前回、何の言葉で検索して引っかかったのか、たくさんの方が訪問してくださっていました。
最後まで文章を読んでいただけたなら嬉しいです
-11-
懐かしのあの人
それは誰?
ああ、ああ、あの人
分かっていても名前が出ない
名前なんて最初から無かったもの!
だって私の手の中
なんで名前など必要でしょう
他と区別するため?
あの人の個性を認めるため?
いったいどんな個性?
深く見つめれば見つめるほど、
個性などなくなり、他と同化する
すべては一つなのですもの
名前あるものは名前を捨てましょう
此処にある
此処にいる
此処にあなたが存在する
それで十分なんです
-12-
ある晴れた空の日、
小鳥は庭に出てカラスを呼んだ
カーと鳴いてカラスはやってきて、
カーと鳴いて去っていった
カラスの去った庭には、
小鳥がひとりポツンと残され…
小鳥は言った
「カラスになりたい。」
ある日、小鳥はカラスになった
カラスになった小鳥はカーと鳴き、
そして…
カーと鳴いた
そう、カーと鳴くことができるようになったと同時に、
カーとしか鳴けなくなった
カラスになった小鳥は
「小鳥が良かった。」と思った
そんな夢を見た小鳥は、
今、幸せを噛み締めている
「小鳥で良かった。」
13-
女は空を飛び、男は地を這う
その中間を天使が行き来し、二人は恋に落ちる
落ちた先は行き場のない空間
這い上がるには愛が不可欠
二人の間に愛がなかった時、落ちるだけ落ちて…
天使はそれでもいい(それもOK)とただ見ているだけ
助けを頼まなければ手を出さない
助けを頼んだ時には二人には別れがきて、女は空に、男は地に戻る
そんな事を何度も繰り返し、男と女が落ちる間際に恋を愛に変えたなら…
そこには永遠という時間と空間がもたらされる
二人に幸あれ
-14-
空からは銀色の雪
雪と共に無数の天使
ありがとう、ありがとう
天使でいっぱいになった空間は、神そのものと同様になり、
“感謝”の気持ちでいっぱいになる
其処此処に天使
そして、すべてが神
あまねく広がった波動は、私たちの身体を突き抜け、地球にしみていく
ありがとう天使
感謝します神様
-15-
光の海を魚が泳ぐ
「こんにちは、イルカさん。」
誰かが声をかける
「私はイルカではありません。」
そう言おうとして、魚は口をつぐんだ
誰だかよく知らない相手に、いちいち説明するのも面倒くさいし、どうでもいいと思ったから
声の主は、大きなクジラ
実は魚は、大きなクジラの影の中でずっと泳いでいた事を知らなかった
魚は言う
「あなたは誰?」
クジラは答る
「君と同じ仲間さ。」
明らかに違うと、魚は思ったが、
自分も大きくなると、クジラのようになるのかもしれないとも思った
それもどうでもいいと思い、魚はクジラに従った
クジラはずっと魚をイルカだと思って暮らした
-16-
漆黒の空、光の機体がやってくる
空には白い帯、波のようにさざめくアーチを描いた
虹色の光
小鳥はさえずる、林に森に
九官鳥が飛び、高らかに笑う
くやしさを感じた人間は其処から落ち、悲しさを感じた人間は穴を掘る
鳥(九官鳥)と共に同化した人間は高らかに笑い、すべてを吹き飛ばす
やっぱり人間はいいねー
肉体がないとね
雷が鳴る
なんで鳴るのか?ピカだけでなく
ピカの光は何ルクス?
誰も知る由もなく、いちいち計ろうともしない
日常はいつものように流れ、私はまた一人此処に取り残される
-17-
月の女神、星を従えて現れる
空には虹色の雲が飛び、女神は光を降り注ぐ
太陽の化身、馬車に乗ってやってくる
東から西へ、道は続く
果てしなく
どこまで続くのか
ずっとずっと行っても、なかなか月や太陽までは届かない
でも手を伸ばせば、ほら、すぐ其処に…
愛と共に傍らにやってくる
猫が忍び寄る
より鮮明に光は増し、
猫は驚き、跳び上がる
前に行こうが、後ろに戻ろうが
そんな事は問題ではない…
私は天使
-18-
ポタポタポタポタ雪が降る
♪雪の降る日は楽しいペチカ
歌が浮かぶ
サンタの季節は終わった
子供の頃のよく聞いた懐かしい曲
身長が低かったせいだろうか、もっと雪は今より深かった
「いつもと違う」と、なぜ騒ぐ?
