加東市議会議員・藤尾潔の出る杭日記

出ない杭は地面で腐食します。杭を打つ手も結構しびれているはず。
打たれないような杭では使い物になりません。

官僚

2007-08-01 09:53:49 | Weblog
 昨日は知人の社民党の市議が「官僚を呼んで公立病院の問題について勉強会をするので、参加しないか。」と声をかけてくれたので行ってきました。
 場所は衆議院の議員会館だったのだが、その市議が「あ、枝野さんだ」と言ったので「え、枝野さん?どこ?どこ?あ、え、枝野さんだー!松原仁もいるぞ!」とはしゃいでしまったが…後から考えると社民党には非常に失礼な言動でしたね。
 民主党の議員の会合を別室でやっているようでしたが、勢い満開でした。

 その後、厚生労働省と総務省の係長クラスの官僚が来ていろいろ説明をしてもらった。まず厚生労働省は「我々が医療費抑制政策を取っているので、医療費の伸びが抑えられているのです。そのまま放置しておけば年間1兆円ずつ伸びる計算になります」と話を切り出し、「現在厚生労働省としては医療費の伸びの原因を、医療の必要がないのに長期入院されている方によるものが50%、生活習慣病によるものが50%と考えています。
「平17年の中医協のデータによりますと、療養型病床におられる方の50%は実は医療の必要がないとされています。これらの方に老健、在宅などに移っていただくことにより、医療費の削減につながると考えています。」
 復習のようなものですが、ライブで聞くとあそこを50%触れば、こっちで何%下がるって、数字相手に仕事してるんちゃうぞ、と言いたくなる。その後は「これらを適切に行うことにより、高齢者の状態に即した適切なサービスの提供や、医療保険・介護保険財源の適切な活用、医師・看護師等限られた人材の効率的な活用ができます。」と官僚チックな美辞麗句が並んだ後、「病床再編成に当たっては円滑な転換により入院している方の追い出しにつながらないことが前提です。」と批判に対する予防線はしっかり張ってくる。
 
 次に、生活習慣病対策の人が出てきて、「来年度から医療保険者(市町村など)に特定検診の実施を義務付け、一定の基準に該当する者に対して医療保険者が特定保険指導を実施するよう義務付けることにより、生活習慣病のリスク要因が減少、医療費の減少につながります。」と説明していたが、さまーずに成り代わり「減るかよ!!!!」と切れそうになった。しかし全部市町村の責任か。
 「平成25年度より、医療保険者による後期高齢者医療支援金について、特定検診の実施率・特定保健指導の実施率・内臓脂肪症候群の該当者・予備軍の減少率を医療保険者ごとに目標値と比較して、後期高齢者医療支援金の加算・減算を行う」来ましたよ、ノルマですよ、ノルマ。よっぽど、「市長にお願いして、いくらでも予算つけてもらうようにするから、あなたが加東市に来て減らしてみます?」とでも言おうかと思った。
 でもよくよく考えてみると、加算・減算の額は同じと書いているから、全国の自治体で手を組んでボイコットすれば、何の影響も起こらないのでは?こういう「義務付け」にまじめにつきあうから自治体はしんどくなってくのではないのかとさえ思った。
 
 最後に総務省の人が来て「全国の7割の病院が赤字です。この改善が急務です」みたいな話をしていたが、その話の中で「経営形態については、通常(公営企業法の一部適用)、全部適用、指定管理者制度、地方独立行政法人公務員型、地方独立行政法人非公務員型、民間譲渡という形が考えられますが、民間譲渡以外は地方財政計画の中で同じように措置していきます」「地方独立法人非公務員型を導入しますと、職員が非公務員になりますので、国が指導している5%の定員削減の中にも入れることができます」「民間に比べて高いとされる看護士給与を抑制することもできます」と、やたら地方独立法人非公務員型の利点を強調する。
 参加者の一人が「まるで誘導しているみたいじゃないですか」と言うと、「誘導してますよ、法律にも書いてるし、そのためのメニューも用意してますし。」と断言していたのにはちょっとびっくりしました。
 後で会議室を出てから「看護士の給与が民間と比べて高いと言っているが、民間準拠で給料表作ってるはずなのに。」とふと思った。

 まぁ、色々あったが今まで国が不可思議な政策をしている時「彼らはわからずにやっているのか?それともわかってあえてやっているのか?」と疑問に思うことがあったのだが、今回キャリア官僚の生の声を聞くことで「彼らはまじめに考えて、こうやればうまくいくと本気で思っている」ということがわかりました。そして数字について嬉々と語る姿を見て、彼らはどんな難しい方程式でもきっちり計算して答えを出してきたんだろうなぁ、ということがよくわかりました。
モデルの関数にXを代入したら、Yという数字が出てくる…そんな単純な世界じゃないですよね。
 本で読んだことしかないが、日本陸軍の参謀本部のにおいをかぎとりました。前線に出てきてください。

 まぁ、何はともあれ非常に貴重な経験でした。昼からも厚生労働省などから、「労働者の賃金比較と、それを地域手当等にどう活用していくか」という話があって、興味はあったのですが、私の本来の目的の会計学講座に行くために資料だけもらって帰りました。

 しかしあれですね、肥満だと高齢者医療の支援金をカットされるということは、早めに適切な水準まで減量しないと、財政健全化を唱えても「藤尾議員の体重のおかげで医療費支援金がカットされております。財政のためにも減量をお願いいたします」」とか答弁されそうな気がする。今週は*1.3kg。何とか加東に戻るときには上の*のケタを落としておきたいなぁ。


 
 

 

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2 コメント

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Unknown (市民①)
2007-08-03 19:51:56
医療分野における規制の実態と競争政策の観点からの考え方

http://www.jftc.go.jp/pressrelease/02.november/iryou.pdf
Unknown (藤尾潔(管理人))
2007-08-04 10:51:56
情報提供ありがとうございます。
膨大な資料なので精読していませんが、現在の医療分野での規制は「過当競争を防ぐ」という意味合いと「医療費の高騰を抑制する」という意味から、複雑な課題を背負っていることを再認識しました。また時間をかけて読ませていただきます。

 しかし2002年の11月に公正取引委員会が出した資料ですか。問題というのは顕著になる前にここまではっきりわかっているものなのですね。改めて色々な情報に高いアンテナを張っておかなければ、と痛感しました。

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