78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎所信表明・私が小説を書く理由(第1話)

2014-10-12 00:39:15 | ある少女の物語

 あなたに純粋な心はあるだろうか。

 そして、純粋な心を踏みにじられたことはあるだろうか。



 これは半年も前の話である。

 何故今更なのか、何故今になってなのか。

 もちろんちゃんとした理由がある。

 まあそれをいきなり言っても説得力に欠けるので、まずは順を追って話そうと思う。

『小説物語』以来、実に半年ぶりに仕事の話を小説形式でブログに掲載することになる。

 時間も限られている為、過去の記事の引用が多めだが、温かい目で見守って下さい。



 ***



 2014年3月。
 僕がコンビニの店長代理に就任してから半年が過ぎようとしていた。


>仕事量は2倍、3倍に増えた。店員としての業務に加え、発注量の増加、シフトの作成、売場作り、そして売上を伸ばす為のあらゆる策など、どんなに長く居ても仕事が終わらない。初期は昼12時に出勤して朝5時までかかる日々が続いた。しかし、何よりも悩んだのは他でもない、人間関係だった。


 どんなに過酷な仕事を頑張っても、結果を出せなければ左遷の末路が待っている。


>最悪の事態──それを考えていないと言ったら嘘になる。今の地位より下に逆戻りしてしまうことを。
>この店だけでも過去に約二名の強者が左遷になっている。当方はその二人より遥かに劣っている。今の地位がずっと続くとは思っていない。でもこのチャンスを棒に振りたくない。少しでも、1日でも長くいたい……


 悩みに悩んだ末に決めた目標はストレートだった。


>3月で辞める“ストレート”を笑顔で見送ること、ただそれだけである。いずれ異動になっても構わないが、せめて来年の春までは意地でもここに這いつくばってやる。


 ストレートよりも早く異動や左遷になったら、格好悪い。
 それだけは避けたい。本当にそれだけの思いでこの半年間を死ぬ気で乗り切ったのだと思う。
 3月16日のストレート最後の出勤日にも無事に僕の姿はあった。目標達成である。

「僕は仕事で出られないですけど、今夜楽しんできて下さい」
「ハイ(笑)」

 最後の日もストレートは笑顔を見せてくれた。そしてこの日の夜には、ある女性スタッフの提案により、ストレートの送別会が居酒屋で開かれていた。
 そして僕は不参加にも関わらず余計なことを企ててしまったのである。

 ***

 それは遡ること1月23日。
 僕はストレートが大好きなジャニーズの某若手ユニットのポスターを彼女の誕生日プレゼントとして渡した。
 プレゼントと言えば、かつてはKSMに吹きガラスのコップ、CBJ(キャバ嬢の常連客)にハンカチ、そしてカピバラには合格祈願のお守りと顔画イラスト(黒歴史)など、仕事絡みで数名の女性にプレゼントをし、その度にブログの記事に起こしてきたが、いずれも女性たちの反応はイマイチであった。
 それがなんとこの日、ストレートは物凄く喜んでくれたのだ。

>勝利を掴むとはこういうことなのだろう。反省点もあったが、現状でできる最大限のことはしたと思う。とりあえずこれで悔いはなくなった。

 ***

 そして今回、送別会である。僕は餞別としてのプレゼントを改めて用意した。
 会がある程度盛り上がってきたところで
「実は今日来れなかった僕さんからプレゼントがあります」
 というサプライズ。しかも開けたらプレゼントだけでなく手紙まで入っている。
 それを幹事が皆の前で読み上げ、拍手喝采。
 感動の手紙に何人かは涙さえも流している。

 そんな鉄板の流れをイメージし、幹事にプレゼントを預けた。
「みんなが居る時にみんなの前でプレゼントを渡して……」
 僕が詳しい段取りを説明しようとしたら、
「任せてください」
 幹事はその一言で僕の説明を遮った。
 まあそこまで言うなら大丈夫だろうと思ったが、それが完全な油断だった。

(つづく)


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