前と変わらないじゃないか
同じ季節、同じ雪
文明の移り変わりと共に、人々は昔を忘れる
「同じなんだ。」と地球は答える
「忘れないで!」と地球は叫ぶ
宇宙よりメッセージ
「地球を離れて、遠くから地球を見てごらん。
ほら、今何が起こっているか、今何をしたらいいか、よく分るから。
文明の流れに流されて、心を見失わないで。
愛はずっと永遠に、中心にあるのだから。」
-19-
鏡の世界
バスが来る
バスは何処へ行くのだろう
人を乗せて、鏡の暗闇に消える
車が通る
次から次
来ては、暗闇に消える
鏡の中の暗闇は暗黒の世界?
それとも光の世界?
反射して見え隠れする
鏡の一面からでは分らない
覗けば深い鏡の中
其処はもしやこの世界を映し出すものではないのかもしれない
歪んだ物質
空飛ぶ魚
地を這う蝶々
なんと奇妙で不可思議な世界
自分はこの中で、どのように変化するのか?
左右が逆に映し出されるこの一面で
-20-
狼は負傷していました。
世にも恐ろしい怪物に襲われたのです。
狼は一目散に逃げましたが、傷を負ってしまいました。
逃げた時、あわてて木の根っこにつまずいたのです。
狼は思いました。
「あれは一体なんだったんだろう。」
傷がズキズキ痛みます。
痛みと共に、疑問が膨らんでいきます。
傷の痛みが引いてきた頃、
狼はどうしてもあの怪物の正体が知りたくて、
こっそり見つからないように、引き返すことにしました。
あの場所です。
燦然と光り輝く太陽。
そうです。あの時、狼は雲に隠れていた太陽を見つけられませんでした。
雲の隙間からちょっと覗いた太陽の光。
それはそれは眩しく、
そして、狼が怖いと思ったその怪物は、
実は、太陽の光に照らされできた自分の影だったのです。
光と比べて、あまりに暗くて大きな自分の影とのギャップにびっくりしたのでした。
少し痛む傷をさすりながら、狼は思いました。
「もっとよく見ていれば…あわてずに行動していれば…こんな傷は負わずにすんだのに。」
狼はちょっとだけ後悔しましたが、一つ利口になりました。
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-11-
懐かしのあの人
それは誰?
ああ、ああ、あの人
分かっていても名前が出ない
名前なんて最初から無かったもの!
だって私の手の中
なんで名前など必要でしょう
他と区別するため?
あの人の個性を認めるため?
いったいどんな個性?
深く見つめれば見つめるほど、
個性などなくなり、他と同化する
すべては一つなのですもの
名前あるものは名前を捨てましょう
此処にある
此処にいる
此処にあなたが存在する
それで十分なんです
-12-
ある晴れた空の日、
小鳥は庭に出てカラスを呼んだ
カーと鳴いてカラスはやってきて、
カーと鳴いて去っていった
カラスの去った庭には、
小鳥がひとりポツンと残され…
小鳥は言った
「カラスになりたい。」
ある日、小鳥はカラスになった
カラスになった小鳥はカーと鳴き、
そして…
カーと鳴いた
そう、カーと鳴くことができるようになったと同時に、
カーとしか鳴けなくなった
カラスになった小鳥は
「小鳥が良かった。」と思った
そんな夢を見た小鳥は、
今、幸せを噛み締めている
「小鳥で良かった。」
13-
女は空を飛び、男は地を這う
その中間を天使が行き来し、二人は恋に落ちる
落ちた先は行き場のない空間
這い上がるには愛が不可欠
二人の間に愛がなかった時、落ちるだけ落ちて…
天使はそれでもいい(それもOK)とただ見ているだけ
助けを頼まなければ手を出さない
助けを頼んだ時には二人には別れがきて、女は空に、男は地に戻る
そんな事を何度も繰り返し、男と女が落ちる間際に恋を愛に変えたなら…
そこには永遠という時間と空間がもたらされる
二人に幸あれ
-14-
空からは銀色の雪
雪と共に無数の天使
ありがとう、ありがとう
天使でいっぱいになった空間は、神そのものと同様になり、
“感謝”の気持ちでいっぱいになる
其処此処に天使
そして、すべてが神
あまねく広がった波動は、私たちの身体を突き抜け、地球にしみていく
ありがとう天使
感謝します神様
-15-
光の海を魚が泳ぐ
「こんにちは、イルカさん。」
誰かが声をかける
「私はイルカではありません。」
そう言おうとして、魚は口をつぐんだ
誰だかよく知らない相手に、いちいち説明するのも面倒くさいし、どうでもいいと思ったから
声の主は、大きなクジラ
実は魚は、大きなクジラの影の中でずっと泳いでいた事を知らなかった
魚は言う
「あなたは誰?」
クジラは答る
「君と同じ仲間さ。」
明らかに違うと、魚は思ったが、
自分も大きくなると、クジラのようになるのかもしれないとも思った
それもどうでもいいと思い、魚はクジラに従った
クジラはずっと魚をイルカだと思って暮らした
-16-
漆黒の空、光の機体がやってくる
空には白い帯、波のようにさざめくアーチを描いた
虹色の光
小鳥はさえずる、林に森に
九官鳥が飛び、高らかに笑う
くやしさを感じた人間は其処から落ち、悲しさを感じた人間は穴を掘る
鳥(九官鳥)と共に同化した人間は高らかに笑い、すべてを吹き飛ばす
やっぱり人間はいいねー
肉体がないとね
雷が鳴る
なんで鳴るのか?ピカだけでなく
ピカの光は何ルクス?
