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シネマ座椅子

座椅子に座り、酒を飲みながら日々映画鑑賞。
映画の結末を待たずに酒の力で本日の結末を迎えることもしばしば。

ブログ引っ越しのおしらせ

2014-11-20 | おしらせ
長いことこちらgooブログさんを利用させていただいておりましたが、このたび引っ越しをいたしましたので、お知らせいたします。


引っ越し先でも変わらぬノリと更新頻度でのんびりやっていこうと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。




引っ越し先ブログは以下です。


 シネマ座椅子 2nd leg.




gooブログさんでのご愛読、誠にありがとうございました。
引っ越し先はシーサーブログになりますが、こちらも何卒よろしくお願いいたします。

リミット

2014-10-22 | つまらん
今回は、カルト映画というかなんというか、「風変わりな映画」として評判の「リミット」です。

何が風変わりかというと、


 物語が全て棺の中だけで展開される。


ということです。



イラク?イラン?どっちだか忘れたけどそこでトラック運転手やってた主人公。突然現地の軍隊か何かに襲撃されて気絶。気付いたら箱の中。どうやら埋められている模様。ポケットまさぐるとライターが手元にある。ケータイもある。・・・これ、もしかしたら脱出できねーかな。


というストーリー。


本編はライターつけて狭い箱の中をドタバタと暴れ周り、落ち着いたらケータイをピポパポといじくり、本当にその繰り返し。まぁそれくらいしかやることないから仕方ないよな。


とにかく、ジッポーのオイルの持ちが良すぎるのに草生える。棺に入れた現地の軍隊か何かが、オイルが無いと困るだろうからとオイルを満タンに足しておいてくれたのではと思うほどに持ちがいい。
それと、ケータイの電池の持ちも異様にいい。あんなに通話に次ぐ通話の中であんだけゆっくり電池減ってくれればかなり助かるな。最近のスマホもあれくらい電池持ちを良くして欲しいもんだ。


などと言いつつ、コレ脱出ものだと思って観てたんですよね。手元に残された道具を使って知力の限りを尽くして逃げ出せ!みたいな。
キル・ビル2」では主役がこれと全く同じ状況に陥って、でも彼女はあの通り乱暴な女(ひと)だったので、拳骨ひとつで棺ぶっ壊して土掘り返してゾンビみたいに土の中からムクリと出てきました。
この映画では、そうじゃなく知力とITの力と協力者の力で脱出するのかな、と。




なので、結末は、「えーっ」って感じでした。
ギリギリネタバレではないだろう。「えーっ」って思ったと書いただけだから。



小さい劇場でやる1人芝居の舞台演目になりそうなお話でした。
しかしわざわざ映画でここまでの1人芝居やらんでもいいのでは、という印象も残ります。


作品紹介はこちら

ヒーローショー

2014-10-21 | つまらん
井筒監督&ジャルジャル。

どちらもそれほど座椅子的には興味の無い人たちではありますが、この映画はいずれ機会があれば観てみたいと思っていました。



理由は、この映画の題材が東大阪集団暴行殺人事件であるから、というその1点です。
女を巡ってもめた男2人のうち、片方が仲間を連れて相手をボコる。ボコられた方がよりいっぱいの仲間を連れて仕返しとばかりにボコり返す。ボコり過ぎて殺しちゃう。バレるとヤバいから埋めちゃう。殺人実行役リーダーは死刑判決確定済。そんな事件。



友だちから「アイツをボコってくれ」って頼まれて、ただそれだけで何の面識もない奴を死ぬまでボコれるもんかね。実に不思議な事件です。



映画としては、ボコられて殺される奴の連れが福徳。積極的にボコって殺すいわゆる「殺人実行役リーダー」が後藤。ジャルジャルです。

自衛隊上がりで未だ筋トレを欠かさぬ狂犬のような男であるはずの後藤が、とにかく弱そう。腕細い。身体薄い。本当に元ラガーマンなのか。
福徳はずっとオドオドしてる。芸人ってオドオドする演技得意っぽい奴多いよな。上手いかどうかは別として。まぁオドオドはコントでも必須科目みたいなもんだからかな。



実在事件をなぞるだけの映画では無く、物語の後半ではこの事件の被害者と加害者という、交わりようが無いはずの2人(ジャルジャル)の心に若干の交わりの気配が感じられるようになるまでの過程が描かれています。



でもこれがまたあまり面白くないんだな。



ジャルジャルは嫌いじゃないけど興味も無い、という程度の認識ですので、それゆえ楽しめなかったのかな。
でも事件のシーンは全体的になかなかでした。暴力シーン、激しかったです。



そんなことよりジャルジャルは、もう少しラグビーのために働いた方がいい。もっとトップリーグなんかの宣伝をするべきだ。オードリーは今や日本におけるアメフト広告塔になってんだから、あんぐらい頑張るべきだ。


作品紹介はこちら

愛してる、愛してない・・・

2014-07-15 | つまらん
フランス映画です。
フランスの映画を観るのはいつ以来だろうか。「ラマン」以来か?よく分からない。(「ラマン」って言いたかっただけ)


医者の男と恋人関係にある美術大生アンジェリク。彼には妊娠中の妻がいるけど離婚寸前。彼のこと思い浮かべるだけでウキウキしたりワクワクしたり、彼との旅行の計画に胸ときめかせたりして、実にフランスっぽい。フランスって多分こんな国だ。


 ・彼の肖像画を彼の病院に送ってあげたわっ!
 ・友だちから借りたスクーター、転んでブッ壊しちゃったっ!
 ・あれだけ計画した旅行に彼は来てくれなかった!なんでっ!


