味しいらしい。
美味しいカニを買うなら、「カニビルの卵」が付いたものを選ぶとよい。(店によっては洗い落としてしまうところもあるが) ちなみに北海道産や他県のものにはほとんど付いていない。
カニの甲羅に産卵する理由は、カニビルが生息する海底が柔らかい泥で、産卵に適する場所がカニの甲羅しかないからだという。カニは産卵に利用するだけで、カニに寄生するわけではない。なお、カニビルが日本海に生息していることから、カニビルの卵の付着の有無で国産のズワイガニかどうか見分けることができるという。
他に美味しいカニを選ぶためのチェックポイント、その極意を披露しよう。
1.腹側を見せてある物を選ぶこと。観光地や一部のお店では甲羅を上に向けて並べてあるのをよく目にする。見た目はきれいに見えるが、甲羅が上になっていると中のミソが身の中に流れ込んでしまい、せっかくのミソが台無しになってしまう。
2.腹の白くなっているところをチェックすること。よく見ると身入りが悪いか、身が詰まっているかがわかる。
3.同じ大きさのカニでもそれぞれ身入りの状態が違う。手で持ってみて重い方を選ぶこと。甲羅の大きさに惑わされてはいけない。
4.カニを手で持ち、最も軟らかい部分である腹を押してみて、より硬いカニを選ぶこと。柔らかいカニは、脱皮してあまり時間がたっていないカニなので身入りが少ない。また、持ったときに体液が出ていない、生臭くないカニを選ぶこと。
5.ハサミの大きなものは最終的な脱皮を終えた雄なので、ハサミの大きなカニを選ぶこと。
6.カニの指の付け根や甲羅の表面を触ってみて、もしヌメリを感じたらそれは蟹が古くなっている証拠。
これからのカニシーズン、美味しいカニを食べたいのなら、チェックポイントを頭に入れてから出かけよう!