ファミリー メンタル クリニック

児童精神医学,サッカー,時にテレビや映画、Macのネタ。
要するにひとりごと・・・

子どもの心の診療 の前にやることたくさんあるでしょう!

2008年01月05日 | 児童精神医学
子どもの心の診療・・・厚労省は最近よくそんな言葉を使う。「心の病」とかいう表現は個人的にはボクはあまり使わない。
講義をするときに主催者側が「心:こころ」という言葉を使って欲しいとリクエストするときは別だが。
精神の病という表現も誤解が多いが、「精神」医学という範疇で見るときちんと学ぶとその理屈は分かってくる。ただし、現在流行っているアメリカ流のDSMではダメだ。伝統的なドイツ流または、かつてのフランス流の診断学のお世話にならないとだめだ。

厚労省が自殺対策を挙げて内科医が精神科医へうつ病で自殺しそうな患者さんを紹介すると保険点数が高くなるように、誘導医療政策を始めようとしている。
悪いことではない。机の上での考えでは。
今、精神科・心療内科のクリニックは普通に考えるよりも大変忙しい状況にある。

そこへ持ってきて 子どもの診療は 極めて時間をとられる。
これは、いつも述べるが、全てを「医療化」すれば、まあ厚労省としては仕事をしていると言い訳は出来るから・・・・と、その程度にしか思えない。

子どもの問題は、まず子どもが生まれる前から始まる。
結婚して子どもを産む母親もいれば、未婚の場合もある。こうのとりのゆりかごに預けられることもあるだろう。
取り敢えずは人が生きていてこそ人生だ。
本当は厚生労働省の一番大切なテーマだだと思うけど。子どもの心の問題で、スタートになる家族の生活形態、親の社会生活を考えずに、医療機関に子どもの身柄を引き渡せば、我々厚生労働省の「子どもの心の診療」対策チームの仕事は終わりなのだろう。悲しいかな今の日本の官僚レベルでは。

発達障害の乳幼児は保健所のレベルで経過を見て、市町村のレベルで療育をするのが必要だろう。
市町村合併でゴタゴタしてそれでどころではないのかもしれない。
日本を壊すと豪語した首相がいたからなあ・・・違うか自民党を壊すと言ったのか。

生活のスタンダード失った家族が育てる子どもが小学校にはいるようになる。
教師は、厚生省の思惑とは全く別の次元で仕事をしている。
子どもにかかわりたくても、真面目な教師でも時間がとれない。
クラスの経営も理想を語ることは出来ても、現実的にどう対処するかは、教育学部や先輩教師からどのように指導してもらっているのだろうか。
学校という現場・現実に一番適応できてないのは教師ではないかと思うことが度々ある。

厚労省は子どもの心の問題を言うのなら、教師と一緒:厚労省+文科省で少なくても共同して物事を考えていかないといけないはずだ。
どっちかというと、官庁の心(メンタリティ)の問題から先に解決して欲しい。


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