上記のようなエピソードを織り交ぜつつ、物語中盤で時間が物語開始時にまで巻き戻り、驚愕の「種明かし編」がはじまる!!!

などと言いつつ、言うほど驚愕でもなく、いわゆる「犯人はヤス」で言い表せる映画です。




以下からネタバレ入ります。ご注意下さい。


















「彼女はストーカー」 がこの映画の種明かし。

彼女は随分彼に入れ込んでいるが、彼は彼女の事を「隣の家に住んでる女の子」としか認識していない。当然恋人でも何でもない。むしろ彼は妊娠中のカミさんを溺愛してるいい奴。
ゆえに先ほど挙げたエピソードも


 ・彼の肖像画を彼の病院に送ってあげたわっ!
   →彼にしてみたら完全に身に覚え無し。ていうか突然自分の画が送られてきて怖い。しかも画の裏に愛の言葉とか書いてあって奥さん激怒。マジなんなんだよこの画。

 ・友だちから借りたスクーター、転んでブッ壊しちゃったっ!
   →転んでない。彼の奥さんを撥ね飛ばしてきた。あわれ奥さん流産。まさに鬼畜の所業。

 ・あれだけ計画した旅行に彼は来てくれなかった!なんでっ!
   →来る訳ない。てか旅行の存在を彼は知らない。「計画」は完全に彼女の脳内に存在しているだけ。


などという具合に回収されており、「種明かし編」ではアンジェリクの一方的な愛に溢れた奇行を、誰の仕業か分からぬ恐ろしい出来事として恐怖する男の姿が描かれる。




なんというか「怖い映画」を観たくて、怖いらしいと聞いた本作を予習ゼロで観てみました。んで、医者の彼がストーカーを怖がっているのは分かるのですが、観てるこっちとしてはそれほど彼の恐怖に共感を感じなかったので、ちょっと想像していた「怖い映画」とは違うかな、と。
オドレイ・トトゥが演ずるアンジェリクはストーカーな割には大変キュートなので、きっとこの映画を観た殿方の大半は俺だ!アンジェリク!結婚してくれ!という気分になったに違いない。ゆえにそんな気分では「怖い映画」にはなりにくい。


最近よく「かわいいは正義」というフレーズを聞きますが、この映画では必ずしもかわいいは正義ではなかったようで。でもたまにはそんな事があってもいいじゃないか。



作品紹介はこちら

ジョニーは戦場に行った

2014-06-29 | ふつう
ここ何年かで、最も観たいと思っていた映画です。

どんな映画かは重々知っていました。観る前からどんなシーンがあるかはあらかた知っていました。インターネットって便利です。
4年前に書いた「キャタピラー」の記事においてもこの映画の名前を出してますね。要するに当時からこの映画が気になって仕方なかったってことです。

しかし、なかなかテレビでやらない。レンタルにもない。ということで、なかなか観る機会がなかったのですが、今回CSでやってたので飛びつくように観てみました。




観てみると、知ってたとおりで「現状の風景はモノクロ」「ジョーの脳内映像はカラー」という明確な切り分けで、「現在よりも脳内こそが色鮮やか」という悲しい状況が際立つ。こうなると思い出こそが色鮮やかになるはずだ。

「キャタピラー」や「芋虫」では視覚だけは残されていたが、この映画ではそれすら無い。しかも研究対象として扱われてしまうが故に自由な行動すら許されない。これが実話ベースであるというのがまた何とも複雑な気分になる。


よくこの映画の感想などを読むと挙げられている"Merry Christmas"のくだりは確かに感動的。ここからがモールス信号という伝達手段を獲得するまでの流れが感動的なだけに、そこからラストに向けての絶望エンドが実に救いが無い。「世界で最も鬱な映画」と呼ばれるだけのことはある。



反戦映画ということで、戦争の愚かさや悲しさは十分に表現されていると思う。また戦争の状況は人権を驚くほど簡単に蹂躙する、ということも感じ取れる。

でもそれ以上に反戦映画という以上に、「いのち」の映画でした。陽の光を浴びただけで感じる喜び、今日が何日かが分かっただけで感じる歓喜。「いのち」というのは、どのような状況でも、常に喜びを望んでいるのだな、と。自由というのは眩しいものだな、と。そう思うのです。


作品紹介はこちら