ファミリー メンタル クリニック

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女王の教室から考えたこと 7 畏怖・尊敬

2005年09月23日 | 児童精神医学
子どもたちには罰を与えなければ分かりません。テレビで阿久津先生がよく言っていた科白です。
そんなところに下のニュースをみつけました。
小学生の校内暴力増加 朝日新聞 9.22
新聞の報道と女王の教室から考えたことで,番組を見ていた方はすぐにピンとくるでしょう。
ドラマでは「子どもたちは罰を受け入れました」と教育委員会向けの言い訳しか考えてない教頭の前でいってのけます。
子どもたちは,悪いことをしたときにきちんと対峙し,しかられて罰を受けることを望んでいます。
罰を受けることは,自分で責任をとることです。そしてその罰の代償として許してもらえるからです。
番組の中で,決してSM的ではなく,子どもたちは阿久津先生から,罰として全員立ってなさいと言われたときに安堵していました。

小学生で教師の胸ぐらをつかんで,反抗してくる・・・女王の教室ではありえないことです。
そんな世間での当たり前のことが,ゆとり教育・平等な教育・人権教育の名のもとに崩れていっています。
女王の教室最終回の前に文部省から発表があれば良かったのに(笑)

自分のことですが,5,6年と男性教師で確かに僕が悪いことは悪いのかもしれませんが,気分次第で生徒を殴る蹴るといった先生が担任でした。恐怖の気持ちは続きました。びくびくしながら授業を受けていました。
しかし尊敬からくる畏怖の念をその教師に感じたことは全くありません。
(番組前半はきっとこのような先生と視聴者は錯覚していたのでしょうか)

誉めることで生徒を伸ばしていく・・・全くその通りです。そんな先生は生徒が他の生徒をナイフで傷つけても,ナイフの使い方上手になったね・・・と誉めて育てるのでしょうか?!
昔の中学のように停学にはしないのでしょうか。この生徒が学校にいると治療が必要なけがを負う生徒が出るとしても。

結局学校で暴れて生徒が教師を殴りつけても,誰もオレを罰することは出来ない,教師が殴りやがったら,父ちゃんに頼んで教育委員会へ訴えればいいんだ!大人の社会が子どもに反映されているだけです。そんな科白を子どもに言わせている大人社会にこそ問題があるのだと,阿久津先生は訴えているのです。


「その8 コイズミ的なものと」へ続く
第1話 問題の「幸せになるのは6%の人達」と差別社会の到来を暗示していました。
阿久津先生のコイズミ論です(笑)

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