ファミリー メンタル クリニック

児童精神医学,サッカー,時にテレビや映画、Macのネタ。
要するにひとりごと・・・

前思春期心性を引きずる日本人たち・・・・

2008年11月10日 | 児童精神医学
明後日講演で話す内容、話せない内容・・・色々と作業中だ、頭の中で。
前思春期心性・・・・いってみれば小学校5,6年生の頃の精神生活、社会生活。
自分と他人の区別はもちろんつくが、まだ自分は自分・他人は他人とはっきりと長所短所も認めることが出来ない。
他人がやっていることや 持っているものがうらやましいと思う年代。
そして、まだ全てが可能であると錯覚している年頃。
しかし、お子ちゃまと呼ばれることに違和感があり抵抗する。

自分が社会の中でどんな位置にいるか冷静にみることはできないが、いっちょ前のことは反論する。
それも家族や友達など親しい間柄で。
少し距離のある人たちと意見を戦わせることは出来ない。シャイといえばシャイだ。

自分の失敗も他人のせいにして反省をしない。
まだ自分を冷静に見れないから仕方ないかもしれないが。

でも・・・・そんな大人が多い。
自分が思っていることを口にすることは悪いことではない。
しかし世の中にはその人の立場がある。
大人は自分の分をわきまえている。

理想の自分を追い求めるのは良いが、40歳になってもそれを言い続けるのはどうだろうか。
30歳を過ぎても親のせいにし続けるのはどうだろうか。
自分ができる精一杯のことをやっている自分を許すことは悪いことだろうか。

前思春期から思春期となり、自分の限界を知り、親の限界を知り、親が大したことがないと安心することが思春期の隠しテーマの一つだ。
親があまりにも偉大で親を超えることが出来ないと卑屈なまま大人になる。
自分に安心することが出来ない者が社会的にトップに立つことほど本人も周りも苦しいことはない。
そんな総理が続くのも情けない国だ。

親も大したことはない。大人なんてそんなものだったんだと安心して社会に巣立つことが必要だ。
世襲の問題の一つにはそんな面もあるだろう。

あまりにも親は立派で、大人の社会は完璧だと錯覚すると若者が社会に出ることは困難となる。
社会に出ても生きていけない。そんな難しい社会にしてはいけない。

毎月、毎月働いて給料がもらえて、結婚し子どもが生まれそこそこ生活できることは当たり前のことであって欲しい。
社会保険の完備した会社に就職することがボクの夢です。
小学生の作文でそのうち出てきそうで怖い。

他人と自分と安心して生活できることが大切だ。
自分はのうのうと儲けて生きていく。他人のことまで考えない。
そんな大人が多くなっている。
生活の安全保障感さえ健全に持てない人たちが社長になってしまっている。
思春期のテーマさえクリアしていない人たちだ。トホホ・・・

自分が他人を支配するという考えは極めて精神年齢の低い状況としか言いようがない。
自分が生き延びるために他人を殺してでも生き残る不安と緊張で生きていくのは思春期で卒業しないといけない。
自分も安心して生きていけることが、他人も安全に生きていく世の中のルールだというあまりにも当たり前のことだが。
自分が大切であることと同じように、他人も自分自身を大切に生きているのである。
安全保障感とはそんなものだ。

これは大切なテーマだが、今回の講演会では話す内容ではないね・・・


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