誰も知る由もなく、いちいち計ろうともしない
日常はいつものように流れ、私はまた一人此処に取り残される
-17-
月の女神、星を従えて現れる
空には虹色の雲が飛び、女神は光を降り注ぐ
太陽の化身、馬車に乗ってやってくる
東から西へ、道は続く
果てしなく
どこまで続くのか
ずっとずっと行っても、なかなか月や太陽までは届かない
でも手を伸ばせば、ほら、すぐ其処に…
愛と共に傍らにやってくる
猫が忍び寄る
より鮮明に光は増し、
猫は驚き、跳び上がる
前に行こうが、後ろに戻ろうが
そんな事は問題ではない…
私は天使
-18-
ポタポタポタポタ雪が降る
♪雪の降る日は楽しいペチカ
歌が浮かぶ
サンタの季節は終わった
子供の頃のよく聞いた懐かしい曲
身長が低かったせいだろうか、もっと雪は今より深かった
「いつもと違う」と、なぜ騒ぐ?
前と変わらないじゃないか
同じ季節、同じ雪
文明の移り変わりと共に、人々は昔を忘れる
「同じなんだ。」と地球は答える
「忘れないで!」と地球は叫ぶ
宇宙よりメッセージ
「地球を離れて、遠くから地球を見てごらん。
ほら、今何が起こっているか、今何をしたらいいか、よく分るから。
文明の流れに流されて、心を見失わないで。
愛はずっと永遠に、中心にあるのだから。」
-19-
鏡の世界
バスが来る
バスは何処へ行くのだろう
人を乗せて、鏡の暗闇に消える
車が通る
次から次
来ては、暗闇に消える
鏡の中の暗闇は暗黒の世界?
それとも光の世界?
反射して見え隠れする
鏡の一面からでは分らない
覗けば深い鏡の中
其処はもしやこの世界を映し出すものではないのかもしれない
歪んだ物質
空飛ぶ魚
地を這う蝶々
なんと奇妙で不可思議な世界
自分はこの中で、どのように変化するのか?
左右が逆に映し出されるこの一面で
-20-
狼は負傷していました。
世にも恐ろしい怪物に襲われたのです。
狼は一目散に逃げましたが、傷を負ってしまいました。
逃げた時、あわてて木の根っこにつまずいたのです。
狼は思いました。
「あれは一体なんだったんだろう。」
傷がズキズキ痛みます。
痛みと共に、疑問が膨らんでいきます。
傷の痛みが引いてきた頃、
狼はどうしてもあの怪物の正体が知りたくて、
こっそり見つからないように、引き返すことにしました。
あの場所です。
燦然と光り輝く太陽。
そうです。あの時、狼は雲に隠れていた太陽を見つけられませんでした。
雲の隙間からちょっと覗いた太陽の光。
それはそれは眩しく、
そして、狼が怖いと思ったその怪物は、
実は、太陽の光に照らされできた自分の影だったのです。
光と比べて、あまりに暗くて大きな自分の影とのギャップにびっくりしたのでした。
少し痛む傷をさすりながら、狼は思いました。
「もっとよく見ていれば…あわてずに行動していれば…こんな傷は負わずにすんだのに。」
狼はちょっとだけ後悔しましたが、一つ利口になりました。