ごんごんの  遍路のみちは一歩から 同行三人

リタイア後、近場のウォーキングで健康増進に努めています。年々歳々四国遍路が遠のきます。

車で四国遍路 同行三人4の⑤

2017-03-22 16:46:13 | 四国遍路 一巡目その4

5日目 2014年11月20日(木)晴れ

 

 今日の札所は、別格の三ヶ寺が険しい山道となる。宿のご主人に確認し、Uチューブの動画どおり県道7153号を辿ることにする。

 7時半前に出立。キャンプ場を過ぎ、大屋敷橋を渡りしばらく行くと、細い林道のような状態となり心細くなる。やがて勾配が激しくなり、アスファルト道路となるとともに道幅も広くなり、県道106号へ合流。しばらく上ると峠となり、峠を下ればすぐに右手に別格二十番大瀧寺の堂宇らしき建物が一段高くにみえる。

  道路沿いの駐車場から県道を戻るように上り、境内に入る。別格で早朝でもあり参拝者はいない。札所最高峰であるが、思ったより今朝は暖かい。普通は別格の結願寺であるが、四番から別格参りを始めたので、ここが結願寺ではない。

 

 県道106号を下る。左折し県道252号を大谷川沿いに下り、徳島県道12号(撫養街道)経て、脇町ICから徳島道を利用する。土成ICで降り、高速道路沿いの県道139号を走行し、十楽寺前からは農免道路をひた走る。次の別格一番大山寺は上坂SA付近を通りしばらく進むと離合の難しい山道となる。

 時間は少し余裕があり、参道前の駐車場に車を留める。仁王門の屋根は長いことブルーシートで覆われている。参道は階段が所々木の根などで歪み、中門まで厳しい勾配である。境内は紅葉狩りの人々も多く賑わっている。祭礼があるのだろうか、境内中央には柴灯護摩が用意されている。

 

 駐車場手前で数珠を紛失していることに気づく。納経所で忘れたかもしれないと思い車を走らせて上の駐車場へ。納経所にはなく中門付近あたりまで探すも見当たらず、下の駐車場付近をもう一度探すことにする。

 参道を登って行くと、女性の歩き遍路さんが降りて来る。カミさんが尋ねると、階段の中央より上に落ちていたとのこと。時間もロスしており、急ぎ足で階段を登る。息が切れ苦しい。さらに登ると、中門の少し下段に数珠がみえ、参道のはるか下のお遍路さんに一礼。南無大師遍照金剛。

 お遍路さんは結願し、時間もあって大山寺を参拝し、このあと霊山寺にもお礼詣りをするらしいと、カミさんに話をしていたようである。車で下山中、お礼を言おうと思ったのだが、あいにく歩き遍路道にすでに進入していてお礼を言えずに終わった。

 来た道を戻り、再び上坂SAあたりで道なりに農免道路を東進する。大日寺や地蔵寺への進入口を過ぎ、さらに農免道路を進み、高松道の板野IC付近から県道12号を一路一番さんへ。極楽寺の前を通るといよいよ一番霊山寺である。高野山以外にお礼詣りがあるわけではないが、これで四国一周である。

 平日の昼時で初めて訪れた時の賑やかさが嘘のようである。ゆったりとした気持ちで本堂内で経を読む。大師堂をお参りして初めて納経所へ。結願した旨報告し、御朱印を頂戴し、菩提樹の数珠を頂戴する。お茶の接待も受ける。

 遍路初日と同様、「門前一番街」のうどん屋でわかめうどんを頂戴する。若者が真新しい白衣を来て、これから歩き遍路に旅立つようである。無事の結願を祈念する。合掌。

  

 県道12号(撫養街道)を地蔵寺の羅漢交差点まで打ち戻り、県道34号を南下する。石井駅付近でJR徳島線を越え、国道192号へ右折し、すぐに県道20号を南進する。最初の信号を案内に沿って進むと、池のほとりの別格二番童学に着く。山門前を通り、道なりに進むと境内駐車場である。本堂・大師堂は一段高みにある。

 脚の不自由な女性が、本堂前で参拝していた。こじんまりした段差の少ないこの寺でも難渋しており、この先の困難を思い無事の遍路を祈念する。

 

