78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎コミュ障だけど初幹事やってみた(準備編1)

2016-03-29 07:27:17 | ある少女の物語
 燃え尽き症候群か、それに近い何かなのだろう。全てを終えた今、僕はあらゆる方向へのモチベーションを失いつつあった。お金は減り、謎は解けぬまま終わり、残ったのは疲労の2文字のみ。
 これは、幹事という最悪のコストパフォーマンスを任され不安と困惑で溢れる全ての人に読んでほしい物語である。



<幹事の任務(1):企画書の作成と副幹事決め>

 全ての始まりは2016年2月5日、当店のスタッフA男の一言から始まった。

(A)「B子さんの送別会を誰かやらないんですか?」

 高校3年のスタッフB子が就職の為3月をもって退職することは3ヶ月以上前から把握していた。

(僕)「1年前に開催して色々問題が起きて、以来やっていないはずです」
(A)「B子さんは約3年も必死に頑張って当店に貢献してくれました。是非開催して下さい」

 2年前と1年前の2回、僕でないスタッフが送別会を開催していた。特に2回目、僕は不参加どころかその影響で開いたシフトの穴を埋めるべく夜勤込みで16時間勤務を余儀なくされていた。上司に怒られたのは当然の結果だった。
 それでもA男は僕に懇願を続け、店長代理である僕が責任者、つまり幹事として一定のルールを設けた上でなら開催できるのではと考えた。しかし、ネットのオフ会で幹事の友人を手伝ったことこそあれど、本格的な幹事を僕は30年間ただの一度も全うしたことがない。

(A)「なーに、幹事なんて簡単ですよ。ちなみに自分は当日穴の開くシフトに協力するんで不参加で」
(僕)(お前は何がしたいんだよ?)

 36日間に及ぶ初幹事の戦いはこうして幕を開けた。とりあえず、10人以上の参加が予想される中規模の飲み会を僕一人で仕切る自信は端から無く、まずは手伝ってくれる副幹事を探す作業から始まった。コミュ障故に口下手な僕の武器として、副幹事候補者に見せる企画書も作成。



 副幹事はC子に無事決まり、彼女の都合により日程も3月中旬のある日に決まった。



<幹事の任務(2):案内状の送信>

 続いては参加者を募る為の案内状を作成。文章は友人を手伝った時にも作成しており、大まかなテンプレは既にUSBメモリの中にあった。これを修正し、メールとLINEで一斉送信。



 文章の長さをどうするかは非常に難しいし、内容も相手によって変える必要がある。頭語や結語など手紙の書式を無視し簡潔にまとめたように見える画像の文章でさえ、LINEで表示させると物凄く長く見えてしまうのだ。あまり長すぎると全文を読んでくれない人も出てくる。それでも上司宛に送る時はこの1.5倍は長くするつもりで丁寧に書かなければならない。

 この返信を集めることで10人以上の参加が確定した。大体の人数が決まったところでいよいよ最初の山場、会場の確保に入る。

<幹事の任務(3):店の予約と2次会問題>

 2月10日。開催日まで1ヶ月以上もあるが、予約は早いに越した事は無い。
店への電話は友人の手伝いで何度もしてきたが未だに慣れない。念の為「予約メモ」を作成した。ここで失敗したら当日トラブルになる確率は一気に上がるので慎重にいかなければならない。



 2時間半の飲み放題コースと、掘りごたつの個室。今回はこの2点にこだわり店を選出した。2時間では物足りないが、3時間では長すぎる。テーブルより座敷のほうがゆったり座れるが、後者は正座をしなければならない。ゆえに“掘りごたつ式の座敷”が最適解となるのだ。緊張しながらもメモをもとに“A店”に電話をかけ、無事に予約成立。電話を受けた店員は慣れている感じだったので安心した。最後に予約内容を店員に復唱してもらうことと、店員の名前を聞いてメモすることも忘れずに。ここでもし店員が新人っぽかったら、翌日改めて電話しちゃんと予約されているか確認しなければならない。

 ちなみに参加人数は更に増え、16日の夜にもA店に電話をかけ「10人から14人に変更」の旨を店員に伝えた。その人数でも掘りごたつの個室は確保できるとのことだった。

(店員)「もし人数がまた変更あるようでしたら早めに連絡下さい。コースも決めなければなりませんので」
(僕)「あれ? コースは既にUコースに決めているはずなんですけど」
(店員)「え、あ……そうですね……分かりました」

 少し頼りなさそうな口調の店員。しかし予約自体は6日前の電話で既に成立している。この時の僕は、その店員を怪しむ必然性を感じなかった。

(つづく)

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