 次は遍路最後の札所であり、15時前に寺に着き、穴禅定の受付をする必要がある。時間は20分ほど余裕があり、予定通りにUチューブの動画のとおり走行したい。県道2021号は初回の焼山寺への行程と同じである。鬼籠野の交差点を左折し、国道438号を東進する。ナビは札所へは北側の狭い山道から攻める行程を示す。遠回りとなるが、国道438号から途中一部狭い県道33を経て、県道16号を勝浦川沿いに進む。鶴林寺遍路道入口あたりを過ぎ、棚野橋を渡りしばらく坂本川沿いを走行。新坂本トンネルを過ぎ、上勝町の交差点を右折し、案内に沿って山道を400mほど高度を上げる。1時間30分程を要し予定通り230分前に別格三番慈眼寺の境内下の駐車場に着く。

 石柱門で一礼し、境内に入ると早速納経所で穴禅定の申し込みをする。すでに先着組は着替えており、堂内でいそいそと着替えをする。遅れを取り戻そうと、急いで本堂への参詣道を600mほど登る。険しい山道がこれでもかと続き、汗だくで脚の疲労も半端ない。先達に指導され、本堂お詣りも納札、賽銭を収めただけで身を清め、急ぎ8人ほどの集団の最後尾から進む。

   

 滑りやすい岩の斜面を登り、穴の入口で最後の注意が先達からある。ローソクを一本灯し、体を折り曲げ這い蹲りして、途中3箇所の広い箇所で、岩が造形する仏様や龍などを先達のロウソクの明かりで見る。最後の広場では、灯明のほの明かりの中で、お大師様に遍路の安寧を感謝しお参りをする。同行の集団の中にお坊さんの一団がおり、開経偈からの一連の経文はさすが流れるような読経であり、併せて経を読んだ僕もいつもより朗々と読経できた。

 写真を撮るのも中々困難で、山登りも含めて1時間余りの行程は大変であったが、別格も含めたすべての遍路の結願寺にふさわしいものとなった。ゆっくりお詣りをし損ねたので、本堂で改めてお詣りをする。

 

 紅葉の山道を下山し、着替えをしてから大師堂をお詣りして最後のお勤めをする。別格も結願となり、数珠もすべて揃えたことになる。お坊さんの一団は、次の別格へ参り、大阪へ戻るとのこと。他は岐阜の歩き遍路さんで、「ふれあいの里さかもと」に宿泊するとのこと。立江寺で納経帳を忘れたようで、ショックを隠しきれないでいる。

 

 あたりは薄暗くなりつつあり、歩きの宿入りは危険である。帰り道であり、歩き遍路の宿舎の候補でもあり、一度見ておきたい思いもあり宿舎に送り届けることにした。新坂本トンネルを通り案内に従って山道を上り行き、郵便局の坂道を下って行くと小学校の建物を再利用した宿泊施設が現れる。運動場が駐車場となっている。

 来た道を戻り、県道16号を勝浦の街へ進む。勝浦高校を過ぎて旧道を利用し、生名のバス停そばの鶴林寺への遍路道を確認し、「道の駅かつうら」で休憩する。軽食を摂ろうとしたが、17時を過ぎ閉店となっており、土産などを調達して徳島方面へ。

 県道16号をひた走り、国道55号を突っ切って県道29号で徳島の東を抜け、鳴門ICを目指す。徳島IC付近より鳴門ICまでは初めて走行する道となる。今回は南海フェリーを利用せず、ゆっくりと高速道路を利用して帰宅する予定である。

 淡路SAでもたっぷり時間をとって夕食休憩をした。カメラを紛失したようで慌てふためいたが、道の駅かつうらで使用したあと後部座席に放置したままであり、撮りためた遍路写真や他のメモリーも紛失したと思いカミさんに叱られることしきり。そういえば、カミさんはカミさんで穴禅定でイヤリングを紛失したようだ。帰宅後車内にも落ちておらず、穴禅定の闇の中に永遠に眠ることとなった。

 無事に帰宅したのは、予定通り日にちが変わっていた。南無大師遍照金剛。合掌。

 

5日目(10,409歩) 走行距離 501.1km

 





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